徴収法

《目次》【継続事業のメリット制】【メリット収支率】【メリット制の特例】

【継続事業のメリット制】 (法12条3項)

【問題】労働保険徴収法第7条の規定により有期事業の一括の適用を受けている建設の事業の場合において、メリット制の適用を受けるためには、当該保険年度の請負金額の総額が1億2000万円以上であることが必要である。
(平成22年 問10B)
【解答】×
【解説】(法12条3項、則17条3項)
■設問は「有期事業のメリット制」ではなく「継続事業のメリット制」適用。が
■継続事業(一括有期事業を含む。)におけるメリット制が適用要件⇒連続する3保険年度中の各保険年度において次のいずれかに該当する事業である。
1.100人以上の労働者を使用する事業
2.20人以上100人未満の労働者を使用する事業であって、災害度係数(労災保険率から非業務災害率を控除した率を労働者数に乗じて得た数)が0.4以上の事業
3.一括有期事業である建設の事業及び立木の伐採の事業については、当該保険年度の確定保険料の額が40万円以上の事業


【問題】継続事業(一括有期事業を含む。)に係わるメリット制の適用を受けることができる事業は、連続する3保険年度中の各保険年度において、少なくとも次のいずれかに該当する事業であることが必要である。
(1)100人以上の労働者を使用する事業
(2)20人以上100人未満の労働者を使用する事業であって所定の要件を満たすもの
(3)建設の事業及び立木の伐採の事業であって当該年度の確定保険料の額が40万円以上であるもの
(平成18年 問10A 改題)
【解答】○
【解説】(法12条3項、則17条)
■設問のとおり正しい。
■平成24年4月1日施行の法改正…メリット制に係わる確定保険料の額が「40万円」に変更。


【問題】継続事業(一括有期事業を含む。)に係るメリット制は、その適用を受けることができる事業であって、連続する3保険年度の最後の保険年度の末日において保険関係の成立後3年以上経過したものについて、その連続する3保険年度の間におけるいわゆるメリット収支率を基礎として運用される。
(平成18年 問10B)
【解答】○
【解説】(法12条3項)
■設問のとおり正しい。
■連続する3保険年度間のトータル収支率が100分の85を超え、又は、100分の75以下である場合に適用される


【メリット収支率】 (法12条3項)

【問題】メリット収支率の算定に当たっては、特別加入の承認を受けた海外派遣者に係る保険給付及び特別支給金の額は、その算定基礎となる保険給付の額には含まれない。
(平成22年 問10A)
【解答】○
【解説】(法12条3項、則18条の2)
■設問のとおり正しい。
■計算の基礎から除かれるもの
1.失権後の遺族補償一時金
2.障害補償年金差額一時金
3.特定疾病に係る保険給付の額
4.第三種特別加入保険料額及び第三種特別加入者に係る保険給付の額
5.上記1から4に係る特別支給金
■メリット収支率とは⇒基準となる3月31日以前の連続する3保険年度の間における業務災害に関する保険給付及び特別支給金の額と、労災保険料率に応ずる一般保険料額から非業務災害率に応ずる部分を減額した額に第一種特別加入保険料の額から特別加入非業務災害率(非業務災害から二次健康診断等給付に係る率を減じた率)に応ずる部分の額を減じた額を加えた額に第一種調整率を乗じて得た額等から計算される率である。


【問題】継続事業(一括有期事業を含む。)に係わるメリット収支率を算定する基礎となる保険給付及び給付金の額には、社会復帰促進等事業として支給される特別支給金の額(通勤災害に係るものを除いたすべての額)も含まれる。
(平成18年 問10C)
【解答】×
【解説】(法12条3項、則18条の2)
■特別支給金の額のうち「通勤災害に係るものを除いたすべての額」が含まれるわけではないので誤り。


【問題】継続事業(一括有期事業を含む。)に係わるメリット収支率を算定する基礎となる保険給付の額には、特別加入している海外派遣者に係る保険給付の額は、含まれない。
(平成18年 問10D)
【解答】○
【解説】(法12条3項、則18条の2)
■設問のとおり正しい。


【問題】継続事業(一括有期事業を含む。)に係わるメリット収支率を算定する基礎となる保険給付の額には、特定の業務に長期間従事することにより発生する疾病であって、厚生労働省令で定めるものにかかった者に係る保険給付の額は、含まれない。
(平成18年 問10E)
【解答】○
【解説】(法12条3項、則17条の2)
■設問のとおり正しい。
■設問の保険給付の額には、特定の業務に長期間従事することにより発生する疾病で厚生労働省令で定め(特定疾病(非災害性腰痛、振動障害、じん肺))にかかった者に係る保険給付の額及びこれに係る特別支給金の額については含まない。


【労災保険率の特例(メリット制の特例)】 (法12条の2)

【問題】継続事業のメリット制が適用され、所定の数以下の労働者を使用する事業の事業主が、労働保険徴収法第12条の2に規定するメリット制の特例の適用を受けようとする場合は、連続する3保険年度中のいずれかの保険年度において、労働者の安全又は衛生を確保するための所定の措置を講じ、かつ、所定の期間内に当該措置が講じられたことを明らかにすることができる書類を添えて、労災保険率特例適用申告書を提出していることが必要である。
(平成22年 問10E)
【解答】○
【解説】(法12条の2、則20条の4)
■設問のとおり正しい。
■継続事業のメリット制が適用され、所定の数以下の労働者を使用する事業の事業主が一定の労働者の安全又は衛生を確保するための特別の措置を講じたとき⇒メリット制の増減幅を100分の45に拡大するメリット制の特例が適用される。
この特例を受ける要件は要件は⇒
(1)常時300人(金融業若しくは保険業、不動産業又は小売業を主たる事業とする事業主については50人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については100人)以下の数の労働者を使用する事業主であること
(2)連続する3保険年度中のいずれかの保険年度においてその事業に使用する労働者の安全又は衛生を確保するための措置で厚生労働省令で定めるものを講じたときであって、当該措置が講じられた保険年度のいずれかの保険年度の次の保険年度の初日から6か月以内に、当該事業に係る労災保険率につきメリット制の特例の適用を受けようとする旨その他厚生労働省令で定める事項を記載した労災保険率特例適用申告書を提出していること