労働者災害補償保険法
《目次》【休業(補償)給付支給事由】【休業(補償)給付の支給額】
【問題】労働者が業務上の傷病による療養のため労働することができないために賃金を受けない場合には、その第1日目から第3日目までは使用者が労働基準法第76条の規定に基づく休業補償を行い、第4日目からは休業補償給付が支給される。
(平成15年 問4A)
【解答】○
【解説】(法14条1項、労基法76条、労基法84条)
■設問のとおり正しい。
■休業補償給付⇒労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給。
■待期期間の最初のの3日間⇒労働基準法の規定による休業補償。
■4日目から⇒休業補償給付
■健康保険法の傷病手当金の待期期間⇒継続した3日間
■休業(補償)給付の待期期間⇒通算して3日間
【問題】休業補償給付又は休業給付は、業務上の事由又は通勤による傷病の療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給される。
(平成17年 問4C)
【解答】○
【解説】(法14条1項、法22条の2第2項)
■設問のとおり正しい。
【問題】休業補償給付は、業務上の傷病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給されるが、それまでの3日間については、労働基準法第76条により使用者が直接に休業補償を行わなければならない。
(平成21年 問4A)
【解答】○
【解説】(法14条1項、労基法76条、労基法84条1項)
■設問のとおり正しい。
【問題】休業補償給付は、業務上の傷病による休業(療養のため労働することができないために賃金を受けない場合をいう。)の第4日目から支給されるが、この第4日目とは、休業が継続していると断続しているとを問わず、実際に休業した日の第4日目のことである。
(平成21年 問4B)
【解答】○
【解説】(法14条1項)
■休業補償給付⇒継続すると断続しているとを問わず実際に休業した日の第4日目から支給。
【問題】業務上の傷病の療養のため所定労働時間の一部しか労働できなかった日の休業補償給付の額は、給付基礎日額から当該労働に対して支払われた賃金の額を差し引いた額(その額が最高限度額を超える場合には最高限度額に相当する額)の100分の60に相当する額となる。
(平成21年 問4D)
【解答】○
【解説】(法14条の2)
■所定労働時間の一部について労働した場合の休業(補償)給付の支給額⇒
(給付基礎日額-1部労働した賃金の額)×100分の60に相当する額。
■具体例(給付基礎日額:10,000円、1部労働賃金:3,000円)の場合
⇒給付基礎日額は(10,000円-3,000円)×100分の60=4,200円に
つまり、当該労働者には、3,000円(会社から)+4,200円(労災から)=合計7,200円が支給。
■ただし、会社が、1部労働した賃金の3,000円以外に労災から支給される4,200円以上の賃金を支払えば、休業補償給付は支給されない。
【問題】労働者が業務上の事由又は通勤による傷病に係る療養のため所定労働時間のうちその一部分についてのみ労働する日に係る休業補償給付又は休業給付の額は、給付基礎日額(労災保険法第8条の2第2項第2号に定める額(以下この問において「最高限度額」という。)を給付基礎日額とすることとされている場合にあっては、同号の適用がないものとした場合における給付基礎日額)から当該労働に対して支払われる賃金の額を控除して得た額(当該控除して得た額が最高限度額を超える場合にあっては、最高限度額に相当する額)の100分の60に相当する額である。
(平成15年 問4C)
【解答】○
【解説】(法14条1項但書、法22条の2第1項)
■設問のとおり正しい。
【問題】業務上の事由又は通勤による傷病の療養のため所定労働時間の一部について労働することができないために、平均賃金と実労働時間に対して支払われる賃金との差額の60%未満の金額しか支払われていない日は、当該傷病の療養のため労働することができないために賃金を受けない日に該当する。
(平成16年 問4A)
【解答】○
【解説】(法14条1項、法22条の2第1項)
■所定労働時間の一部について労働することができない場合の休業(補償)給付⇒
平均賃金から一部労働した時間分の賃金(実労働時間分の賃金)を差し引いた額を計算し、その労働することができない部分に対して、賃金が支払われていないとき、又は賃金が支払われていたとしても、「支払われた賃金÷労働することができない部分の賃金額」が60%未満場合は、休業する日に該当するものとして休業(補償)給付の支給対象となる。
【問題】休業補償給付又は休業給付は、業務上の事由又は通勤による傷病の療養のため労働することができないために賃金を受けない日について支給される。したがって、労働することができなくても、平均賃金の60%以上の金額が支払われた日は、休業補償給付又は休業給付は支給されない。
(平成16年 問4B)
【解答】○
【解説】(法14条1項、法22条の2第1項)
■設問のとおり正しい。
■具体例(給付基礎日額:10,000円の場合)
全部休業した場合には、6,000円が休業(補償)給付として労災から支給。
ただし、会社から休業期間中に給付基礎日額の60%以上の賃金が支払われた場合
⇒具体例では、6,000円以上が会社から賃金として支払われたら、休業(補償)給付は支給されない。
■仮に賃金が5,999円(60%未満)までなら、休業補償給付と賃金の両方を受け取ることが可能。
ただし、賃金が全く支払われない場合や支払われた金額が平均賃金の60%未満である場合⇒は休業(補償)給付が支給。
【問題】業務上の傷病の療養のため所定労働時間の一部しか労働できなかった日の休業補償給付の額は、給付基礎日額から当該労働に対して支払われた賃金の額を差し引いた額(その額が最高限度額を超える場合には最高限度額に相当する額)の100分の60に相当する額となる。
