【平成15年 問3-C】
労働基準法第37条は、使用者が第33条又は第36条第1項の規定により労働時間を延長した場合においては、その時間の労働については、一定の方法により計算した割増賃金を支払わなければならない旨規定しているが、これは当然に通常の労働時間に対する賃金を支払うべきことを前提とするものであるから、月給制により賃金が支払われる場合であっても、当該時間外労働については、その労働時間に対する通常の賃金を支払わなければならない。
[解答] 正解(法37条、昭和23年3月17日基発461号)
☑ 月給制であっても、時間外労働をした場合は、その時間分の通常の賃金と割増賃金を支払わなければならないので正解。
【平成14年 問3-C】
労働基準法第37条第4項に基づく同法施行規則第21条の規定によって、割増賃金の計算の基礎となる賃金には住宅手当は算入されないこととされており、この算入されない住宅手当には、例えば、賃貸住宅の居住者には3万円、持家の居住者には1万円というように、住宅の形態ごとに一律に定額で支給することとされている手当も含まれる。
[解答] 誤り (法37条4項、則21条3号、平成11年3月31日基発170号)
住宅の形態ごとに一律に定額で支給されることになっている手当は割増賃金の計算の基礎から控除できる住宅手当に含まれない。
なお、割増賃金の計算の基礎から除外される住宅手当は、住宅に要する費用に応じて算定される手当をいう。
【平成14年 問3-D】
年間賃金額を予め定めるいわゆる年俸制を採用し、就業規則により、例えば決定された年俸の17分の1を月例給与として支給し、決定された年俸の17分の5を二分して6月と12月に賞与として支給することを定めて支給しているような場合には、これらの賞与は、労働基準法第 37条の割増賃金の計算の基礎となる賃金から除外することはできない。
[解答] 正解(法37条4項、則21条5号、平成12年3月8日基収78号)
割増賃金の計算の基礎となる賃金から除外する「一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」とは、支給額があらかじめ確定されていないものをいう。
よって、問題文のような場合は、支給額が確定しているので、割増賃金の計算の基礎となる賃金から控除することはできない。