国民年金法

《目次》

 

【問題】政府は国民年金基金が解散したときは、国民年金基金連合会が当該解散した基金から徴収する場合を除き、当該基金から責任準備金に相当する額を徴収する。
(平成19年 問1A)
【解答】○
【解説】(法95条の2、法137条の19第1項)
●国民年金基金が解散した場合

⇒政府は、解散した国民年金基金から責任準備金を徴収することになります。
●国民年金基金連合会の会員である国民年金基金が解散した場合

⇒国民年金基金連合会が責任準備金相当額を徴収し、政府は責任準備金を徴収しないことになります。

【国民年金基金の通則、設立】 (法115条〰119条)

【問題】国民年金保険料の免除を受けている期間は、国民年金基金の加入員にはなれないが、基金の加入員になった後で、国民年金保険料の免除を受けていた全期間(直近の10年以内分)について追納すれば、保険料が免除されていたため基金に加入できなかった期間に相当する期間(平成3年4月1日以後の期間で10年を限度)について掛金を支払うことができる。ただし、この場合の掛金は、1か月につき68,000円を超えてはならない。
(平成23年 問10B)
【解答】×
【解説】(法116条、基金令35条1項)

2箇所誤りです。

・平成3年4月1日以後の期間で「10年を限度」⇒「60月を限度」

・「68,000円」⇒「102,000円」

解説

国民年金保険料の免除を受けている期間は、当然、国民年金基金の加入員にはなれません。

年金制度の根本をなす国民年金の免除を受けながら、一方で国民年金基金に加入することはあり得ません。


ただし、国民年金基金の加入員になった後で、国民年金保険料の免除を受けていた全期間(直近の10年以内分)について追納すれば、保険料が免除されていたため基金に加入できなかった期間に相当する期間(平成3年4月1日以後の期間で60月を限度)

⇒掛金を支払うことができます。

この場合の掛金は、1か月につき102,000円


【問題】職能型国民年金基金は、同種の事業又は業務に従事する第1号被保険者で組織され、都道府県ごとに1個とする。
(平成15年 問10C)
【解答】×
【解説】(法116条2項、法118条の2)
職能型基金は、同種の事業又は業務に従事する第1号被保険者(保険料免除者及び農業者年金の被保険者を除く)をもって組織され、同種の事業又は業務につき全国を通じて1個とされている。
よって、「都道府県ごとに1個」とした問題文は誤りである。
なお、地域型基金は、都道府県内に住所を有する第1号被保険者(保険料免除者及び農業者年金の被保険者を除く)で組織され、都道府県につき1個とされている。


【問題】社会保険労務士にも職能型国民年金基金が設立されているが、加入員の利便性を考慮し、都道府県社会保険労務士会につき1個設置されている。
(平成23年 問10A)
【解答】×
【解説】(法118の2)
 ■「都道府県社会保険労務士会につき1個設置」⇒「全国につき1個設置」

 

・地域型基金⇒都道府県につき1個

・職能型基金⇒同種の事業又は業務につき1個


【問題】国民年金基金への加入申請時に過去保険料の納付を免除されている期間がある者は、その免除期間につき保険料を追納すればさかのぼって国民年金基金に加入することができる。
(平成15年 問10D)
【解答】×
【解説】(法116条1項、法127条2項)
国民年金基金に加入の申出をした者は、その申出をした日に加入員の資格を取得することになるが、保険料の納付を免除されている場合は、国民年金基金の加入員になることはできない。
また、保険料免除期間について追納した場合であっても、遡及して基金の加入員になることはできない。
よって、「保険料を追納すればさかのぼって国民年金基金に加入することができる」とした問題文は誤りである。
なお、加入員が免除保険料の追納を行った場合は追納日の属する月から、また免除保険料を追納した後に加入員となった場合は加入日の属する月から、保険料の免除を受けていたために国民年金基金の加入員になることができなかった期間に相当する期間(60月が限度)について、基金の掛金の上限額を通常の掛金(1月68,000円)より多くする(1月102,000円)ことができる。(国基金令35条)


