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統計からみた我が国の高齢者(総務省発表)

令和元年9月 15

(内容)

Ⅰ 高齢者の人口(人口推計 2019年9月15日現在)

○ 総人口が減少する中で、高齢者人口は3588万人と過去最多

総人口に占める割合は28.4と過去最高

○ 日本の高齢者人口の割合は、世界で最高(201の国・地域中)

 

Ⅱ 高齢者の就業(労働力調査 2018年平均)

○ 高齢就業者数は、15年連続で増加し、862万人と過去最多

○ 就業者総数に占める高齢就業者の割合は、12.9%と過去最高

○ 高齢就業者は、「卸売業,小売業」や「農業,林業」などで多い

○ 高齢雇用者の4人に3人は非正規の職員・従業員

○ 高齢者の非正規の職員・従業員は、10年間で200万人以上増加

○ 非正規の職員・従業員についた主な理由は、

男女とも「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多

○ 日本の高齢者の就業率は、主要国の中でも高い水準

 

 

Ⅰ 高齢者の人口

・総人口が減少する中で、高齢者人口は 3588 万人と過去最多

・総人口に占める割合は 28.4%と過去最高

 

我が国の総人口(2019年9月15日現在推計)は、前年に比べ26万人減少している一方、65歳以上の高齢者(以下「高齢者」といいます。)人口は、3588万人と、前年(3556万人)に比べ32万人増加し、過去最多となりました。

 

総人口に占める割合は28.4と、前年(28.1%)に比べ0.3ポイント上昇し、過去最高となりました。

 

男女別にみると、男性は1560万人(男性人口の25.4%)、女性は2028万人(女性人口の31.3%)と、女性が男性より468万人多くなっています。

 

人口性比(女性100人に対する男性の数)をみると、15歳未満では105.01564歳では102.6と男性が多いのに対し、65歳以上では76.9と女性が多くなっています。

年齢階級別にみると、いわゆる「団塊の世代」(1947年~1949年生まれ)を含む70歳以上人口は2715万人(総人口の21.5%)で、前年に比べ、98万人増(0.8ポイント上昇)となりました。

また、75歳以上人口は1848万人(同14.7%)で、前年に比べ、53万人増(0.5ポイント上昇)、80歳以上人口は1125万人(同8.9%)で、21万人増(0.2ポイント上昇)となりました。

総人口に占める高齢者人口の割合の推移をみると、1950 年(4.9%)以降一貫して上昇が続いており、1985 年に 10%、2005 年に 20%を超え、2019 年は 28.4%となりました。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、この割合は今後も上昇を続け、2025年には30.0%となり、第2次ベビーブーム期(1971年~1974年)に生まれた世代が65歳以上となる2040年には、35.3%になると見込まれています。

 

日本の高齢者人口の割合は、世界で最高(201 の国・地域中)

2019年の高齢者の総人口に占める割合を比較すると、日本(28.4%)は世界で最も高く次いでイタリア(23.0%)、ポルトガル(22.4%)、フィンランド(22.1%)などとなっています。

 

高齢者の総人口に占める割合の推移をみると、各国とも上昇傾向となっています。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、日本は 2015 年(26.6%)と比べ 2065 年は 38.4%(11.8 ポイント上昇)になると見込まれています。

また、国際連合の推計によると、韓国は 12.9%から 42.1%(29.2 ポイント上昇)、中国は 9.3%から 30.0%(20.7 ポイント上昇)と大幅な上昇が見込まれています。

 

 

Ⅱ 高齢者の就業

●高齢就業者数は、15年連続で増加し、862万人と過去最多

 

2018年の高齢者の就業者(以下「高齢就業者」といいます。)数は、2004年以降、15年連続で前年に比べ増加し、862万人と過去最多となっています。

高齢就業者数の対前年増減をみると、「団塊の世代」の高齢化などを背景に、2013年以降大きく増加しており、2013年から2016年までは主に6569歳で増加、2017年以降は「団塊の世代」が70歳を迎え始めたことなどにより、主に70歳以上で増加しています。

2018年の高齢者の就業率は、男性が33.2%、女性が17.4%と、いずれも7年連続で前年に比べ上昇しています。6569歳の就業率をみると、2014年に男性は50%、女性は30%を超え、その後も一貫して上昇しています。

 

 

また、年齢階級別にみると、2018年は6569歳で46.6%、7074歳で30.2%、75歳以上で9.8%となり、年齢が高くなるとともに就業率は低くなっています。

 

 

・就業者総数に占める高齢就業者の割合は、12.9%と過去最高

 

15歳以上の就業者総数に占める高齢就業者の割合は12.9%と、過去最高となっています。

 

 

 

高齢就業者は、「卸売業,小売業」や「農業,林業」などで多い

 

高齢就業者数を主な産業別にみると、

「卸売業,小売業」が127万人と最も多く、次いで

「農業,林業」107万人、

「サービス業(他に分類されないもの)」98万人、

「製造業」が94万人などとなっています。

 

なお、各産業の就業者数に占める高齢就業者の割合をみると、

「農業,林業」が51.0%と最も高く、次いで

「不動産業,物品賃貸業」が25.4%、

「サービス業(他に分類されないもの)」が22.0%、

「生活関連サービス業,娯楽業」が18.2%などとなっています。

 

 

●高齢雇用者の4人に3人は非正規の職員・従業員

●高齢者の非正規の職員・従業員は、10年間で200万人以上増加

 

高齢就業者を従業上の地位別にみると、役員を除く雇用者が469万人で高齢就業者の54.9%、自営業主・家族従業者が278万人で同32.6%、会社などの役員が107万人で同12.5%となっています。

 

さらに、高齢就業者のうち役員を除く雇用者(以下「高齢雇用者」といいます。)を雇用形態別にみると、非正規の職員・従業員が76.3%を占めており、そのうちパート・アルバイトの割合が52.5%と最も高くなっています。

 

 

 

また、高齢雇用者について、正規及び非正規の職員・従業員の推移をみると、正規・非正規共に増加傾向で推移しています。

正規の職員・従業員は、2008年(70万人)から2018年(111万人)で41万人増加し、非正規の職員・従業員は、2008年(154万人)から2018年(358万人)で204万人増加しています。

 

 

●非正規の職員・従業員についた主な理由は、男女とも「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多

 

雇用形態が非正規の職員・従業員の高齢雇用者について、現在の雇用形態についた主な理由別の割合を男女別にみると、

男性は

自分の都合のよい時間に働きたいから」(29.8)が最も高く、次いで

「専門的な技能等をいかせるから」(17.4%)

家計の補助・学費等を得たいから」(16.3などとなっています。

 

また、女性についても、

自分の都合のよい時間に働きたいから」(38.1)が最も高く、次いで

家計の補助・学費等を得たいから」(20.6

「専門的な技能等をいかせるから」(8.8などとなっています。

 

なお、女性は「家事・育児・介護等と両立しやすいから」が 6.3%となっていますが、男性は0.6%となっています。

 

 

●日本の高齢者の就業率は、主要国の中でも高い水準

 

主要国における高齢者の就業率を10年前と比較すると、日本(+4.6ポイント)、カナダ(+3.6ポイント)を始め、各国とも上昇しています。

2018年の日本の高齢者の就業率は24.3となっており、主要国の中でも高い水準にあります。

 

 

 

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