平成20年選択式、平成18年及び平成27年の択一式に出題されています。
■概要
従業員(X)は、トランジスターの品質等の作業に従事していたが、会社は、✕の手抜き作業に対すて残業を命じた。 ✕が残業を拒否したため会社は、出勤停止等を行ったが態度を改めなかった。その後度重なる懲戒処分を経て会社は✕を懲戒解雇にした。 Xは、懲戒解雇の無効を主張し提訴。 |
■判決…会社側勝訴
判例の内容は、平成20年の過去問通り。 ポイントは、下記2点により会社側が勝訴。 ➀36協定の締結・届出があること ②就業規則の内容が合理的であること |
■平成20年 選択式…判例(日立製作所武蔵工場事件)
使用者が労働者に対し時間外労働を命じる場合について、「労働基準法32条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる36協定)を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨定めているときは、当該就業規則の規定の内容が【 C 】ものである限り、それが具体的な労働契約の内容をなすから、右就業規則の規定の適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負うものと解するを相当とする。」というのが最高裁判所の判例である。 |
C:合理的な
過去問 平成27年6C
労働基準法第32条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる36協定)を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨を定めていたとしても、36協定は私法上の権利義務を設定する効果を有しないため、当該就業規則の規定の内容が合理的なものであるか否かにかかわらず、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負わないとするのが、最高裁判所の判例である。 |
誤り…「当該就業規則の規定の内容が合理的なものであるか否かにかかわらず」ではなく、
「合理的なものである限り」にすれば正解。
過去問 平成18年 5D
最高裁判所の判例によると、労働基準法第32条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、36協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨定めているときは、当該就業規則の規定の内容が合理的なものである限り、それが具体的労働契約の内容をなすから、当該就業規則の規定の適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負うものと解するのを相当とする、とされている。 |
正解
(了)