徴収法

《目次》

【概算保険料の延納 継続事業】 (法18条)

【問題】労災保険に係る労働保険の保険関係及び雇用保険に係る労働保険の保険関係が保険年度の当初に共に成立している継続事業であって、納付すべき概算保険料の額が40万円以上のもの又は当該事業に係る労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されているものについての事業主は、概算保険料の延納の申請をした場合には、その概算保険料を所定の各期に分けて納付することができる。
(平成19年 労災‐問8A)
【解答】○
【解説】(法18条、則27条)
■保険年度の当初に保険関係が成立している継続事業(一括有期事業を含む)で
・納付すべき概算保険料の額が40万円(労災保険に係る保険関係又は雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業については、20万円)以上のもの又は
・当該事業に係る労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されているもの
⇒事業主は概算保険料申告書の提出に際し申請することによって延納可能。


【問題】労災保険及び雇用保険の保険関係が保険年度当初に共に成立している継続事業については、納付すべき概算保険料の額が40万円以上でなければ、延納をすることができないが、労働保険事務の処理を事務組合に委託している場合には、概算保険料の額の如何にかかわらず延納することができる。
(平成13年 労災‐問8A)
【解答】○
【解説】(法18条、則27条1項)
■設問のとおり正しい。

■継続事業(一括有期事業も含む)⇒納付すべき概算保険料の額が40万円(労災保険に係る保険関係又は雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業については、20万円)以上の場合に延納可能。

■労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託している場合概算保険料の納付額にかかわらず延納可能


【問題】納付すべき概算保険料の額が40万円以上である継続事業において、保険関係が6月8日に成立した場合は、その成立の日から7月31日までを最初の期として、当該納付すべき保険料の延納をすることができるが、2月10日に成立した場合は、当該年度の概算保険料は延納することができない。
(平成18年 雇用‐問8C)
【解答】×
【解説】(法18条、則27条1項)

■「7月31日まで」⇒「11月30日まで」にすれば正しい。

■概算保険料の期は、4月から起算して翌年3月までを3つに分けて

・4月1日から7月31日→第1期

・8月1日から11月30日→第2期
・12月1日から翌年3月31日→第3期

■設問の場合、保険関係が成立した日(設問では6月8日)から6月8日の属する期の末日(第1期の末日…7月31日)までの期間が2月以内なので⇒次の期である第2期の4カ月と合わせた期間をもって、最初の期とする。つまり、11月30日が最初の期になる。

■保険関係の成立が10月1日以降の場合⇒延納はできない。

■後半の論点の2月10日に設立している場合は延納不可。


【問題】労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している継続事業の事業主が、概算保険料の延納の申請をし、当該概算保険料を3期に分けて納付する場合には、各期分の概算保険料の納期限は、最初の期分は7月14日、第2の期分は11月14日、第3の期分は翌年2月14日となる。
(平成22年 労災‐8D)
【解答】×
【解説】(法18条、則27条2項)
■最初の期分の「7月14日」⇒「7月10日」にすれば正しい。
■第2期、第3期は正しい。

■延納の納期限

・第1期(4月1日〰7月31日)⇒7月10日(事務組合委託の場合も)

・第2期(8月1日〰11月30日)⇒10月31日(事務組合委託の場合…11月14日)

・第3期(12月1日〰3月31日)⇒1月31日(事務組合委託の場合…2月14日)


【問題】保険関係が7月1日に成立し、当該保険年度の納付すべき概算保険料の額が40万円以上である継続事業の事業主が、概算保険料の延納の申請をした場合は、当該保険関係成立の日から11月30日までの期間を最初の期とし、保険関係成立の日の翌日から起算して20日以内に最初の期分の概算保険料を納付しなければならない。
(平成22年 労災‐問8B)
【解答】×
【解説】(法18条、則27条2項)
■「20日以内」⇒「50日以内」にすれば正しい。
■設問の最初の期の納期限⇒保険関係成立日の翌日(7月2日)から起算して50日目⇒8月20日


【問題】所定の要件を満たす継続事業の事業主については、延納の申請をした場合には、第1期から第4期までの各期に分けて概算保険料を納付することができる。
(平成19年 労災‐問8C)
【解答】×
【解説】(法18条、則27条)
■「第1期から第4期まで」⇒「第1期から第3期」にすれば正しい。


