平成25年5月31日施行
(協会への厚生労働大臣の権限に係る事務の委任)
第204条の7 第198条第1項の規定による厚生労働大臣の命令並びに質問及び検査の権限(健康保険組合に係る場合を除き、保険給付に関するものに限る。)に係る事務は、全国健康保険協会に行わせるものとする。ただし、当該権限は、厚生労働大臣が自ら行うことを妨げない。
2 前項に定めるもののほか、協会による同項に規定する権限に係る事務の実施に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
(協会が行う立入検査等に係る認可等)
第204条の8 協会は、前条第1項に規定する権限に係る事務を行う場合には、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
2 前項に規定する場合における第198条第1項の規定の適用については、同項中「被保険者の資格、標準報酬、保険料又は保険給付」とあるのは「保険給付」と、「当該職員」とあるのは「協会の職員」とする
第222条 協会の役員は、第204条の8第1項の規定により厚生労働大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったときは、20万円以下の過料に処する。
厚生労働省 HPより 法改正の背景
近年、事業主が被保険者と共謀して、実際に支払った報酬よりも不正に高い報酬月額を届け出た上で、傷病手当金を不正請求するなど、事業主による不正事案が発生している。
○ こうした不正事案が発生した場合、厚生労働大臣は、行政権限として事業主に対して立入調査を行う権限を有している。
しかし、この立入権限については、現行法上、日本年金機構に対しては委任されているが、保険給付を行う保険者に対しては委任されていない。
○ そこで、傷病手当金等の不正受給を防止する観点から、日本年金機構とほぼ同一の組織形態である協会けんぽに対して、立入権限を委任する方向としてはどうか。
※ 健保組合については、役員の任命・解任に際し、厚生労働大臣が関与できないなど、組織形態が協会けんぽとは異なるため、行政権限の付与は法制的観点から難しい。
法改正の趣旨
⇒不正防止のために事業主に対する厚生労働大事の命令、質問、検査の権限を従来の
日本年金機構に留まらず、全国健康保険協会(協会けんぽ)にまで委任を広げたということになります。