労働基準法 法26条 [休業手当]


[平成22年 問3-E]
労働基準法第26条に定める休業手当は、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合に支払が義務付けられるものであり、例えば、親工場の経営難により、下請工場が資材、資金を獲得できず休業した場合、下請工場の使用者は休業手当の支払義務を負わない。

 

[解答] 誤り (法26条、昭和23年6月11日基収1998号)
☑ 親会社の経営難から下請工場が資材資金を獲得できず休業した場合
⇒休業手当を支払う義務がある。


[平成19年 問1-D]
労働基準法第26条の規定に基づき、使用者が、その責めに帰すべき事由による休業の場合に支払わなければならない休業手当は、同法第11条の賃金と解される。したがって、同法第24条第2項が適用され、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。


[解答] 正解(法26条、昭和63年3月14日基発150号)
☑ 休業手当は、賃金に該当するので、解し法24条2項に基づく所定賃金支払日に支払わなければならない。


[平成18年 問2-C]

労働基準法第26条の休業手当は、民法第536条第2項によって全額請求し得る賃金のうち、平均賃金の100分の60以上を保障しようとする趣旨のものであるから、労働協約、就業規則又は労働契約により休日と定められている日については、休業手当を支給する義務は生じない。


[解答] 正解 (法26条、昭和24年3月22日基収4077号)
☑ 労働協約、就業規則又は労働契約により休日と定められている日については、休業手当を支給する義務は生じないので正解。


[平成18年 問2-E]

労働者派遣中の労働者の休業手当について、労働基準法第26条の使用者の責に帰すべき事由があるかどうかの判断は、派遣元の使用者についてなされる。したがって、派遣先の事業場が天災地変等の不可抗力によって操業できないために、派遣されている労働者を当該派遣先の事業場で就業させることができない場合であっても、それが使用者の責に帰すべき事由に該当しないこととは必ずしもいえず、派遣元の使用者について、当該労働者を他の事業場に派遣する可能性等を含めて判断し、その責に帰すべき事由に該当しないかどうかを判断することとなる。


[解答] 正解 (法26条、昭和61年6月6日基発333号)

☑  労働者派遣中の労働者の休業手当についての使用者の責に帰すべき事由があるかどうかの判断⇒派遣元の使用者についてなされる。


[平成17年 問1-E]
最高裁の判例によると、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」は、取引における一般原則たる過失責任主義とは異なる観点をも踏まえた概念というべきであって、民法第536条第2項の「債権者の責めに帰すべき事由」よりも広く、使用者側に起因する経営、管理上の障害を含むものと解するのが相当であるとされている。

 

[解答] 正解(法26条、ノースウエスト航空事件 昭和62年7月17日最高裁判決)

☑ 「使用者の責に帰すべき事由」は、使用者側に起因する経営、管理上の障害を含むものとしている。


[平成13年 問4‐B]

出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者の責めに帰すべき事由によって休業する場合において、使用者は、労働基準法第27条の規定に基づく出来高払制の保障給を支払わなければならない。

[解答]誤り(法26条、法27条、昭和23年11月11日基発1639号)
☑  出来高払制の保障給は、実際に勤務した時間に応じた一定額の賃金を保障することを使用者に義務づけている。設問の場合は、労働者が労働していないので出来高払制の保障給を支払う必要はない。

☑ 設問の場合は、使用者の責めに帰すべき事由による休業なので、休業手当の支払いが必要。


[平成13年 問4-D]

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合に支払われるべき休業手当については、労働の対償として使用者が労働者に支払う賃金には該当せず、必ずしも労働基準法第24条で定める方法により支払う必要はない。


[解答] 誤り (法24条、昭和63年3月14日基発150号)
☑  休業手当は、賃金に該当する。


[平成13年 問4-E]

派遣中の労働者について、当該労働者派遣契約が派遣先の事業場の事情によって中途で解約された場合においても、労働基準法第26条の休業手当に関する規定の適用については、同条の「使用者の責に帰すべき事由」があるかどうかの判断は、派遣元の使用者についてなされる。


[解答] 正しい( 法26条、昭和61年6月6日基発333号)
 問題文のとおり、「使用者の責めに帰すべき事由」があるかどうかの判断は派遣元の使用者についてなされることになる。


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