今回は、国民年金法の法改正に関する内容です。
老齢基礎年金の支給要件の1つである受給資格期間の25年以上が10年以上に大きく改正されています。(平成29年4月以降)
今回の受給資格期間の短縮の背景は、平成24年に成立された
「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律(平成24年8月10日成立)」にさかのぼります。
いわゆる、「年金機能強化法」と言われる法律で、
趣旨は、「公的年金の財政基盤の強化を図り、生活を支える機能を強化するための法律」ということになります。
年金機能強化法の主要項目は、下記の通りです。(政府広報オンライン参照)
(1)基礎年金の国庫負担の割合2分の1を恒久化
平成16年改正で導入された財政の枠組みを完成させるため、平成26年4月から消費税財源を用いて、基礎年金給付費の国庫負担の割合を2分の1とすることを恒久化
(2)受給資格期間を10年に短縮
将来の無年金者の発生を抑え、より多くの人を年金受給に結びつけるため、受給資格期間を現在の25年から10年に短縮(平成29年4月施行予定)。
(3)短時間労働者への厚生年金・健康保険の適用拡大
これまで厚生年金・健康保険などの被用者保険のメリットを受けられなかった短時間労働者も、一定の条件を満たせば加入可能に(平成28年10月施行)。
(4)産休期間中の保険料免除
次世代育成支援のため、育休中の社会保険料免除に加え、平成26年4月から、産休期間中も被保険者・事業者双方の社会保険料が免除に。
(5)遺族基礎年金の支給対象を父子家庭に拡大
平成26年4月からは、父子家庭にも遺族基礎年金が支給されます(平成26年4月以降に死亡した方の遺族年金が対象)。
今回の受給資格期間の短縮は、年金機能強化法を根拠に改正されたことを確認することが必要です。