白書対策 平成29年度版 厚生労働白書 p115 子どものいる家庭への支援
子どものいる家庭への支援
子どもがいる家庭が安定した生活を送れるようにするための支援は、未来への投資でもある。
「ニッポン一億総活躍プラン」では、「すべての子供が夢に向かって頑張ることができる社会をつくらなければならない。未来を担う子供たちへの投資を拡大し、格差が固定化せず、誰にもチャンスがある一億総活躍社会を創っていく。」としている。
(1)児童手当制度・児童扶養手当制度
[児童手当]
児童手当は、中学校卒業までの児童を養育している方に支給される金銭給付である。
支給額は、児童1人当たりの月額で3歳未満は15,000円、3歳以上小学校修了前の第1子、 第2子は10,000円、第3子以降は15,000円、中学生は10,000円である。
所得制限があり、所得制限限度額は扶養親族などの数に応じて設定される。
例えば夫婦と児童2人(扶養親族が3人)の場合、所得制限額は年収ベースで960万円である。
所得制限を超える場合は、当分の間、児童1人当たり月額5,000円の特例給付が支給される。
2016(平成 28)年2月末で受給者数は約1,043万人(施設等受給者数を除く。)である。
児童手当は、子育て支援の強化という観点から、近年、対象児童の年齢や支給額の引上げなどが行われている。
2000(平成12)年には対象児童の年齢が3歳から義務教育就学前までに、2004(平成16)年には小学校3年生までに、2006(平成18)年には小学校6年生までに引き上げられた。
2010(平成22)年には、当時の民主党政権により、扶養控除を廃止して、その財源を手当に回すという考え方の下、「子ども手当」が創設された。
これにより、対象児童の年齢は中学校3年生までに、支給金額は10,000円から13,000 円に引き上げられ、所得制限が撤廃された。
併せて、2011(平成23)年には16歳未満の子どもの扶養控除が廃止された。
しかし、2012(平成24)年には再び児童手当となり、 現行の仕組みに至っている。
「児童扶養手当制度」
児童扶養手当は、離婚によるひとり親家庭など、父や母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進を目的として支給される金銭給付である。
18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童又は20歳未満の障害児を監護する母又は監護し、かつ生計を同じくする父などに支給される。
ひとり親家庭への支援を強化するため、2016年8月から、第2子及び第3子以降の加算額が最大倍増され、さらに、2017年4月からは、児童が1人の場合に加えて、児童が2人の場合の加算額についても、物価の上下に合わせて支給額が変わる物価スライド制を導入している。
これにより、現在の支給額は児童1人の場合月額42,290円であり、2人以上の場合はこれに9,990
円が、3人以上の場合は児童1人につき5,990円が加算される。
所得制限限度額は扶養親族などの数に応じて設定されており、例えば、親と児童1人の2人世帯であれば、親の前年の年収が130万円未満の場合には全額支給、130万円以上365万円未満の場合は、所得に応じて42,280円から9,980円まで10円きざみで支給される。2016年3月末の受給者数は約104万人である。