平成30年 就労条件総合調査
平成30年「就労条件総合調査」(平成30年10月23日 厚生労働省より公表)
今回は、②賃金制度、③退職給付の制度、④退職金給付の支給実態の3項目を記載しています。問題形式で、全て正しい肢になっています。
② 賃金制度
(1)時間外労働の割増賃金
[問題]時間外労働の割増賃金率を「一律に定めている」企業割合は 82.7%(平成 29 年調査 83.4%) となっている。
[問題]上記の内、時間外労働の割増賃金率を「25%」とする企業割合は 93.0%(同 93.5%)、「26%以上」とする企業割合は 6.1%(同 6.3%)となっている。
[問題]時間外労働の割増賃金率を「26%以上」とする企業割合を企業規模別にみると、「1,000 人以上」… 23.4%
「300~999 人」… 14.6%
「100~299 人」…6.9%
「30~99 人」…4.3%となっている。
(2)1か月 60 時間を超える時間外労働に係る割増賃金率
[問題]時間外労働の割増賃金率を定めている企業のうち、1か月 60 時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めている企業割合は 30.1%(平成 29 年調査 32.2%)となっている。
[問題]上記の内、時間外労働の割増賃金率を「25~49%」とする企業割合は 40.3%(同 49.6%)、「50%以上」とする企業割合は 56.2%(同 48.9%)となっている。
[問題]1か月 60 時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めている企業割合を中小企業該当区分別にみると、「中小企業」が 25.5%、「中小企業以外」が 53.5%となっている。
③ 退職給付(一時金・年金)制度
(1) 退職給付制度の有無及び形態
[問題]退職給付(一時金・年金)制度がある企業割合は 80.5%となっている。
[問題]企業規模別にみると、
「1,000 人以上」…92.3%
「300~999 人」…91.8%
「100~299 人」… 84.9%
「30~99 人」…77.6%となっている。
[問題]産業別にみると、「複合サービス事業」が 96.1%と最も高く、次いで「鉱業,採石業,砂利採取業」が 92.3%、「電気・ガス・熱供給・水道業」が 92.2%となっている。
[問題]退職給付制度がある企業について、制度の形態別の企業割合をみると「退職一時金制度のみ」が 73.3%、「退職年金制度のみ」が 8.6%、「両制度併用」が 18.1%となっている。
(2) 退職一時金制度の支払準備形態
[問題]退職一時金制度がある企業について、支払準備形態(複数回答)別の企業割合をみると、「社内準備」が 57.0%、「中小企業退職金共済制度」が 44.0%、「特定退職金共済制度」が 11.5%となっている。
(3) 退職年金制度の支払準備形態
[問題]退職年金制度がある企業について、支払準備形態(複数回答)別の企業割合をみると、「厚生年金基金(上乗せ給付)」が 20.0%、「確定給付企業年金(CBP を含む)」が 43.3%、「確定拠出年金(企業型)」が 47.6%となっている。
(4) 退職一時金制度の見直し
[問題]退職一時金制度について、過去3年間に見直しを行った企業割合は 9.3%となっている。
[問題]過去3年間に見直しを行った企業について、退職一時金制度の見直し内容(複数回答)別の企業割合をみると、「新たに導入又は既存のものの他に設置」が 28.8%と最も多くなっている。
[問題]退職一時金制度について、今後3年間に見直しを行う予定がある企業割合は 7.4%となっている。
[問題]今後3年間に見直しを行う予定がある企業について、退職一時金制度の見直し内容(複数回答)別の企業割合をみると、「新たに導入又は既存のものの他に設置」が 33.6%と最も多くなっている。
(5) 退職年金制度の見直し
[問題]退職年金制度について、過去3年間に見直しを行った企業割合は 5.1%となっている。
[問題]過去3年間に見直しを行った企業について、退職年金制度の見直し内容(複数回答)別の企業割合をみると、「他の年金制度へ移行」が 32.0%と最も多くなっている。
[問題]退職年金制度について、今後3年間に見直しを行う予定がある企業割合は 2.6%となっている。
[問題]今後3年間に見直しを行う予定がある企業について、退職年金制度の見直し内容(複数回答)別の企業割合をみると、「新たに導入又は既存のものの他に設置」が 52.7%と最も多くなっている。
④ 退職給付(一時金・年金)の支給実態
(1) 退職者の状況
[問題]退職給付(一時金・年金)制度がある企業について、平成 29 年1年間における勤続 20 年以上かつ 45 歳以上の退職者がいた企業割合は、26.6%となっている。
[問題]退職給付(一時金・年金)制度がある勤続 20 年以上かつ 45 歳以上の退職者がいた企業について、退職事由別の退職者割合をみると、「定年」が 64.3%、「定年以外」では「会社都合」が 5.4%、「自己都合」が 22.8%、「早期優遇」が 7.5%となっている。
(2)退職事由別退職給付額
[問題]退職給付(一時金・年金)制度がある勤続 20 年以上かつ 45 歳以上の退職者がいた企業について、平成 29 年1年間における勤続 20 年以上かつ 45 歳以上の退職者に対し支給した又は支給額が確定した退職者1人平均退職給付額(以下、「退職給付額」とする。)を退職事由別にみると、どの学歴においても「早期優遇」が最も高く、「自己都合」が最も低くなっている。
[問題]退職事由のうち「定年」退職者の退職給付額を学歴別にみると、「大学・大学院卒(管理・事務・技術職)」1,983 万円、「高校卒(管理・事務・技術職)」1,618 万円、「高校卒(現業職)」1,159万円となっている。
(3)退職給付制度の形態別退職給付額(定年退職者)
[問題]退職給付(一時金・年金)制度がある勤続 20 年以上かつ 45 歳以上の退職者がいた企業について、平成 29 年1年間における勤続 20 年以上かつ 45 歳以上の定年退職者に対して支給した又は支給額が確定した退職給付額を退職給付制度の形態別にみると、「大学・大学院卒(管理・事務・技術職)」では「退職一時金制度のみ」が 1,678 万円、「退職年金制度のみ」が 1,828 万円、「両制度併用」が 2,357 万円となっている。
[問題]上記に関して「高校卒(管理・事務・技術職)」では、「退職一時金制度のみ」が 1,163 万円、「退職年金制度のみ」が 1,652 万円、「両制度併用」が 2,313 万円となっている。
[問題]「高校卒(現業職)」では、「退職一時金制度のみ」が 717 万円、「退職年金制度のみ」が 1,177 万円、「両制度併用」が 1,650 万円となっている。
[問題]「勤続 35 年以上」についてみると、「大学・大学院卒(管理・事務・技術職)」では「退職一時金制度のみ」が 1,897 万円、「退職年金制度のみ」が 1,947 万円、「両制度併用」が 2,493 万円となっている。
[問題]「高校卒(管理・事務・技術職)」では、「退職一時金制度のみ」が 1,497 万円、
「退職年金制度のみ」が 1,901 万円、「両制度併用」が 2,474 万円となっている。
[問題]「高校卒(現業職)」では、「退職一時金制度のみ」が 1,080 万円、「退職年金制度のみ」が 1,524 万円、「両制度併用」が 1,962 万円となっている。