【問題】遺族基礎年金の受給権を有する者は、遺族基礎年金の支給を受けている間は、国民年金基金に加入することはできない。
(平成20年 問4A)
【解答】×
【解説】(法116条、法127条)
国民年金基金制度は、自営業者等にはこれまで存在しなかった基礎年金の上乗せ年金を整備するためのものであるから、国民年金基金に加入できるのは第1号被保険者に限られており、国民年金の保険料を納付することとされていない第2号被保険者、第3号被保険者並びに第1号被保険者のうち保険料を免除(全額、4分の3、半額、4分の1)されている者(学生等の納付特例制度適用者も含む)、及びすでに上乗せ年金のある農業者年金の被保険者は国民年金基金に加入することはできないとされている。
よって、遺族基礎年金の支給を受けている間であっても、第1号被保険者であり保険料の免除等を受けていなければ国民年金基金の加入することは可能であり、問題文は誤りとなる。


【問題】基金創立総会の議事は、加入員たる資格を有する者であって、その会日までに設立委員又は発起人に対し設立の同意を申し出たものの3分の2以上が出席し、出席者の半数以上で決する。
(平成16年 問5C)
【解答】×
【解説】(法119条の2第5項)
創立総会の議事は、加入員たる資格を有する者であって、その会日までに設立委員又は発起人に対し設立の同意を申し出たものの半数以上が出席して、その出席者の3分の2以上で決することになっている。
よって、「3分の2以上が出席し、出席者の半数以上で決する」とした問題文は誤りである。


【問題】国民年金基金の創立総会の議事は、加入員としての資格を有する者で、設立委員等に対し設立の同意を申し出た者の3分の2以上で決する。
(平成13年 問1C)
【解答】×
【解説】(法119条の2第5項)
■国民年金基金の創立総会の議事は、加入員たる資格を有する者であり、その会日までに設立委員等に対し設立の同意を申し出たものの半数以上が出席し、その出席者の3分の2以上で決する


【問題】国民年金基金は、加入員又は加入員であった者の老齢、死亡に関して必要な給付を行うが、障害に関する給付は行わない。
(平成15年 問7B)
【解答】○
【解説】(法115条、128条1項)
基金は、加入員又は加入員であった者の老齢に関して必要な給付(年金の支給)を行ない、あわせて加入員又は加入員であった者の死亡に関し、一時金の支給を行なうものとされているが、障害に関する給付は行わない。

【国民年金基金の代議員会】 (法122条〰法126条)

【問題】国民年金基金の役員及び国民年金基金に使用され、その事務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなされる。
(平成19年 問5D)
【解答】○
【解説】(法126条)
■設問のとおり正しい。


【問題】国民年金基金には、役員として理事及び監事が置かれるが、監事は代議員会において、発起人又は代議員のうちからそれぞれ1人を選挙することとされる。
(平成18年 問5D)
【解答】×
【解説】(法124条1項・5項)
国民年金基金には、役員として理事及び監事が置かれることになっており、監事は、代議員会において、学識経験を有する者及び代議員のうちから、それぞれ1人を選挙することとされている。
よって、「発起人又は代議員のうちから」とした問題文は誤りである。
なお、理事は、代議員において互選する。ただし、理事の定数の3分の1を超えない範囲内については、代議員会において、年金に関する学識経験を有する者のうちから選挙することができる。(法124条2項)
そして、理事のうち一人を理事長とし、理事が選挙することとされている。(法124条4項)

【国民年金基金の加入員】 (法127条、139条)

【問題】第1号被保険者及び任意加入被保険者は、その者が住所を有する地区に係る地域型国民年金基金に申し出て、その加入員となることができる。

(平成23年 問10E)
【解答】×
【解説】(法127条ほか)
国民年金基金は、国民年金の付加年金を代行する公的年金であり、また、自営業者の上乗せ年金としてその老後の所得保障を目的とした制度であることから、この点に着目した税制上の優遇措置も講じられており、この制度目的が損なわれることがないよう、加入できるのは第1号被保険者に限られており、任意加入被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者、保険料の免除を受けている者、農業者年金の被保険者については、加入員となることができない。
よって、問題文は誤りとなる。


【問題】第1被保険者が従事する職業において職能型国民年金基金が設立されている場合、当該被保険者は職能型国民年金基金に加入することとなり、地域型国民年金基金には加入できない。
(平成24年 問9C)
【解答】×
【解説】(法127条1項)
■設問の場合、その者の選択により、地域型国民年金基金の箇入院となることができる。

