平成25年 厚生労働白書

平成25年 厚生労働白書 p124[仕事に関する意識]
▼新規学卒者の就職環境

①依然として厳しい新規学卒者の就職環境
若年者人口は減少する一方、高学歴化が進んでおり新規学卒就職者は、1966(昭和41)年の160万人超から、2012(平成24)年には約66万人にまで減少している。

 

また、近年は、新規学卒就職者の過半数を大卒者が占めている。

新卒者の求人倍率をみると、大卒、高卒とも、バブル景気の頃には3倍前後あったものが、その後低下し、2000年代前半の景気の回復に伴う上昇と、2008(平成20)年秋のリーマンショックの影響による低下を経て、2014(平成26)年3月の大学卒業予定者に対する求人倍率は1.28倍、2013(平成25)年3月の高卒者に対する求人倍率は1.37倍と、依然として低い水準となっており、若者を取り巻く雇用情勢は厳しい。


しかしながら、学校とハローワークの連携が進められるなど、各種支援策の効果から、
就職内定率を見ると、大卒については、2011(平成23)年卒の過去最低の水準から、
2012年卒は93.6%、2013年卒は93.9%と改善しており、高卒についても、2013年卒
は3年連続で改善して97.6%となり、過去20年間で最も高くなっている。

 


②大企業で低く中小企業で高い求人倍率
従業員規模別に大卒の求人倍率をみると、300人未満の中小企業の求人倍率は低下傾向にあるものの、2014年3月卒業予定者に対する求人倍率は3.26倍となっており、採用意欲は旺盛である。
一方、1,000人以上の大企業の場合、2014年3月卒業予定者に対する求人倍率は0.70倍と1倍を下回っている。
就職希望者全体に占める中小企業希望者の割合は上昇傾向にある一方、1,000人以上の大企業希望者の割合は低下傾向にあり、学生の大企業志望は弱まりつつあるようにも見えるが、依然として企業規模間にミスマッチが見られ、学生の大企業志望が根強いと言える。

なお、こうした状況は、高卒にも見られる。
また、企業と学生との間には、就職するに当たり必要と考えている能力についてもミスマッチが見られると指摘されている。
就職率の向上のためには、中小企業の魅力を学生に情報発信すると同時に、学生の意識
改革を促すためのキャリア教育の充実を図ることが重要である。

 

③就職も進学もしない者の割合の上昇
新卒就職者のうち過半数を占めている大卒者について、就職も進学もしない者(以下「未就職者」という。)の数及び卒業者に占める割合をみると、いわゆる「就職氷河期」と言われる2000(平成12)年前後に高い水準となり、その後の景気回復に伴い2003(平成15)年以降は低下したが、2008年秋のリーマンショックの影響から2009(平成21)年以降再び上昇している。

2012年の未就職者は、10.6万人、19.0%と高い水準となっており、未就職者の数は、卒業時の景気や雇用情勢に大きく左右されると考えられる。