(年金の受給額の減額の仕組み №1)
年金の受給額は、物価や賃金変動率に応じて上下する仕組みで(物価スライド)、今年の4月以降(実際は6月支給分から)に関しては、賃金の0.3%上昇に応じて0.3%引き上げられるところ、特例水準の解消の影響により増えるはずが0.7%減額されます。
今日はその特例水準の話です。今から十数年前の1999年(平成11年)から2001年(平成13年)の間に物価が1.7%下落しました。
本来なら、年金額は物価の変動に応じて1.7%減額するところを、時の政府は国民に配慮して1.7%減額するところをそのまま年金額を据え置いてしまい、さらに平成13年以降も、日本は深刻なデフレ(物価が上がらない経済状態)が続き最終的に2.5%まで年金額が高止まった状態で今日まで来ています。(一説によると選挙対策と言う話もありますが。)
本来の法律では、物価に応じて下げるところを年金額をそのままにしたのが「特例措置」で、その分を、解消するのが今回の年金額の特例水準の解消ということになります。
実は、今年の10月から開始されているわけですが、スケジュールとしては、
平成25年 10月分 (1%減額)
平成26年 4月分 (1%減額)
平成27年 4月分(0.5%減額)
合計で2.5%をこの間に解消することで本来の年金の受給額に戻ります。
明日は、さらに年金の今後と言うことでさらに支給額を抑える仕組みであるマクロ経済スライドについて解説します。