【問題】毎月の掛金の上限額である68,000円を超えていなければ、職能型国民年金基金と地域型国民年金基金の両方に同時に加入することができる。
(平成24年 問9D)
【解答】×
【解説】(法127条1項)
■同時に2つ以上の国民年金基金の加入員になることはできない。


【問題】夫が開業社会保険労務士で個人事務所を営んでおり、当該事務所における業務に従事する妻が第1号被保険者であっても、その妻が社会保険労務士でなければ、社会保険労務士の職能型国民年金基金の加入員になれない。
(平成24年 問9B)
【解答】×
【解説】(法127条1項)
■設問の妻は、社会保険労務士の職能型国民年金基金の加入員になることができる。
■職能型国民年金基金は、第1号被保険者であって、基金の地区内において同種の事業又は業務に従事する者をもって組織されている。


【問題】国民年金基金の加入員の申出をした同月に、法第90条第1項等の規定による国民年金の保険料免除の適用を受けることになった場合、その翌月に加入員資格を喪失する。
(平成24年 問9E)
【解答】×
【解説】(法127条3項3)
■設問の場合、その資格を取得した日にさかのぼって、加入員でなかったものとみなされる。


【問題】職能型国民年金基金の加入員である開業社会保険労務士が、社会保険労務士法人を設立し代表社員になった場合は、当該国民年金基金の加入員資格を喪失する。
(平成24年 問9A)
【解答】○
【解説】(法127条3項1号)
■設問のとおり正しい。
■社会保険労務士法人を設立した代表社員になった場合は、第2号被保険者に該当⇒国民年金基金の加入員の資格を喪失する。


【問題】国民年金基金は、厚生労働省令の定めるところにより、その加入員の資格の取得及び喪失に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
(平成18年 問1B)
【解答】○
【解説】(法139条)
国民年金基金の加入員については付加保険料を納付できなくなること等から、国民年金基金は、その加入員の資格の取得及び喪失に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならないことになっている。
よって、問題文は正解である。


【問題】銀行その他の政令で定める金融機関は、国民年金基金の業務のうち、加入の申出の受理に関する業務に限り、国民年金基金から受託することができる。
(平成18年 問7A)
【解答】○
【解説】(法128条6項、国民年金基金令20条の2)
銀行その他政令で定める金融機関(信用金庫、農業協同組合、信託会社、保険会社等)は、他の法律の規定にかかわらず、国民年金基金が厚生労働大臣の認可を受けて国民年金基金連合会等に委託した業務のうち、加入の申出の受理に関する業務を受託することができることになっている。
よって、問題文は正解である。


【問題】国民年金基金が支給する年金額は、200円に加入員の加入月数を乗じて得た額を超えるものでなければならないが、国民年金基金の支給する一時金の額については下限は定められていない。
(平成22年 問4C)
【解答】×
【解説】(法130条)
■国民年金基金が支給する一時金の額⇒国民年金の死亡一時金が支給されるときには支給されなければならず、付加年金の保険料を納付している者に支給される死亡一時金の加算額である8,500円を超えるものでなければならない。
「国民年金基金の支給する一時金の額については下限は定められていない」の箇所が誤り。


【問題】地域型国民年金基金の加入員は、その者の従事する事業若しくは業務にかかわる職能型国民年金基金に加入を申し出て、両方の加入員となることができる。
(平成15年 問10A)
【解答】×
【解説】(法127条1項)
第1号被保険者は、その者が住所を有する地区に係る地域型基金又はその従事する事業若しくは業務に係る職能型基金に申し出て、その加入員となることができる。
ただし、すでに他の基金の加入員であるときは、重ねて基金の加入員になることはできない。
よって、「両方の加入員となることができる」とした問題文は誤りである。


【問題】基金が解散したときは、当該基金の加入員であった者に係る年金及び一時金の支給に関するすべての義務を免れる。
(平成16年 問5D)
【解答】×
【解説】(法136条)
基金が解散した時は、当該基金の加入員であった者に係る年金及び一時金の支給に関する義務を免れるが、解散日までに支給すべきであった年金又は一時金でまだ支給していないものの支給に関する義務については免れることができない。
よって、「すべての義務を免れる」とした問題文は誤りである。


