平成16年の国民年金法の一部を改正する法律より
現行の法律のベースになっています。
≫改正の基本的な考え方
1.社会経済と調和した持続可能な制度の構築と制度に対する信頼の確保
■ 将来の現役世代の負担を過重なものとしないようにするとともに、高齢期の生活を支える公的年金としてふさわしい給付水準を確保する。
■ 社会経済の変動に柔軟に対応でき、頻繁に制度改正を繰り返す必要のない持続可能な制度とする。
2.多様な生き方、働き方に対応した制度の構築
■ 多様な生き方、働き方の選択に柔軟に対応できる仕組みとするとともに、就労等様々な形での貢献が年金制度上評価される仕組みとする。
≫給付と負担の見直し
1.基礎年金国庫負担割合の引上げ
○ 基礎年金の国庫負担割合を本則上2分の1とする。(その道筋として、平成16(2004)年度から引上げに着手し、平成17(2005)年度及び平成18(2006)年度に更に適切な水準へ引き上げるとともに、平成21(2009)年度までに引上げを完了する。附則に所要の規定
を整備。)
2.財政検証の実施
○ 少なくとも5年ごとに、年金財政の現況及びおおむね100 年程度の間(財政均衡期間)にわたる年金財政の検証を行う。
3.保険料水準固定方式の導入等
(保険料水準固定方式の導入)
○ 厚生年金及び国民年金の将来の保険料水準を固定した上で、その収入の範囲内で給付水準を自動的に調整する仕組みとする。
(厚生年金の保険料)
○ 厚生年金の保険料率は、平成16(2004)年10 月から毎年0.354%ずつ引き上げ、平成29(2017)年度以降は18.30%とする。
(国民年金の保険料)
○ 国民年金の保険料(月額)は、平成17(2005)年4月から毎年280 円(平成16 年度価格)ずつ引き上げ、平成29(2017)年度以降は16,900円(平成16 年度価格)とする。
(マクロ経済スライドの導入)
○ 社会全体の保険料負担能力の伸びを年金改定率に反映させることで、給付水準を調整(マクロ経済スライド)する。(ただし調整は名目額を下限とし、名目額は維持)
【マクロ経済スライド】
・新規裁定者の改定率:手取り賃金の伸び率 - スライド調整率
・既裁定者の改定率 :物価の伸び率 - スライド調整率
*スライド調整率:公的年金全体の被保険者数の減少 + 平均的な年金受給期間(平均余命)の伸びを勘案した一定率
○ 標準的な厚生年金(夫婦の基礎年金を含む)の世帯の給付水準は、少なくとも現役世代の平均的収入の50%を上回るものとする。