白書対策 平成29年度版 厚生労働白書 p198~199 仕事と育児の両立支援
仕事と育児の両立支援策の推進
(現状)
育児・介護期は特に仕事と家庭の両立が困難であることから、労働者の継続就業を図るため、仕事と家庭の両立支援策を重点的に推進する必要がある。
直近の調査では、女性の育児休業取得率は 81.8%(2016(平成 28)年度)と、育児休業制度の着実な定着が図られている。
しかし、第 1子出産後の女性の継続就業割合をみると、53.1%(2015(平成 27)年度)となっており、いまだに半数近くの女性が出産を機に離職している。
また、男性の約3割が育児休業を取得したいと考えているとのデータもある中、実際の取得率は3.16%(2016年度)にとどまっている。
さらに、男性の子育てや家事に費やす時間も先進国中最低の水準である。こうした男女とも仕事と生活の調和をとることが難しい状況が女性の継続就業を困難にし、少子化の原因の一つになっていると考えられる。
(育児・介護休業法)
こうした状況の中、男女ともに子育て等をしながら働き続けることができる環境を整備するため、育児・介護休業法において、短時間勤務制度や所定外労働の制限の義務化のほか、父母がともに育児休業を取得する場合の育児休業取得可能期間の延長(パパ・ママ育休プラス)、父親が配偶者の出産後 8週間以内に育児休業を取得した場合に再度の育児休業の取得を可能とする等、父親の育児休業取得を促進するための制度が規定されている。
また、2017(平成 29)年 1月から、有期契約労働者の育児休業の取得要件緩和や、子の看護休暇の半日単位での取得などを可能とする改正育児・介護休業法が施行されている。
この改正内容を含めた育児・介護休業法の定着を図るとともに、育児・介護休業や短時間勤務制度等の両立支援制度を安心して利用できる職場環境の整備を支援している。
さらに、都市部を中心に待機児童が多く見られることが背景となり、子が 1歳 6か月に達するまで育児休業を取得してもなお保育所に入れず、やむを得ず離職する方が一定数いることから、同様の場合に、緊急的なセーフティネットとして、最長で子が 2歳に達するまで育児休業を延長できることのほか、男性の育児休業取得の促進等のため、事業主に対して育児休業等を従業員に個別に周知すること、子が小学校就学前まで利用できる育児目的休暇を設けることを努力義務とする育児・介護休業法の改正を含む「雇用保険法等の一部を改正する法律」が成立し、2017年 10月 1日より施行されることとなっている。