【問題】基金は、政令で定めるところにより、厚生労働大臣の認可を受けて、その業務の一部を「信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、銀行、農業協同組合連合会、共済水産業協同組合連合会、国民年金基金連合会その他の法人に委託することができる。(一部改正)
(平成16年 問5A)
【解答】×
【解説】(法128条5項)
基金は、政令で定めるところにより、厚生労働大臣の認可を受けて、その業務の一部を信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会、共済水産業協同組合連合会、国民年金基金連合会その他の法人に委託することができるとされているが、銀行には業務の一部を委託することができない。
よって、問題文は誤りとなる。
なお、銀行その他の政令で定める金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、基金が委託した信託会社等の業務のうち、基金の加入の申出の受理に関する業務に限り受託できることになっている。(法128条6項)


【問題】国民年金基金は、社会保険庁長官の許可を受けて、国民年金基金連合会に業務の一部を委託することができる。
(平成15年 問10B)
【解答】×
【解説】(法128条5項、国基金令20条1項)
基金は、政令で定めるところにより、厚生労働大臣の認可を受けて、その業務の一部を信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会、共済水産業協同組合連合会、国民年金基金連合会、日本郵政公社その他の法人に委託することができる。
よって、「社会保険庁長官の許可」とした問題文は誤りである。


【問題】国民年金基金は加入員の脱退に関し、一時金の支給を行うことはできないが、国民年金基金連合会を設立して、国民年金基金の加入員期間が15年未満の中途脱退者に年金又は一時金を支給することができる。
(平成17年 問5D)
【解答】○
【解説】(法128条1項、法137条の2、法137条の17第1項、国基金令45条)
国民年金基金は、加入員又は加入員であった者の死亡に関し一時金の支給を行うことになっているので、中途脱退者に対して一時金の支給は行うことができない。
よって、国民年金基金は、国民年金基金連合会を設立して、中途脱退者(加入員の資格を中途喪失し、加入期間が15年未満の者)及び解散基金加入員の年金及び一時金の支給を共同して行うことにしている。


【問題】基金が支給する一時金は、少なくとも当該基金の加入員又は加入員であった者が死亡した場合において、その遺族が死亡一時金又は遺族基礎年金を受けたときには、その遺族に支給されるものでなければならない。

(平成16年 問5E)
【解答】×
【解説】(法129条3項)
基金が支給する一時金は、少なくとも、当該基金の加入員又は加入員であった者が死亡した場合において、その遺族が死亡一時金を受けたときには、その遺族に支給されるものでなければならないとされている。
よって、「その遺族が死亡一時金又は遺族基礎年金を受けたとき」とした問題文は誤りとなる。


【問題】国民年金基金が支給する年金は、少なくとも、当該基金の加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得したときから3年を限度に、その者に支給されるものでなければならない。
(平成22年 問3E)
【解答】×
【解説】(法129条1項)
国民年金基金が支給する年金は、政令の定める基準に従い、具体的には規約で定められることになっているが、老齢基礎年金が支給されるときは基金の年金も支給されなければならず、老齢基礎年金の受給権の消滅事由以外の事由での受給権消滅は認められないこととされている。(終身年金)
よって、「老齢基礎年金の受給権を取得したときから3年を限度」とした問題文は誤りとなる。


【問題】国民年金基金が支給する一時金は、少なくとも、当該基金の加入員又は加入員であった者が死亡した場合に、その遺族が遺族基礎年金を受けたときには、その遺族に支給されるものでなければならない。
(平成17年 問5C)
【解答】×
【解説】(法129条3項)
国民年金基金が支給する一時金は、少なくとも、当該基金の加入員又は加入員であった者が死亡した場合において、その遺族が死亡一時金を受けたときにその遺族に支給されるものでなければならないとされている。
よって、「その遺族が遺族基礎年金を受けたとき」とした問題文は誤りである。


【問題】基金の支給する年金は、基金への掛金を一度納付した期間であっても、国民年金の保険料を納付しないとその期間分については給付の対象とされず、基金に納付した掛金は還付される。
(平成16年 問5B)
【解答】○
【解説】(法130条2項、法134条2項、国基金令22条)
基金が支給する年金額の算定基準は政令で定められ、給付の詳細は法令に定められた基準に従い、基金ごとの規約で定められることになっている。
そして、政令においては、年金の額は加入員期間の各月の掛金及びその運用収入の額の総額に照らし、財政の均衡を保つことができるよう計算されるものであること等の基準が定められているが、ここでいう加入員期間とは、国民年金本体の保険料納付済期間に限られている。
よって、国民年金本体の保険料を納付していない者が、基金の掛金だけ納付して将来年金を受けることはできないことになる。(その分の掛金は当然還付されることになる。)


