労働安全衛生法 【安全管理者】 

【安全管理者】 (法11条)

【問題】常時50人以上の労働者を使用する製造業の事業者は、安全管理者を選任しなければならないが、安全管理者は労働安全コンサルタントのほか、第1種安全管理者免許又は安全工学安全管理者免許を有する者の中から選任しなければならない。
(平成22年 問9A)
【解答】×
【解説】(法11条1項、令3条、則5条)

■事業者は一定の業種区分で常時50人以上の労働者を使用する場合⇒事業場ごとに安全管理者を選任しなければならない。

■安全管理者は次のいずれかの資格要件。
次のいずれかに該当する者で、安全に係る技術的事項を管理するのに必要な知識についての研修であって厚生

1.労働大臣が定めるものを修了したもの
(1)大学又は高等専門学校における理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後2年以上産業安全の実務に従事した経験を有するもの
(2)高等学校又は中等教育学校において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後4年以上産業安全の実務に従事した経験を有するもの
2.労働安全コンサルタント
3.その他厚生労働大臣が定める者
よって、「第1種安全管理者免許又は安全工学安全管理者免許を有する者の中から選任」とした問題文は誤りとなる。

■安全管理者を選任すべき業種区分
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業


【問題】事業者は、常時50人の労働者を使用する旅館業の事業場においては、安全管理者を選任する必要はない。
(平成20年 問8B)
【解答】×
【解説】(法11条1項、令3条)
■常時50人以上の労働者を使用する旅館業の事業者⇒安全管理者を選任しなければならない。


【問題】事業者は、常時90人の労働者を使用する運送業の事業場においては、安全管理者を選任する必要はない。
(平成20年 問8D)
【解答】×
【解説】(法11条1項、令3条)
■常時50人以上の労働者を使用する運送業の事業者⇒安全管理者を選任しなければならない。


【問題】常時80人の労働者を使用する建設業の事業場においては安全管理者を選任しなければならないが、安全管理者は少なくとも毎週1回作業場等を巡視しなければならない。
(平成23年 問8B)
【解答】×
【解説】(法11条1項、令3条、則6条)
■前半は正しい。建設業の事業場で常時50人以上の労働者を使用する場合には安全管理者の選任義務があるため、問題文の記述のうち選任についての部分は正しい。
■安全管理者⇒作業場等の巡視頻度については規定ないため誤り。


【問題】安全管理者は、少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、設備、作業方法又は安全状態に危険のおそれがあるときは、直ちに、その危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。
(平成16年 問9B)
【解答】×
【解説】(則6条1項)
安全管理者は、作業場等の巡視の頻度については規定なし


【問題】常時70人の労働者を使用する建設業の事業場の事業者は、安全管理者を選任する義務があるが、高等学校において理科系等の正規の学科を修めて卒業し、その後5年間産業安全の実務に従事した経験を有する当該事業場の労働者で厚生労働大臣が定める安全に係る技術的事項を管理するのに必要な知識についての研修を修了したものであれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を安全管理者に選任し、当該事業場の安全に係る技術的事項を管理させることができる。
(平成24年 問9B)
【解答】○
【解説】(法11条1項、令3条、則5条)
■設問のとおり正しい。
■建設業の安全管理者の選任義務⇒常時50人以上の労働者を使用する場合
■設問の学歴・実務経験の資格要件⇒高等学校又は中等教育学校において理科系等の正規の学科を修めて卒業した者で、その後4年以上産業安全の実務に従事した経験を有する者 であって、安全に係る技術的事項を管理するのに必要な知識についての研修であって厚生労働大臣が定めるものを修了した者。


【問題】安全管理者は、都道府県労働局長又は都道府県労働局長の指定する者が行う講習を修了した者のうちから選任しなければならない。
(平成14年 問8C)
【解答】×
【解説】(法11条1項、則5条)

■「都道府県労働…」の箇所が誤り。


【問題】派遣中の労働者に関しての安全管理者の選任の義務及び安全委員会の設置の義務は、派遣元の事業の事業者( 以下「派遣元事業者」という。)のみに課せられているが、当該事業場の規模の算定に当たっては、派遣元の事業場について、派遣中の労働者の数を含めて、常時使用する労働者の数を算出する。
(平成19年 問9C)
【解答】×
【解説】(法11条、労働者派遣法45条3項)
■派遣中の労働者に関しての安全管理者の選任の義務及び安全委員会の設置の義務⇒派遣先事業者のみに課せられている。
■事業場の規模の算定⇒派遣先の事業場について、派遣中の労働者の数を含めて、常時使用する労働者の数を算出。
■「派遣元事業者のみに課せられる」と「派遣元の事業場について、派遣中の労働者の数を含めて」の2箇所が誤り。


【衛生管理者】 (法12条)

【問題】常時50人以上の労働者を使用する労働者派遣業の事業者は、衛生管理者を選任しなければならないが、衛生管理者は労働衛生コンサルタントのほか、大学、高等専門学校、高等学校又は中等教育学校(これらと同等と認められた一定の学校等を含む。)において理科系統の正規の学科を修めて卒業し、その後その学歴に応じて定められた一定の年数以上労働衛生の実務に従事した経験を有する者で、衛生に係る技術的事項を管理するのに必要な知識についての研修であって、厚生労働大臣が定めるものを修了したものの中から選任しなければならない。
(平成22年 問9B)
【解答】×
【解説】(法12条1項、令4条、則10条)
■衛生管理者は下記のいずれかの資格を有するものから選任する必要がある。

