平成25年 労働経済白書 147ページより
(独)労働政策研究・研修機構の「構造変化の中での企業経営と人材のあり方に関する調査」(2013年)によると、若年者の正社員採用に当たり重視する資質として、
「仕事に対する熱意・意欲、向上心」(73 .6%)
「積極性、チャレンジ精神、行動力」(62.0%)
「組織協調性(チームワークを尊重できる)」(52.5%)
「コミュニケーション能力」(51.7%)
「社会常識やマナー」(48.0%)
「規律性(ルールを守れる)」(45.4%)をあげる企業割合が高い一方、
「語学力」(9.8%)
「学業成績」(8.1%)
「最終学歴」(5.2%)の割合は低い。
1990 年代との比較では、
「コミュニケーション能力」(14.3%ポイント増加)
「積極性、チャレンジ精神、行動力」(10 .1%ポイント増加)
「仕事に対する熱意・意欲、向上心」(8.7%ポイント増加)の割合が大きく増加した。このように、熱意・意欲、積極性・行動力、協調性、コミュニケーション能力が重視され、その度合いは強まっている。
また、経済同友会「企業の採用と教育に関するアンケート調査」によれば、新規採用の際に重視される要素として、大学卒、大学院卒ともに、「熱意・意欲」、「行動力・実行力」、「協調性」の順で多い。
近年では「協調性」が高くなっているが、企業内の組織の和やチームワークの重要性が再認識されるようになったことも一つの理由ではないかと考えられる。
また、同調査によれば、採用で重視する過程の1 位は「面接」となっており、こうした要素の有無や程度は、学生がこれまでに経験した一連の課題発見・解決プロセスを面接において明らかにすることで見極められているものと考えられる。
以上の調査からは、企業が若年者を採用する過程においては、熱意、行動力、協調性といった人間性や人物像をより重視していると考えられる。
[過去問]
平成19年 一般常識 問4-C
「平成17年企業における若年者雇用実態調査」によれば、企業が若年正社員に望むことや身につけて欲しい能力(3つまでの複数回答)は、「企画・立案力」(49.0%)、「新しい感性・柔軟な発想」(40.4%)、「リーダーシップ」(39.4%)が多くなっており、「職業意識・勤労意欲」、「チャレンジ精神・向上心」、「マナー・社会常識・一般教養」は少なくなっている。
[正解]誤り
「職業意識・勤労意欲」が最も多いので誤り。
若年正社員に望むことや身につけて欲しい能力(3つまでの複数回答)についてみると、「職業意識・勤労意欲」(49.0%)、「チャレンジ精神・向上心」(40.4%)、「マナー・社会常識・一般教養」(39.4%)が多い。
「企画・立案力」(6.8%)、「新しい感性・柔軟な発想」(15.4%)、「リーダーシップ」(10.4%)は、少ない。