【問題】保険年度の中途に保険関係が成立した継続事業にあっては、納付すべき概算保険料が40万円以上であっても、8月31日までに最初の期分の納付ができなければ、概算保険料の納付の延納は認められない。
(平成16年 雇用‐問9B)
【解答】×
【解説】(法18条、則27条1項)
■保険年度の途中に保険関係が成立した場合⇒保険関係成立日が10月1日前である場合は延納可能


【問題】事務組合に労働保険事務の処理を委託している継続事業の事業主は、概算保険料の申告・納付につき、その額のいかんを問わず延納することができ、その場合における納期限は、第1期から第3期までの各期において、事務組合に労働保険事務の処理を委託していない事業主と比較して14日遅く設定されている。
(平成15年 労災‐問9C)
【解答】×
【解説】(法18条、則27条)
■労働保険事務組合に労働保険事務の委託をしている場合は、労働保険料の額を問わずに延納することが可能。

■「第1期から第3期まで」⇒「第2期から第3期まで」にすれば正しい。

■第2期と第3期に関しては、14日遅れ。


【問題】保険年度の中途に保険関係が成立した継続事業にあっては、納付すべき概算保険料が40万円以上であっても、8月31日までに最初の期分の納付ができなければ、概算保険料の納付の延納は認められない。
(平成16年 雇用‐問9B)
【解答】×
【解説】(法18条、則27条1項)
■保険年度の途中に保険関係が成立した場合⇒保険関係成立日が10月1日前である場合は延納可能
■9月30日に保険関係が成立した場合、最初の期分の納期限は保険関係成立日の翌日起算の50日(つまり11月19日までに納付出来れば延納可能)

■保険年度の途中に保険関係が成立した場合
・保険関係成立日が4月1日から5月31日までの場合…3回に分けて概算保険料を延納可能
①最初の期分の納期限⇒保険関係成立日の翌日から起算して50日以内
②第2の期分の納期限⇒10月31日
③第3の期分の納期限⇒1月31日
・保険関係成立日が6月1日から9月30日の場合⇒は2回に分けて概算保険料を延納可能
①最初の期分の納期限⇒保険関係成立日の翌日から起算して50日以内

②第2の期分の納期限⇒1月31日
■労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合⇒第2の期分以降の納期限のうち、10月31日の納期限が11月14日、1月31日の納期限が2月14日


【問題】6月1日に労働保険に係る保険関係が成立した事業(当該事業に係る労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されているものを除く。)について、その納付すべき概算保険料が40万円以上である場合、事業主は、概算保険料申告書の提出の際に、延納申請をすることにより、当該保険料を8月31日までと、翌年1月31日までとの2回に分割して納付することができる。
(平成20年 労災‐問8C)
【解答】×
【解説】(法15条1項、18条、則27条1項・2項)
■6月1日に保険関係が成立した事業⇒2期に分けて概算保険料を納付することが可能。
最初の期分の納期限は「50日以内」で、7月21日まで。


【問題】政府は、労働保険料を追加徴収する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、事業主の申請に基づき、その者が納付すべき労働保険料を延納させることができる。
(平成15年 労災‐問10D)
【解答】○
【解説】(法18条、則31条)
■追加徴収される概算保険料⇒通知書に指定された納期限までに、延納申請することにより、増加概算保険料の場合の規定に準じて、延納することが可能。


【概算保険料の延納 有期事業】 (法18条)

【問題】事業の全期間が6か月を超える有期事業については、納付すべき概算保険料の額が75万円以上でなければ労働保険料を延納することができないが、労働保険事務の処理を事務組合に委託している場合には、概算保険料の額のいかんにかわらず延納することができる。
(平成17年 雇用‐問10A)
【解答】○
【解説】(法18条、則28条1項)
■有期事業の概算保険料の延納⇒
①納付すべき概算保険料の額が75万円以上のもの又は
労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託しているもの(概算保険料の額は問わない。又事業の全期間が6月以内のものを除く。)についての事業主は⇒
申請することにより概算保険料を延納することが可能。