(平成21年 問2D)
【解答】○
【解説】(法14条1項但書)
■設問のとおり正しい。
■例えば、給付基礎日額が15,000円で最高限度額が10,000円、一部労働した賃金が6,000円とした場合、15,000から6,000円を引いた9,000円が最高限度額以下なので、9,000円の6割である5,400円が休業補償給付額となる。
【問題】休業補償給付又は休業給付は、業務上の事由又は通勤による傷病の療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給されるが、労働することができない日であっても、平均賃金の60%以上の金額が支払われた日は、待期期間3日の日数には算入されない。
(平成16年 問4C)
【解答】×
【解説】(法14条1項、法22条の2第1項)
■「待期期間中の3日の日数に算入されない」の箇所が誤り。待期期間に含まれる。
■待期期間中に平均賃金の60%以上の金額が支払われた場合⇒使用者が労働基準法76条の休業補償を行ったものとして取り扱われる。
【問題】傷病が当日の所定労働時間内に発生し、所定労働時間の一部について労働することができない場合については、平均賃金と実労働時間に対して支払われる賃金との差額の60%以上の金額が支払われたときも、使用者により休業補償が行われた日とされる。
(平成16年 問4D)
【解答】○
【解説】(法14条1項、法22条の2第1項)
■傷病が当日の所定労働時間内に発生し、所定労働時間の一部について労働することができない場合
⇒平均賃金と実労働時間に対して支払われる賃金との差額(ようするに労働することができない部分)について60%以上の金額が支払われている場合であっても、特別な事情がない限り、労働基準法76条の休業補償が行われたものと取り扱い、その日を休業する日として待期期間に算入する。
【問題】業務災害又は通勤災害による傷病による療養のため所定労働時間の一部について労働することができないために賃金を受けない日についての休業補償給付又は休業給付の額は、実際に労働した部分についての賃金額と給付基礎日額との差額の60%に相当する額となる。
(平成16年 問4E)
【解答】○
【解説】(法14条1項、法22条の2第1項)
■設問のとおり正しい。
【問題】業務上の事由又は通勤による負傷が治った後に義肢の装着のため再手術、機能回復訓練等を行うために休業する場合には、療養のため労働することができない場合に該当しないので、休業補償給付又は休業給付は、支給されない。
(平成16年 問3C)
【解答】○
【解説】(法14条1項、法22条の2第1項)
■負傷が治った後に義肢の装着のため再手術、機能回復訓練等を行う場合⇒療養の範囲ではないので休業(補償)給付は支給されない。
【問題】業務上の負傷が治ゆしても重い障害が残ったため、義肢の装着に必要な手術、術後のリハビリテーション等を受けて労働することができないために賃金を受けない場合は、療養のため労働することができないために賃金を受けない場合に該当しないので、休業補償給付は支給されない。
(平成21年 問4C)
【解答】○
【解説】(法14条1項)
■患部の治ゆ後に行う義肢装着のために行う再手術等⇒休業補償給付は支給されない。
社会復帰促進等事業として取り扱う事案。
【問題】傷病補償年金の受給者の障害の程度が軽くなり、傷病等級表に定める障害に該当しなくなった場合には、当該傷病補償年金の支給は打ち切られるが、なお療養のため労働することができないため賃金を受けない状態にある場合には、政府が労働者の請求を待たず職権で休業補償給付の支給を決定する。
(平成21年 問5E)
【解答】×
【解説】(法12条の8第2項・第3項、法14条)
■設問の前半の論点は正しい。
■設問の休業補償給付の支給の決定は、労働者からの請求に基づいて行われるため誤り。
【問題】休業補償給付又は休業給付は、業務上の事由又は通勤による傷病の療養のため労働することができないために賃金を受けない場合に支給されるものであるから、労働契約の期間満了等により労働関係が消滅した後においても、当該傷病による療養のため労働することができないために賃金を受けない状態にある限り、支給される。
(平成16年 問3B)
【解答】○
【解説】(法12条の5第1項、法14条1項)
■保険給付を受ける権利⇒労働者の退職によって変更されることはない。
■労働契約の期間満了等により労働関係が消滅した後でも支給要件に該当すれば、休業(補償)給付は支給。
【問題】労働者が留置施設に留置されて懲役、禁錮又は勾留の刑の執行を受けている場合、休業補償給付は支給されない。
(平成24年 問3C)
【解答】○
【解説】(法14条の2、則12条の4)
■設問のとおり正しい。
【問題】労働者が通勤による傷病に係る療養のため労働することができないために賃金を受けない場合には、使用者による休業補償はないが、給付費用の一部負担金に相当する額を減額した休業給付が第1日目から支給される。
(平成15年 問4B)
【解答】×
【解説】(法22条の2、労基法76条)
■休業給付⇒労働者が通勤による負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給.
■通勤災害⇒労働基準法上使用者に補償義務がなく、待期期間の3日間について休業補償は行われない。
【問題】休業給付が支給されない休業の初日から第3日目までの待期期間について、事業主は労働基準法に基づく休業補償の義務を負わない。
(平成24年 問2E)
【解答】○
【解説】(法22条2)
■設問のとおり正しい。
■事業主が労働基準法に基づく義務を負うのは⇒労働者が業務上の療養のため、労働することができないため賃金を受けない場合。通勤災害に関しては義務を負わない。