国民年金法
《目次》
【問題】積立金の運用は、厚生労働大臣が、国民年金事業の運営の安定に資する目的に沿った運用に基づく納付金の納付を目的として、年金積立金管理運用独立行政法人に対し、積立金を預託することにより行う。
(平成18年 問4A)
【解答】×
【解説】(法76条)
積立金の運用は、厚生労働大臣が、国民年金事業の運営の安定に資する目的に沿った運用に基づく納付金の納付を目的として、年金積立金管理運用独立行政法人に対し、積立金を寄託することにより行うものとされている。
よって、「積立金を預託」とした問題文は誤りである。
なお、厚生労働大臣は、積立金を寄託するまでの間、財政融資資金に積立金を預託することができるとされている。(法76条2項)
【問題】国庫は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用並びに国民年金事業の事務の執行に要する費用の総額を負担する。
(平成13年 問1E)
【解答】×
【解説】(法85条、法附則13条(平成16年6月11日法律第104号))
(老齢、障害、遺族)基礎年金の給付に要する費用に対する国庫負担は、その給付の要する費用のうち、第1号被保険者が頭割りで負担すべき総額の2分の1に相当する額(当分の間は3分の1に1000分の11を加えた率を乗じて得た額)とされている。(老齢基礎年金の保険料免除期間に対する国庫負担及び20歳前の傷病による障害基礎年金の給付に要する費用に対する国庫負担を除く)
そして、国民年金事業の事務の執行に要する費用については、毎年度、予算の範囲内で国庫負担されることになっている。
よって、問題文中の「事務の執行に要する費用に対する国庫負担」については正しいが、基礎年金の給付に要する費用の「総額」について国庫負担するとした部分が誤りである。
【問題】20歳前の傷病による障害に係る障害の給付に関しては、その給付に要する費用の100分の50を国庫が補助する。
(平成18年 問2C)
【解答】×
【解説】(法85条1項)
20歳前の傷病による障害に基づく障害基礎年金は、昭和60年改正前は、障害福祉年金として全額国庫負担が行われていた経緯があり、他の年金と比較して国庫負担率を高くすることとし、給付費の100分の20を特別に国庫負担することとされている。
そして、この場合に、残りの100分の80に相当する費用については、原則どおり2分の1の国庫負担が行われることとなるので、結果として、20歳前の傷病による障害に基づく障害基礎年金に係る国庫負担率は100分の60となり、従来の障害福祉年金程度の国庫負担額が維持されることとされた。
よって、「100分の50を国庫が補助する」(ちなみに国庫補助はない)とした問題文は誤りである。
【問題】政府は、政令の定めるところにより、都道府県及び市町村(特別区を含む。)が国民年金法又は国民年金法に基づく政令の規定によって行う事務の処理に必要な費用を交付する。
(平成23年 問9B)
【解答】×
【解説】(法86条)
政府は、政令の定めるところにより、市町村(特別区を含む。)に対し、市町村長が国民年金法又は国民年金法に基づく政令の規定によって行う事務の処理に必要な費用を交付することとされているが、都道府県に対して事務費は交付されていない。
よって、「都道府県及び市町村(特別区を含む。)」とした問題文は誤りとなる。
【問題】被用者年金の保険者に係る基礎年金拠出金の算定基礎となる第2号被保険者は、20歳以上65歳未満の者に限られる。
(平成23年 問9C)
【解答】×
【解説】(法94条の3第2項、令11条の3)
基礎年金拠出金の額を計算する際には、第1号被保険者については適用が20歳以上60歳未満であるのに対し、第2号被保険者については20歳未満又は60歳以上であっても被保険者とされていること等の適用の態様の均衡を考慮して、政令で定めるもののみを基礎として被保険者数を算定することとしている。
この政令では、第1号被保険者については保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者、第2号被保険者については20歳以上60歳未満の被保険者数、第3号被保険者については全員とすることとされている。
よって、「20歳以上65歳未満の者」とした問題文は誤りとなる。
【問題】国民年金法の付加年金及び死亡一時金の給付に要する費用は、その全額が第1号被保険者の保険料によって賄われる。
(平成23年 問9E)
【解答】×
【解説】(法附則34条1項1号(昭和60年5月1日法律第34号))
国庫は、当分の間、国民年金法による付加年金の給付に要する費用及び国民年金法による死亡一時金の給付に要する費用(付加保険料納付済期間が3年以上ある場合の加算額8,500円に相当する部分に要する費用に限る。)の総額の4分の1に相当する額を負担することとされている。
よって、「その全額が第1号被保険者の保険料によって賄われる。」とした問題文は誤りとなる。
【問題】基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間に限られ、保険料免除期間を有する者及び保険料未納者は除かれる。
(平成23年 問9D)
【解答】×
【解説】(法94条の3第2項、令11条の3)
基礎年金拠出金の額を計算する際には、第1号被保険者については適用が20歳以上60歳未満であるのに対し、第2号被保険者については20歳未満又は60歳以上であっても被保険者とされていること等の適用の態様の均衡を考慮して、政令で定めるもののみを基礎として被保険者数を算定することとしている。
この政令では、第1号被保険者については保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者、第2号被保険者については20歳以上60歳未満の被保険者数、第3号被保険者については全員とすることとされている。
よって、「保険料納付済期間に限られ」とした問題文は誤りとなる。
【問題】学生納付特例に関する期間及び若年者納付猶予期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用に関しては、国庫はその2分の1を負担する。
(平成19年 問7B)
【解答】×
【解説】(法85条1項)
学生納付特例に関する期間及び若年者納付猶予期間については、保険料が追納されない限り老齢基礎年金の額には反映されないため、当該期間について国庫負担は行われない。
よって、「国庫はその2分の1を負担する」とした問題文は誤りとなる。