【問題】有期事業について、労働保険料を延納する場合、労働保険事務の処理を事務組合に委託している事業主であっても、納付期限は事務組合に委託していない事業主と同じに設定されている。
(平成17年 雇用‐問10E)
【解答】○
【解説】(法18条、則28条2項)
■有期事業の場合、労働保険事務組合に労働保険の事務を委託しているか否かにかかわらず、延納の納期限は同じ。


【問題】有期事業であって、納付すべき概算保険料の額が75万円以上のもの又は当該事業に係る労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されているもの(事業の全期間が6月以内のものを除く。)についての事業主は、概算保険料申告書を提出する際に延納の申請をした場合には、その概算保険料を、その事業の全期間を通じて、所定の各期に分けて納付することができる。
(平成14年 労災‐問9C)
【解答】○
【解説】(法18条、則28条1項)
事業の全期間が6月を超えている有期事業⇒概算保険料の額が75万円以上であるか、又は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合(この場合は概算保険料の額は不問)⇒延納可能

■概算保険料申告書を提出する際に延納の申請。
■事業期間が6月以内の有期事業は延納できない。


【問題】保険関係が7月1日に成立し、事業の全期間が6か月を超え、また当該保険年度の納付すべき概算保険料の額が75万円以上である有期事業の事業主が、概算保険料の延納の申請をした場合は、当該保険関係成立の日から11月30日までの期間が最初の期となり、当該最初の期分の概算保険料については、7月21日が納期限となる。
(平成22年 労災‐8C)
【解答】○
【解説】(法18条、則29条2項)
■設問のとおり正しい。
■有期事業の概算保険慮の延納の最初の期分の納期限⇒保険関係成立の日の翌日から起算して20日以内⇒設問の場合は7月21日


【問題】工事の全期間が1年間である有期事業に係る保険関係が6月8日に成立した場合で延納の要件を満たすときの概算保険料の納期限は、最初の期分が6月28日までであり、以後、12月1日から翌年3月31日までの期分が1月31日まで、その次の期分は3月31日までとなる。
(平成18年 雇用‐問8D)
【解答】○
【解説】(法15条2項、法18条、則28条)

■保険関係が成立した6月8日(起算日は翌日)から20日目の6月28日までに、申告・納付が必要。

■事業の全期間が6か月を超える有期事業の場合⇒概算保険料額が75万円以上であるときは、概算保険料申告書の提出時に申請することにより、概算保険料を延納することが可能。

■概算保険料を、その事業の全期間を通じて、

・毎年4月1日から7月31日まで

・8月1日から11月30日まで

・12月1日から翌年3月31日まで

の各期(期の中途に保険関係が成立した事業については、保険関係成立の日からその日の属する期の末日までの期間が2月を超えるときは保険関係成立の日からその日の属する期の末日までを、2月以内のときは保険関係成立の日からその日の属する期の次の期の末日までを最初の期とする。)に分けて納付することが可能。

■最初の期の納期限は保険関係成立日の翌日から起算して20日以内。

2期目以降の納期限は次のようになっている。
・4月1日から7月31日→納期限(3月31日)
・8月1日から11月30日→納期限(10月31日)
・12月1日から翌年3月31日→納期限(1月31日)


【問題】納付すべき概算保険料の額が40万円以上であり、当該保険年度の9月30日までに保険関係が成立している継続事業の事業主は、認定決定を受けたときは、認定決定された当該概算保険料の額について、延納の申請をすることができない。
(平成22年 労災‐問8A)
【解答】×
【解説】(法18条、則27条1項)
■10月1日前(設問は9月30日)に保険関係が成立している場合⇒認定決定された概算保険料でも、他の要件を満たしていれば延納可能。
■継続事業の場合で10月1日以後に保険関係が成立した場合⇒その保険年度に関しては延納できない。


【増加概算保険料の延納】 (法18条、法16条)

【問題】継続事業の事業主は、増加概算保険料について延納を申請した場合には、増加前の概算保険料の延納をしていないときであっても、増加後の概算保険料の額が40万円を超えるときは、当該増加概算保険料を延納することができる。
(平成22年 労災‐8E)
【解答】×
【解説】(法18条、法16条)
■当初の概算保険料の延納をしていない場合⇒増加概算保険料の延納は出来ない。