労働基準法 法17条 [前借金相殺の禁止]


【平成25年 問6-E】
労働契約を締結する際に、労働者の親権者が使用者から多額の金銭を借り受けることは、人身売買や労働者の不当な足留めにつながるおそれがあるため、当該労働者の賃金と相殺されるか否かを問わず、労働基準法第17条に違反する。


[解答] 正解 (法17条)
☑  労働基準法第17条(前借金相殺の禁止)の規定は、前借金そのものは禁止しているのではなく、単に賃金と前借金を相殺することを禁止。


【平成23年 問2-D】
労働基準法は、金銭貸借に基づく身分的拘束の発生を防止することを目的として、使用者が労働者に金銭を貸すこと、及び貸金債権と賃金を相殺することを禁止している。


[解答] 誤り(法17条、昭和63年3月14日基発150号)
 ☑ 法17条は、前借金により身分的拘束を伴い労働が強制されるおそれがあること等を防止するため「労働することを条件とする前貸の債権」と賃金を相殺することを禁止している。
使用者が労働協約の締結、労働者からの申出に基づき、生活必需品の購入等のための生活資金の貸付け等、その貸付の原因、期間、金額、金利の有無等を総合的に判断して労働することが条件となっていないことが極めて明白な場合には、この規定は適用されない。


【平成20年 問1-D】

使用者は、前借金と賃金とを相殺してはならない。

 

[解答] 正解(法17条)
[関連] (昭和22年9月13日発基17号、昭和33年2月13日基発90号)
☑ 労働者が使用者から人的信用に基づいて受ける金融、弁済期の繰上げ等で明らかに身分的拘束を伴わないものは労働することを条件とする債権には含まれない。


【平成14年 問2-E】
使用者が前借金その他労働をすることを条件とする前貸の債権と賃金を相殺することは労働基準法第17条において禁じられているので、例えば使用者からの住宅建設資金の貸付に対する返済金のように融資額及び返済額ともに相当高額に上り、その返済期間も相当長期間にわたるものについてはすべて、たとえ同法第24条第1項の規定に基づく賃金控除に係る労使協定がある場合であっても、賃金との相殺はできない。

 

[解答] 誤り(法17条)
☑  使用者からの住宅建設資金の貸付に対する返済金のように、貸付の原因が真に労働者の便宜のためのものであり、労働者からの申出に基づくものであること、貸付期間は必要を満たしえる範囲であり、賃金や退職金などによって生活を脅威し得ない程度に返済可能であること等、身分的拘束を伴わないことが明らかである場合は法17条に抵触しない。


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