【問題】繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者に対し、国民年金基金が支給する年金額は、200円に納付された掛金に係る当該基金の加入員であった期間の月数を乗じて得た金額を超えるものでなければならない。
(平成17年 問5E)
【解答】×
【解説】(法130条第2項、国基金令24条)
老齢基礎年金の受給権者に対し基金が支給する年金の額は、200円に加入員期間の月数を乗じて得た額を超えるものでなければならないとされているが、繰上げ支給又は繰下げ支給の老齢基礎年金の受給権者に対して基金が支給する年金については「政令で定める額」に加入員期間の月数を乗じて得た額を超えるものでなければならないとされている。
よって、問題文は誤りである。


【問題】国民年金基金が支給する年金は、基金への掛金を納付した場合であっても国民年金の保険料を納付しない期間があるときは、その期間分については給付の対象とされず、基金に納付した掛金は還付される。
(平成19年 問3E)
【解答】○
【解説】(法130条2項・基金令22条)
国民年金基金が支給する年金の額の算定の基準は政令で定められ、給付の詳細は、法令に定められた基準に従い、国民年金基金ごとの規約で定められることになっている。
国民年金基金令においては、年金の額は加入員期間の各月の掛金及びその運用収入の額の総額に照らし、財政の均衡を保つことができるよう計算されるものであること等の基準が定められているが、ここでいう加入員期間とは、国民年金本体の保険料納付済期間に限られている。
すなわち、国民年金本体の保険料を納付していない者が、国民年金基金の掛金だけ納付して将来年金を受けることができないようになっている。
よって、問題文は正解となる。

【問題】国民年金基金が支給する年金額は、200円に加入員の加入月数を乗じて得た額を超えるものでなければならないが、国民年金基金の支給する一時金の額については下限は定められていない。
(平成22年 問4C)
【解答】×
【解説】(法130条)
■国民年金基金が支給する一時金の額⇒国民年金の死亡一時金が支給されるときには支給されなければならず、付加年金の保険料を納付している者に支給される死亡一時金の加算額である8,500円を超えるものでなければならない。
「国民年金基金の支給する一時金の額については下限は定められていない」の箇所が誤り。

【問題】国民年金基金(以下「基金」という。)は、基金が支給する年金及び一時金に関する事業に要する費用に充てるため、掛金を徴収するが、当該掛金の額は、法令に定めがなく各基金が任意に定めることとされている。
(平成20年 問4E)
【解答】×
【解説】(法134条)
国民年金基金は、年金及び一時金に関する事業に要する費用に充てるため、加入員から掛金を徴収するが、掛金は、政令の定めるところにより、その額が算定されるものでなければならないとされており、各国民年金基金が任意に定めることはできない。
よって、問題文は誤りとなる。
なお、政令で定める掛金の上限は原則として月額68,000円までとされており、この額は、国民年基金の掛金が社会保険料控除の対象となることから厚生年金基金に加入しているサラリーマンに認められる社会保険料控除等とのバランスに配慮して設定されている。(基金令34条)

【問題】A県の地域型国民年金基金に20歳から30歳まで加入していた者が第2号被保険者となったため加入員資格を喪失した。その後40歳で第1号被保険者に種別変更し、再び当該国民年金基金に40歳から50歳まで加入したが、50歳から第3号被保険者になったため加入員資格を再び喪失した(以後60歳まで第3号被保険者)。この場合、加入員期間は通算して20年になるため、年金又は一時金の支給は A県の地域型国民年金基金から受ける。
(平成23年 問10D)
【解答】○
【解説】(法137条の18)
国民年金基金の加入員が中途脱退者となった後で、再びもとの基金に加入した場合には、当該加入員の管理は当該基金が行うことが適当であるので、基金の請求に基づき、逆に国民年金基金連合会から基金に現価相当額を再交付することとしている。
基金は交付の請求に基づき、連合会より現価相当額の交付を受けたときは、当該交付金を原資として、当該中途脱退者に係る年金又は一時金を支給するものとされている。そして、連合会は交付請求に基づく現価相当額を交付したときに、当該中途脱退者に係る年金又は一時金の支給に関する義務を免れることになる。
よって、問題文は正解となる。
なお、これらの現価相当額の移転は、基金と連合会の間でだけ認められており、基金相互間での額の移転・年金の通算措置は認められていない

