健康保険組合の42%が赤字に(2017 年度)
(健康保険組合連合会 2018 年 9 月 26 日 発表)
新聞各紙で既に報道されていますが、2017 年度の健康保険組合の財政状況に関して、 42%(580組合)が赤字になると発表しています。
(健康保険組合:2,960万人が加入 全国に1,394組合)
(要点)
●前年度より39組合増え、主な要因は、高齢者医療制度への拠出金の増加。
●全組合を合算した収支は黒字を確保したが、黒字額は1346億円と16年度比で1030億円減少。
●平均保険料率は0.057ポイント増の9.167%と10年連続で上昇。
●被保険者1人当たりの年間保険料負担は約10万6千円増えて、49万円に。
関連する事項として、社労士の試験対策として、「指定健康保険組合」と「特定健康保険組合」がありますが、概略を確認します。
(指定健康保険組合)
健康保険事業の収支が均衡しない健康保険組合であって、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣の指定を受けたもの(「指定健康保険組合」という)は、政令で定めるところにより、その財政の健全化に関する計画(「健全化計画」という)を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
3年連続して赤字を出すなど財政悪化が著しい健保を対象に健全化計画の策定が支援の条件
(特定健康保険組合)
健康保険組合のうち一定の要件を満たすものは、厚生労働大臣の認可を受けて、健康保
険組合の被保険者であった退職者に対し、退職後も引き続き現役被保険者と同様の保険給
付及び保健事業を行うことができる健康保険組合。
(昭和59年度に退職者医療制度が創設)
以下、厚生労働省保険局資料より
<特定健保組合の特徴>
① 特例退職被保険者(特定健保の被保険者)は、現役被保険者と同様の保険給付及び保健事業を引き続き受けることができる。
② 特例退職被保険者の保険料(※)は、全額自己負担。
※ ただし、保険料算定の基礎となる標準報酬月額は、当該組合の標準報酬月額の平均と標準賞与額の平均の12分の1を合算した額の2分の1の範囲内で組合が規約で定める。
③ 健保組合にとっては、現役時代に組合の財政運営に寄与した者に対し、退職後、保険給付の必要性が増える時期に還元することができる。
(企業にとっても、永年企業に貢献したOBに対し、報いることができる。)
④ 現役時代から退職後にかけて、保険給付と保健事業を行うため、効果的な医療費適正化ができる。
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