問題の解き方です。
今回は、労働基準法(平成27 問6 答えは誤り)の問題を確認していきます。
【問題】
労働基準法第32条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる36協定)を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、
使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨を定めていたとしても、36協定は私法上の権利義務を設定する効果を有しないため、当該就業規則の規定の内容が合理的なものであるか否かにかかわらず、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負わないとするのが、最高裁判所の判例である。
まず、論点分けをしていきます。
前半の部分に関しては、論点というよりも、
残業させる際の就業規則の前提条件が記載されています。
ここの箇所での正誤は、あり得ないので、後半を確認します。
「当該就業規則の規定の内容が合理的なものであるか否かにかかわらず、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負わないとするのが、最高裁判所の判例である。」
まさにこの箇所が、平成27年問6の肝になります。
同時に、社労士の試験で「合理的」という表現が頻繁に出てきますが、
「合理的」という表現を
・道理に適っている
・理に合っている
上記で読み替えると
「当該就業規則の規定の内容が、道理に適っていようがいまいが、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負わないとするのが、最高裁判所の判例である。」
ということになり、
「労働者は、就業規則の規定の内容が道理に適っていても、労働時間を超えて労働する義務を負わない。」となり、普通に考えてもおかしな内容になります。
「合理的」という意味は、
無駄がない。効率が良い。能率的。という意味で一般的に使用されますが、社労士試験で、
「合理的」という表現が出てきたら、「理に合う」「道理に適っている」と読み替えて対処すれば理解しやすくなります。