【問題】国民年金基金の加入員資格を途中で喪失した者(加入員資格を喪失した日において国民年金基金が支給する年金受給権を有する者を除く。)で、国民年金基金の加入員期間が15年に満たない者に対する脱退一時金は、国民年金基金連合会から支給される。
(平成23年 問10C)
【解答】×
【解説】(法137条の15、法137条の17)
国民年金基金連合会が行わなければならない事業は、会員である国民年金基金の中途脱退者及び会員である国民年金基金が解散した場合の当該解散基金の加入員に対する年金又は死亡を支給事由とする一時金の支給である。そして、国民年金基金の給付には、脱退一時金は設けられていない。
よって、問題文は誤りとなる。
なお、国民年金基金の中途だった者は次の要件を満たす者とされている。
(1)基金の加入員の資格を中途で喪失していること
(2)資格喪失時に当該基金の年金受給権を取得していないこと
(3)当該基金の加入期間が15年に満たないこと

【問題】国民年金基金(以下「基金」という。)は、中途脱退者及び解散基金加入員に係る年金及び一時金の支給を共同して行うため、国民年金基金連合会を設立することができるが、中途脱退者とは、基金の加入員の資格を喪失した者(当該加入員の資格を喪失した日において当該基金が支給する年金の受給権を有する者を除く。)であって、当該基金加入期間が20年に満たないものをいう。
(平成20年 問3B)
【解答】×
【解説】(法137条の2の5、法137条17、基金令45条)
国民年金基金は、中途脱退者及び解散基金加入員に係る年金及び一時金の支給を共同して行うため、国民年金基金連合会を設立することができる。
このうち中途脱退者とは次の要件を満たす者とされている。
(1)国民年金基金の資格を中途で脱退していること
(2)資格喪失時に当該国民年金基金の年金受給権を取得していないこと
(3)当該国民年金基金の加入員期間が15年に満たないこと
よって、「当該基金加入期間が20年に満たないもの」とした問題文は誤りとなる。

【問題】国民年金基金は、代議員の定数の3分の2以上の多数による代議員会の議決により解散しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
(平成17年 問5A)
【解答】×
【解説】(法135条)
国民年金基金は次の場合に解散することになっている。
1.代議員の定数の4分の3以上の多数による代議員会の議決(厚生労働大臣の認可が必要)
2.基金の事業の継続の不能(厚生労働大臣の認可が必要)
3.厚生労働大臣の解散命令
よって、「代議員の定数の3分の2以上の多数による代議員会の議決」とした問題文は誤りである。

【問題】国民年金基金連合会の評議員は、会員である基金の理事長において互選し、その者の任期は3年を超えない範囲内で規約の定める期間とする。
(平成17年 問5B)
【解答】×
【解説】(法137条の10第3項・第5項)
国民年金基金連合会の評議員は、会員である基金の理事長において互選することになっている。
そして、評議員の任期は2年とされている。(補欠の評議員の任期は、前任者の残任期間)
よって、「評議員の任期は3年を超えない範囲内で規約の定める期間」とした問題文は誤りである。

【問題】国民年金基金が解散した場合、受給権者は基金加入期間を付加保険料納付済期間とみなした、付加年金を支給される。

(平成15年 問10E)
【解答】○
【解説】(法45条、法137条の19第3項)
国民年金基金が解散したときは、解散基金の加入員期間のうち、国民年金基金連合会がその支給に関する義務を負っている年金額の基礎となる期間を除いたもの(保険料納付済期間である期間に限る)を付加保険料納付済期間とみなして、政府が付加年金を支給することになっている。
一方、国民年金基金連合会が解散した基金の権利義務を承継し、その支給に関する義務を負っている場合は、その期間について国民年金基金連合会が付加年金相当額(200円に当該解散した基金に係る加入員期間の月数を乗じて得た額)を支給することになっている。
よって、問題文は正しい肢となる。

【問題】国民年金基金に係る厚生労働大臣の権限の一部は、厚生労働省令の定めるところにより、日本年金機構に委任することができる。

(平成16年 問6E 改題)
【解答】×
【解説】(法142条の2)
■厚生労働大臣の権限のうち国民年金基金に係るもの⇒地方厚生局長(又は地方厚生支局長)に委任することができる。