労働基準法 法7条 公民権行使の保障


【平成24年 問4-C】

労働基準法第7条は、労働者が労働時間中に、公民権を行使するために必要な時間を請求した場合には、使用者はこれを拒んではならないとし、また、当該時間を有給扱いとすることを求めている。

 

[解答]  誤り(法7条、昭和22年11月27日基発399号)
☑ 法7条には、給与に関しての規定はなし。
☑ 有給か無休かは、当事者の自由に委ねられている。



【平成23年 問1-C】

公職の就任を使用者の承認にかからしめ、その承認を得ずして公職に就任した者を懲戒解雇に付する旨の就業規則条項は、公民権行使の保障を定めた労働基準法第7条の趣旨に反し、無効のものと解すべきであるとするのが最高裁判所の判例である。

 

[解答] 正解 (十和田観光電鉄事件 昭和38年6月21日)
☑ 公職の就任を使用者の承認にかからしめ、その承認を得ずして公職に就任した者を懲戒解雇に附する旨の前記条項は、労働基準法の規定の趣旨に反し、無効のものと解すべきである。」というのが最高裁判所の判例。


【平成21年 問1-E】
労働者が労働審判手続の労働審判員としての職務を行うことは、労働基準法第7条の「公の職務」には該当しないため、使用者は、労働審判員に任命された労働者が労働時間中にその職務を行うために必要な時間を請求した場合、これを拒むことができる。


[解答] 誤り(法7条、平成17年9月30日基発第930006号)
☑ 労働審判員としての職務は公の職務に含まれるので誤り。

☑ 公の職務とは
⇒衆議院議員その他の議員、労働委員会の委員、陪審員、検察審査員 、労働審判員、裁判員 、民事訴訟法第190条による証人・労働委員会の証人等の職務、選挙立会人等の職務


【平成16年 問1-D】

公職に就任することが会社業務の遂行を著しく阻害するおそれのある場合においては、公職の就任を使用者の承認にかからしめ、その承認を得ずして公職に就任した者を懲戒解雇に付する旨の就業規則の条項を適用して従業員を懲戒解雇に付することも許されるとするのが最高裁の判例である。

 

(解答) × (十和田観光電鉄事件 昭和38年6月21日 最高裁)
 ☑「公職の就任を使用者の承認事項として、その承認を得ずして公職に就任した者を懲戒解雇に付する旨の就業規則は、労働基準法第7条に違反して無効。

この場合、当該就業規則に基づく懲戒解雇について、普通解雇に付するは格別、懲戒解雇に付することは許されないとする。」と判断した。


【平成14年 問1‐E】

使用者は、労働基準法第7条の規定により、労働者が労働時間中に公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては拒んではならないが、この「公の職務の執行」には、消防組織法第15条の6の非常勤の消防団員の職務は該当しないと考えられている 。

 

[解答] ○ (昭和63年3月14日基発150号)
 ☑ 公の職務の執行に該当しない場合

 ⇒「非常勤の消防団員の職務」「予備自衛官が防衛招集又は訓練招集に応じる」