労働力調査(詳細集計)平成29年(2017年)平均(速報)
平成30年2月16日公表
1 2017年平均の役員を除く雇用者5460万人のうち,正規の職員・従業員は,前年に比べ56万人増加し,3423万人。非正規の職員・従業員は13万人増加し,2036万人。 非正規の職員・従業員について,男女別に現職の雇用形態についた主な理由をみると,男女共に「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も多く,男性は前年に比べ8万人増加,女性は16万人増 |
現職の雇用形態についた主な理由で多いものをみると,
男性(非正規の職員・従業員647 万人)
「自分の都合のよい時間に働きたいから」 ······· 157 万人(26.6%)と,8万人増加
「正規の職員・従業員の仕事がないから」 ······· 134 万人(22.7%)と,13 万人減少
女性(非正規の職員・従業員1389 万人)
「自分の都合のよい時間に働きたいから」 ······· 383 万人(29.1%)と,16 万人増加
「家計の補助・学費等を得たいから」 ········· 330 万人(25.0%)と,2万人増加
2 2017年平均の完全失業者190万人(前年に比べ18万人減少)のうち,失業期間が「1年以上」の者は前年に比べ10万人減少し,67万人と,比較可能な2002年以降で過去最少 |
完全失業者を失業期間別にみると,
3か月未満 ···64 万人と,4万人減少
3~6か月未満 ··· 27 万人と,前年と同数
6か月~1 年未満 ··· 25 万人と,2万人減少
1年以上 ··· 67 万人と,10 万人減少
3 2017 年平均の非労働力人口 4376 万人(前年に比べ 50 万人減少)のうち,就業希望者は前年に比べ 13 万人減少し,369 万人。就業非希望者は 31 万人減少し,3913 万人。なお,就業非希望者のうち「65 歳以上」は 19 万人増加 |
就業希望者注)(369万人)及び就業非希望者(3913万人)を男女別にみると,
<就業希望者>
男性 ··· 107 万人と,1万人増加
女性 ··· 262 万人と,13 万人減少
<就業非希望者>
男性 ··· 1422 万人と,2万人減少
女性 ··· 2490 万人と,31 万人減少
・就業希望者(369万人)のうち,非求職の理由を「出産・育児のため」とした者が89万人と,2万人増加。「介護・看護のため」とした者が18万人と,1万人減少
注)就業を希望しているが「適当な仕事がありそうにない」などの理由により求職活動をしていない者
第1 雇用者(正規,非正規の職員・従業員別の動向など)
1 正規の職員・従業員は56万人増加,非正規の職員・従業員は13万人増加
2017年平均の役員を除く雇用者は5460万人と,前年に比べ69万人の増加となった。このうち正規の職員・従業員は3423万人と56万人の増加となった。一方,非正規の職員・従業員は2036万人と13万人の増加となった。
男女別にみると,男性は正規の職員・従業員が2310万人と23万人の増加,非正規の職員・従業員が647万人と4万人の減少となった。女性は正規の職員・従業員が1114万人と34万人の増加,非正規の職員・従業員が1389万人と16万人の増加となった。
2 非正規の職員・従業員が多い年齢階級は男性では65歳以上及び55~64歳,
女性では45~54歳及び35~44歳
非正規の職員・従業員を男女,年齢階級別にみると,男性は2017年平均で65歳以上が170万人(26.3%)と最も多く,次いで55~64歳が149万人(23.0%),女性は45~54歳が354万人(25.5%)と最も多く,次いで35~44歳が306万人(22.0%)などとなった。
また,対前年増減が大きい年齢階級をみると,男性は65歳以上が7万人の増加,女性は45~54歳が11万人の増加,55~64歳が10万人の増加などとなった。
雇用形態別にみると,パート・アルバイトが1414万人と11万人の増加,契約社員が291万人と4万人の増加などとなった。
3 非正規の職員・従業員の割合は,全ての年齢階級で低下
役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合を年齢階級別にみると,2017年平均で35~44歳及び65歳以上が前年に比べ0.7ポイント低下するなど,全ての年齢階級で低下した。
4 女性の非正規の職員・従業員の年間収入は,100 万円未満が全体の 44.3%を占め,
前年に比べ 0.8 ポイントの低下
仕事からの年間収入階級別割合を男女,正規,非正規の職員・従業員別にみると,男性の正規の職員・従業員は2017年平均で500~699万円が22.7%(前年に比べ0.2ポイントの低下)と最も高く,次いで300~399万円が19.8%(前年と同率)などとなった。一方,非正規の職員・従業員は100~199万円が28.8%(前年に比べ1.5ポイントの低下)と最も高く,次いで100万円未満が26.9%(同0.7ポイントの低下)などとなった。
女性の正規の職員・従業員は200~299万円が28.1%(同0.3ポイントの低下)と最も高く,次いで300~399万円が22.8%(同0.4ポイントの上昇)などとなった。一方,非正規の職員・従業員は100万円未満が44.3%(同0.8ポイントの低下)と最も高く,次いで100~199万円が38.8%(同0.7ポイントの低下)などとなった。
5 非正規の職員・従業員についた主な理由で最も多いものは,男女共に
「自分の都合のよい時間に働きたいから」(男性は8万人増加,女性は 16 万人増加)
非正規の職員・従業員を男女,現職の雇用形態についた主な理由別にみると,男性は 2017 年平均で「自分の都合のよい時間に働きたいから」とする者が 157 万人(26.6%)と最も多く,前年に比べ8万人の増加,次いで「正規の職員・従業員の仕事がないから」とする者が 134 万人(22.7%)と 13 万人の減少などとなった。女性は「自分の都合のよい時間に働きたいから」とする者が 383万人(29.1%)と最も多く,16 万人の増加,次いで「家計の補助・学費等を得たいから」とする者が330万人(25.0%)と2万人の増加などとなった。