都道府県労働局長の免許を受けた者
(1)第1種衛生管理者免許
(2)第2種衛生管理者免許
(3)衛生工学衛生管理者免許
医師
歯科医師
労働衛生コンサルタント
その他厚生労働大臣の定める者
■「大学、高等専門学校、高等学校又は中等教育学校(これらと同等と認められた一定の学校等を含む。)において理科系統の正規の学科を修めて卒業し、…厚生労働大臣が定めるものを修了したものの中から選任」の箇所が誤り。
業種を問わず常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに衛生管理者を選任しなければならない


【問題】常時70人の労働者を使用する運送業の事業場においては衛生管理者を選任しなければならないが、衛生管理者は少なくとも毎週1回作業場等を巡視しなければならない。

(平成23年 問8E)
【解答】○
【解説】(法12条1項、令4条、則11条)
■業種を問わず常時50人以上の労働者を使用する場合⇒衛生管理者の選任義務。
■衛生管理者⇒少なくとも毎週1回作業場等を巡視し設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。


【問題】常時60人の労働者を使用する製造業の事業場の事業者は、衛生管理者を選任する義務があるが、第二種衛生管理者免許を有する当該事業場の労働者であれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を衛生管理者に選任し、当該事業場の衛生に係る技術的事項を管理させることができる。
(平成24年 問9C)
【解答】×
【解説】(法12条1項、令4条、則7条1項)
■製造業の場合、第二種衛生管理者免許を有する者を衛生管理者に選任できない。


【問題】常時500人を超える労働者を使用する事業場で、深夜業に常時30人以上の労働者を従事させるものは、衛生管理者のうち少なくとも1人を専任の衛生管理者としなければならない。
(平成17年 問10A)
【解答】×
【解説】(法12条1項、則7条1項5号)
■深夜業としての規定はないため誤り。
■常時500人を超える労働者を使用する事業場で、坑内労働又は労基則18条に掲げる業務に常時30人以上の労働者を従事させる場合⇒ 衛生管理者のうち少なくとも1人を専任にする必要がある。

■労規則18条⇒

・著しく暑熱な場所における業務
・著しく寒冷な場所における業務
・身体に著しい振動を与える業務
・重量物の取扱い等重激な業務
・強烈な騒音を発する場所における業務
・有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
・他、厚生労働大臣の指定する業務

 


【問題】衛生管理者は、少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
(平成16年 問9C)
【解答】○
【解説】(則11条1項)
■設問のとおり正しい。
■衛生管理者の作業場等の巡視頻度⇒「少なくとも毎週1回」。


【安全衛生推進者等】 (法12条の2)

【問題】常時30人の労働者を使用する運送業の事業場の事業者は、安全衛生推進者を選任する義務があるが、安全衛生推進者養成講習を修了した当該事業場の労働者であれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を安全衛生推進者に選任し、当該事業場の労働災害を防止するため必要な業務を担当させることができる。
(平成24年 問9D)
【解答】○
【解説】(法12条2)
■設問のとおり正しい。
■①安全管理者を選任すべき業種で「常時10人以上50人未満」の労働者を使用する場合⇒安全衛生推進者
■②前記①以外の業種で「常時10人以上50人未満」の労働者を使用する場合⇒衛生推進者


【問題】事業者は、安全衛生推進者を選任したときは、その安全衛生推進者の氏名を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知しなければならないが、その選任に関する報告書を所轄労働基準監督署長に提出する必要はない。
(平成20年 問9B)
【解答】○
【解説】(法12条の2、則12条の4)
■設問のとおり正しい。


【問題】常時30人の労働者を使用する旅館業の事業場においては安全衛生推進者を選任しなければならないが、安全衛生推進者は少なくとも毎月1回作業場等を巡視しなければならない。
(平成23年 問8D)
【解答】×
【解説】(法12条の2、則12条の2)
■旅館業の事業場(安全管理者を選任すべき事業場)で常時10人以上50人未満の労働者を使用する場合⇒安全衛生推進者の選任義務があるため、設問の前半は正しい。
安全衛生推進者に巡視義務の規定はないため誤り。


【問題】事業者は、2人以上の安全管理者を選任する場合においては、そのうちの1人を除いては、その事業場に専属の者でない外部の労働安全コンサルタントを安全管理者として選任しても差し支えない。
(平成15年 問10A)
【解答】×
【解説】(法11条、則4条1項2号)
■2人以上の安全管理者を選任する場合⇒そのうち「1人については」その事業場に専属の者ではない、外部の労働安全コンサルタントを安全管理者として選任可能。
■複数の安全管理者を選任する場合⇒外部のコンサルタントは1人しか選任できない。
■残りの安全管理者は、その事業場に専属の者を選任する必要がある。


【問題】労働安全衛生法第12条の2の規定による安全衛生推進者の選任に当たっては、その事業場に専属の者を選任しなければならないが、労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタントから選任する場合には、当該事業場に専属の者でなくとも差し支えない。
(平成15年 問10B)
【解答】○
【解説】(法12条の2、則12条の3第2号)
■安全衛生推進者⇒
(原則)その事業場に専属の者を選任する必要がある。
(例外)労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタントから選任する場合は、その事業場に専属の者でなくてもよい。


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