賞与に関しては、労働経済をはじめ、労働基準法、労働者災害補償保険法、健康保険法、厚生年金保険法、労働契約法、パートタイム労働法と多岐に渡ります。
時節柄、賞与に関する内容を掲載していきます。
まずは、労働経済から。
厚生労働省がまとめた毎月勤労統計調査の平成30年夏季賞与の特別集計結果
(事業所規模5人以上)
前年比4.7%増の38万3879円。
夏の賞与が前年を上回るのは3年連続。
主な産業別にみた賞与額は、
建設業52万341円(前年比22.7%増)
製造業52万273円(同4.4%増)、
情報通信業69万1269円(同4.6%増)
卸売業、小売業34万132円(同10.5%増)
金融業、保険業55万312円(同10.8%減)
飲食サービス業等6万8641円(同13.0%増)
医療、福祉26万7661円(同2.0%減)
上記のようになっています。
賞与の時期になるとニュースで流れてくる賞与の額ですが、
2019年11月14日に公表されたのが、「冬賞与平均は96、4万円 過去最高更新」ということですが、これは経団連が発表した大手の金額です。
社労士の試験に関しては、厚生労働省公表の数字を押さえる必要があります。
次に、労働基準法。
労働基準法第11条には「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対象として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。」と記載されています。
労働基準法には、賃金の5原則にあるように、賃金の支払い方などの規定はありますが、賞与に関する定義は労働基準法にはなく、通達で規定されています。
(昭和22年9月13日 発基17号)
賞与とは、「定期または臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないもの」と定義されています
かなり、漠然とした通達ですが、
賞与は、ボーナス、夏期賞与、冬期賞与、年末手当、期末手当等々の名称です、年間3回までです。(一般的には、年2回)
年3回までのものが賞与で、年4回以上支給されるものは報酬とみなされます。
次に、労働者災害補償保険法です。
労働者災害補償保険法に関しては、社会復帰促進等事業の「被災労働者等援護事業」に特別支給金が記載されています。
ボーナス特別支給金とは、業務災害又は通勤災害により労働者が傷病等を被った場合、 保険給付以外に支給されるもので、「傷病特別年金」「障害特別年金・障害特別一時金」
「障害特別年金差額一時金」「遺族特別年金」「遺族特別一時金」があります。
具体的には、労災事故発生日以前1年間の特別給与(3カ月を超える期間ごとに支払われる賃金…つまり年3回まで)を基に算定されます。
ボーナス特別支給金の金額は、算定基礎日額の何日分という形で支給されます。
算定基礎日額とは、原則として、労災事故発生日以前1年間の特別給与の総額(算定基礎年額)を365で割って得た額です。
ただし、特別給与の総額が給付基礎年額(給付基礎日額×365)の20%に相当する額を上回る場合には、給付基礎年額の20%に相当する額が算定基礎年額となります。ただし、150万円が限度額です。
健康保険法、厚生年金保険法、労働契約法、パートタイム労働法は、次回掲載していきます。