健康保険法
【問題】介護保険適用病床に入院している要介護被保険者である患者が、急性増悪により密度の高い医療行為が必要となったが、患者の状態等により患者を医療保険適用病床に転床させず、当該介護保険適用病床において緊急に医療行為が行われた場合は、介護保険から給付される部分に相当する療養を除いて、その給付は医療保険から行う。
(平成21年 問5A)
【解答】○
【解説】(法55条2項、平成12年3月31日保険発55号・老企56号・老健80号)
■健康保険の被保険者が、同一の疾病、負傷について、介護保険法の規定による給付を受けることができる場合⇒原則、健康保険の療養の給付等の保険給付は行わない。
■設問の場合、例外的な取り扱いとして、緊急に行われた医療に係る給付については、医療保険から行われる。
【問題】被保険者に係る療養の給付または入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費もしくは家族訪問看護療養費の支給は、同一の疾病、負傷または死亡について、介護保険法の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には行わない。
(平成22年 問9D)
【解答】×
【解説】(法55条2項)
■被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給は、同一の疾病又は負傷について、介護保険法の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には行わなない。つまり、介護保険法が優先される。
■設問では、「死亡について」と記載されてるが介護保険法に死亡に関する保険給付はないため誤り。
【問題】健康保険の療養の給付を受けている者が、同一の疾病又は負傷について介護保険法の規定による介護給付を受けられるようになった場合は、その疾病に関し療養の給付又は介護保険法の給付のいずれかを選択しなければならない。
(平成13年 問4E)
【解答】×
【解説】(法55条2項)
■同一の疾病等について療養の給付と介護保険法の給付を受けることができる場合⇒どちらかを選択するのではなく、介護保険法からの給付が優先されることになる。
【問題】結核患者である健康保険の被保険者が公費負担による通院医療を受ける場合、原則として、その費用の70%を健康保険が、30%を都道府県が負担することとされており、当該被保険者の負担はない。
(平成20年 問7B)
【解答】×
【解説】(法55条3項、感染症予防法37条の2、平成7年6月16日健医発786号・庁保発24号)
■設問の場合、被保険者は医療に要した費用の「100分の5」に相当する額を負担。
■結核患者である健康保険の被保険者が公費負担による通院医療を受ける場合⇒70歳未満の被保険者で、健康保険の給付が100分の70、公費負担が100分の25、患者負担が100分の5となる。
【問題】生活保護法による医療扶助と健康保険による保険給付が併用される場合は、健康保険による保険給付が優先され、費用のうち健康保険による保険給付が及ばない部分について、医療扶助の対象となる。
(平成16年 問8B)
【解答】○
【解説】(法55条3項、生活保護法4条2項)
■生活保護法による医療扶助を受けることができる者で健康保険の給付が行われる場合⇒健康保険の給付が優先し、健康保険で給付されない自己負担分に対して、生活保護による医療扶助が行われる。
【問題】災害救助法の規定により、被災者の医療について公費負担が行われた時は、その限度において健康保険の保険給付は行われない。
(平成17年 問5E)
【解答】○
【解説】(法55条3項、災害救助法による救助の程度、方法及び期間並びに実費弁償の基準)
■災害救助法⇒災害のため医療の途を失った者に対して、公費負担が行われる。
■災害救助法による公費負担の医療が行われた場合⇒その限度において、健康保険の給付は行われない。
【問題】被保険者は、療養の給付に係る事由又は入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給に係る事由が、第三者行為によって生じたものであるときは、①届出に係る事実、②第三者の氏名及び住所又は居所(氏名又は住所若しくは居所が明らかでないときは、その旨)、③被害の状況、以上を記載した届書を遅滞なく保険者に提出しなければならない。
(平成24年 問6E)
【解答】○
【解説】(法57条、則65)
■設問のとおり正しい。
■『第三者行為災害に関する届書』⇒被保険者が、遅滞なく、提出。(事業主ではない。)
【問題】療養の給付に係る事由又は入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給に係る疾病又は負傷が第三者の行為によって生じたものであるときは、被保険者は、遅滞なく、その事実、第三者の氏名及び住所又は居所(氏名又は住所若しくは居所が明らかでないときは、その旨)並びに被害の状況を記載した届書を保険者に提出しなければならない。
(平成15年 問3E)
【解答】○
【解説】(則65条)
■設問のとおり正しい。
【問題】自動車事故にあった被保険者に対して傷病手当金の支給をする前に、加害者が当該被保険者に対して負傷による休業に対する賠償をした場合、保険者はその損害賠償の価額の限度内で、傷病手当金の支給を行う責めを免れる。
(平成21年 問6E)
【解答】○
【解説】(法57条2項)
■設問のとおり正しい。
■設問の場合において、保険給付を受ける権利を有する者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、保険者は、その価額の限度において、保険給付を行う責めを免れる。⇒損害賠償を受けた後に同一事由について保険給付を受けようとする場合には「保険給付の免責」
■保険者は、給付事由が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を行ったとき⇒その給付の価額の限度において、保険給付を受ける権利を有する者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
⇒損害賠償を受ける前に保険給付を受けた場合には「損害賠償請求権の代位取得」
【問題】第三者の行為によって給付事由が生じた被保険者の傷病について保険者が損害賠償の請求権を代位取得した際、自動車損害賠償保障法による自動車損害賠償責任保険において被保険者の重過失が認められ、保険金の額が減額された場合には、保険者は過失により減額された割合で減額した額で加害者側に求償して差し支えない。
(平成20年 問7D)
【解答】○
【解説】(法57条、昭和49年1月28日庁保険発1号・保険発10号)
■設問のとおり正しい。
【問題】被保険者の負傷が自動車事故等の第三者の行為によって生じた場合において、被保険者が第三者から当該負傷について損害賠償を受けたときは、保険者は、その価額の限度において、保険給付を行う責めを免れる。
(平成15年 問9C)
【解答】○
【解説】(法57条2項)
■給付事由が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を受ける権利を有する者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたとき⇒保険者は、その価額の限度において、保険給付を行う責めを免れる。