令和2年 健康保険法 選択式 解説

健康保険法 選択式 令和2年の解説です。

★★★…優しい問題。必ず得点を上げる必要あり。

★★…やや難問。

★…未知の問題。

 

(健康保険法 総評)

【 A 】

【 B 】

【 C 】

【 D 】

【 E 】

★★★

★★★

★★★

★★

★★

 

 

健 康 保 険 法

〔問  6〕 次の文中の の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

1 健康保険法第 82 条第 2 項の規定によると、厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局に係る同法第 63 条第 3 項第 1 号の指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師に係る同法第 64 条の登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、【 A 】 ものとされている。

 

2 保険医療機関又は保険薬局から療養の給付を受ける者が負担する一部負担金の割合については、70 歳に達する日の属する月の翌月以後である場合であって、療養の給付を受ける月の【 B 】 以上であるときは、原則として、療養の給付に要する費用の額の 100 分の 30 である。

 

3 50 歳で標準報酬月額が 41 万円の被保険者が 1 つの病院において同一月内に入院し治療を受けたとき、医薬品など評価療養に係る特別料金が 10 万円、室料など選定療養に係る特別料金が 20 万円、保険診療に要した費用が 70 万円であった。この場合、保険診療における一部負担金相当額は 21万円となり、当該被保険者の高額療養費算定基準額の算定式は「80100 円+(療養に要した費用-267000 円)× 1 %」であるので、高額療養費は【 C 】 となる。

 

4 健康保険法施行規則第 29 条の規定によると、健康保険法第 48 条の規定による被保険者の資格の喪失に関する届出は、様式第 8 号又は様式第 8 号の 2 による健康保険被保険者資格喪失届を日本年金機構又は健康保険組合(様式第 8 号の 2 によるものである場合にあっては、日本年金機構)に提出することによって行うものとするとされており、この日本年金機構に提出する様式第 8 号の 2 による届書は、【 D 】 を経由して提出することができるとされている。

 

5 健康保険法第 181 条の 2 では、全国健康保険協会による広報及び保険料の納付の勧奨等について、「協会は、その管掌する健康保険の事業の円滑な運営が図られるよう、【 E 】 に関する広報を実施するとともに、保険料の納付の勧奨その他厚生労働大臣の行う保険料の徴収に係る業務に対する適切な協力を行うものとする。」と規定している。

 

■選択肢

7,330円   ②84,430円   ③125,570 円    ④127,670

⑤社会保障審議会の意見を聴く   住所地の市区町村長

⑦傷病の予防及び健康の保持     ⑧所轄公共職業安定所長

⑨所轄労働基準監督署長   前月の標準報酬月額が 28 万円

⑪前月の標準報酬月額が 34 万円   ⑫全国健康保険協会理事長

⑬地方社会保険医療協議会に諮問する   ⑭中央社会保険医療協議会に諮問する

⑮当該事業の意義及び内容   当該事業の財政状況

⑰都道府県知事の意見を聴く    標準報酬月額が 28 万円

⑲標準報酬月額が 34 万円    療養環境の向上及び福祉の増進

 

■解答

地方社会保険医療協議会に諮問する

標準報酬月額が 28 万円

③ 125,570

所轄公共職業安定所長

当該事業の意義及び内容

 

 

Aから確認していきます。

1 健康保険法第 82 条第 2 項の規定によると、厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局に係る同法第 63 条第 3 項第 1 号の指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師に係る同法第 64 条の登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、【 A 】 ものとされている。

解答:A 地方社会保険医療協議会に諮問する

 

択一式でも頻繁に出題されておりところで、必ず得点を取ることが必要です。

 

(早回し過去問論点集より)

  厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局の指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師の登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、地方社会保険医療協議会に諮問するものとされている。                               [正解 H29-5E]

次に【 B 】に進みます。

2 保険医療機関又は保険薬局から療養の給付を受ける者が負担する一部負担金の割合については、70 歳に達する日の属する月の翌月以後である場合であって、療養の給付を受ける月の【 B 】 以上であるときは、原則として、療養の給付に要する費用の額の 100 分の 30 である。

解答:B 標準報酬月額が 28 万円

 

1部負担金に関する問題です。

 

70歳以上で、現役並み所得者(標準報酬月額28万円以上)の場合の内容です。

③は、高額療養費そのものに関する問題です。

3 50 歳で標準報酬月額が 41 万円の被保険者が 1 つの病院において同一月内に入院し治療を受けたとき、医薬品など評価療養に係る特別料金が 10 万円、室料など選定療養に係る特別料金が 20 万円、保険診療に要した費用が 70 万円であった。この場合、保険診療における一部負担金相当額は 21万円となり、当該被保険者の高額療養費算定基準額の算定式は「80100 円+(療養に要した費用-267000 円)× 1 %」であるので、高額療養費は【 C 】 となる。

解答:C ③ 125,570

 

■選択肢

7330 円   ②84430 円   ③125570 円    ④127670

 

高額療養費の計算において、室料等の特別料金を算定の中に含めるのかどうかがポイントになります。

 

平成17年問6Aに、出題されています。

(早回し過去問論点集より)

高額療養費の対象となる費用については、平成12年の法改正により、療養に必要な費用の負担が家計に与える影響に加え、療養に要した費用も考慮して定めることとされ食事療養に要した費用も含まれることとなった

[誤り H17年 6] ⇒「含まれない。」

POINT】高額療養費の対象外の費用

・入院時食事療養費の食事療養標準負担額

・入院時生活療養費の生活療養標準負担額

・保険外併用療養費における評価療養又は選定療養の自費負担分

 

 

高額療養費算定基準額は

80100 円+(700,000267000 円)× 1 %」になり、

84,430

 

その他のポイントとして、

一部負担金は、保険診療に要した費用70 万円の3割なので、210,000

50 歳で標準報酬月額が 41 万円⇒3割負担

70歳未満の場合、一律3割負担なので、標準報酬月額41万円は問題の内容に影響しません。)

 

 

従って、設問の場合の高額療養費の額は、125,570円になります。

210,000円 - 84,430円 = 125,570円)

 

4に進みます。

4 健康保険法施行規則第 29 条の規定によると、健康保険法第 48 条の規定による被保険者の資格の喪失に関する届出は、様式第 8 号又は様式第 8 号の 2 による健康保険被保険者資格喪失届を日本年金機構又は健康保険組合(様式第 8 号の 2 によるものである場合にあっては、日本年金機構)に提出することによって行うものとするとされており、この日本年金機構に提出する様式第 8 号の 2 による届書は、【 D 】 を経由して提出することができるとされている。

解答:D 所轄公共職業安定所長

 

健康保険法施行規則第29条の規定により、日本年金機構に提出する被保険者の資格の喪失に関する届出所轄公共職業安定所長経由で提出することが可能になっています。

 

最後の5に進みます。

5 健康保険法第 181 条の 2 では、全国健康保険協会による広報及び保険料の納付の勧奨等について、「協会は、その管掌する健康保険の事業の円滑な運営が図られるよう、【 E 】 に関する広報を実施するとともに、保険料の納付の勧奨その他厚生労働大臣の行う保険料の徴収に係る業務に対する適切な協力を行うものとする。」と規定している。

解答:E 当該事業の意義及び内容

 

■選択肢

⑦傷病の予防及び健康の保持   ⑮当該事業の意義及び内容   

当該事業の財政状況   療養環境の向上及び福祉の増進

 

空欄の前後の用語に注意する必要があります。

「健康保険の事業の円滑な運営」ということで、⑮「当該事業の意義及び内容」が一番馴染む選択肢になります。

 

                                                              (了)

 

 

 

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