第2 完全失業者(失業期間別の動向など)
1 失業期間が1年以上の完全失業者は10万人減少
2017年平均の完全失業者(190万人,前年に比べ18万人の減少)を失業期間別にみると,失業期間が3か月未満の者は64万人と,前年に比べ4万人の減少となった。また,3~6か月未満の者は27万人と前年と同数,6か月~1年未満の者は25万人と2万人の減少,1年以上の者は67万人と10万人の減少となった。
2 「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」とする完全失業者は5万人減少
完全失業者を仕事につけない理由別にみると,「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」とする者は2017年平均で25万人と,前年に比べ5万人の減少,「希望する種類・内容の仕事がない」とする者は51万人と4万人の減少などとなった。
年齢階級別にみると,「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」とする者は35~44歳,45~54歳及び55~64歳で減少,「希望する種類・内容の仕事がない」とする者は25~34歳及び35~44歳で減少となった。
完全失業者について,仕事につけない理由別の割合をみると,「希望する種類・内容の仕事がない」とする者が2017年平均で27.4%(前年に比べ0.6ポイントの上昇)と最も高く,次いで「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」とする者が13.4%(同1.2ポイントの低下)などとなった。
年齢階級別にみると,「希望する種類・内容の仕事がない」とする者は,15~24歳が36.0%と最も高く,次いで25~34歳が31.0%などとなった。「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」とする者は,65歳以上が42.9%と最も高く,次いで55~64歳が28.6%などとなった。
3 前職が正規の職員・従業員で過去1年間に離職した完全失業者は5万人減少
過去1年間に離職した完全失業者(求職理由が「仕事をやめたため」の者)は,2017年平均で72万人と,前年に比べ7万人の減少となった。
前職の雇用形態別にみると,前職が正規の職員・従業員の者が32万人と5万人の減少,前職が非正規の職員・従業員の者が39万人と1万人の減少となった。
また,前職が非正規の職員・従業員の内訳をみると,前職がパート・アルバイトの者が23万人と2万人の減少,前職が労働者派遣事業所の派遣社員の者が5万人と1万人の減少などとなった。
第3 非労働力人口(就業希望の有無別の動向など)
1 就業希望者が多い年齢階級は,男性では15~24歳,女性では35~44歳
2017年平均の非労働力人口(4376万人,前年に比べ50万人の減少)のうち,就業希望者(就業を希望しているものの,求職活動をしていない者)は369万人と,前年に比べ13万人の減少となった。
男女,年齢階級別にみると,男性は15~24歳が44万人(41.5%)と最も多く,前年と同数,女性は35~44歳が77万人(29.4%)と最も多く,前年と同数などとなった。
一方,就業非希望者(就業を希望していない者)は3913万人と31万人の減少となった。年齢階級別にみると,65歳以上が2635万人と19万人の増加などとなった。
2 「適当な仕事がありそうにない」ため求職活動をしていなかった者は3万人減少
非労働力人口のうち,就業希望者を非求職理由別にみると,「適当な仕事がありそうにない」とする者は2017年平均で103万人と,前年に比べ3万人の減少となった。さらに,「適当な仕事がありそうにない」とする者のうち,「勤務時間・賃金などが希望にあう仕事がありそうにない」とする者は38万人と4万人の減少,「今の景気や季節では仕事がありそうにない」とする者は3万人と2万人の減少などとなった。
男女別にみると,男性は「適当な仕事がありそうにない」とする者が36万人(前年に比べ5万人の増加)と最も多く,女性は「出産・育児のため」とする者が89万人(同2万人の増加)と最も多くなった。
3 「適当な仕事がありそうにない」ため求職活動をしていなかった者のうち,
過去1年間に求職活動をしたことがある者は2万人減少
非労働力人口のうち,就業希望者について,「適当な仕事がありそうにない」ため求職活動をしていなかった者のうち,過去1年間に求職活動をしたことがある者(ただし,「仕事があればすぐつける」者とする。)は,2017年平均で20万人と,前年に比べ2万人の減少となった。
第4 就業異動の状況
1 過去1年間の離職経験者のうち,就業者は4万人増加,完全失業者は7万人減少
過去1年間の離職経験者注)1は,2017年平均で559万人と,10万人の減少となった。これを現在の就業状態注)2別にみると,現在は就業者の者(転職者)が311万人と4万人の増加となった。一方,現在は完全失業者の者が85万人と7万人の減少,現在は非労働力人口の者が163万人と7万人の減少となった。
第5 若年層(15~34歳)の非正規の職員・従業員及びその希望者
1 「若年層のパート・アルバイト及びその希望者」は2万人減少
「若年層のパート・アルバイト及びその希望者注)1」(いわゆるフリーター注)2)は,2017年平均で152万人と,前年に比べ2万人の減少となった。男女別にみると,男性は70万人と2万人の減少,女性は82万人と前年と同数となった。
若年層人口(15~34歳人口)に占める割合は,2017年平均で5.9%と,前年に比べ0.1ポイントの低下となった。男女別にみると,男性は5.4%と0.1ポイントの低下,女性は6.6%と0.1ポイントの上昇となった。
2 25~34歳の「パート・アルバイト及びその希望者」は3万人減少
「若年層のパート・アルバイト及びその希望者」を年齢階級別にみると,15~24歳は2017年平均で64万人と,前年に比べ1万人の増加,25~34歳は88万人と3万人の減少となった。