令和2年9月30日 厚生労働省より令和元年 雇用動向調査結果の概要が発表されました。
調査の概要は、下記の項目ですが、数回に渡りブログに記載していきます。
➀入職と離職の推移 ②産業別の入職と離職 ③性、年齢階級別の入職と離職 ④.転職入職者の状況 ⑤離職理由別離職の状況 ⑥付属統計表 |
細かい数字も出てきますが、ざっくりと把握することが重要です。
合わせて、調査に関する用語の定義が厚生労働省のHPに記載されているので合わせて確認してください。
1 入職と離職の推移
(1)令和元年の入職と離職
令和元年1年間の入職者数は 8,435.4 千人、離職者数は 7,858.4 千人で、入職者が離職者を 577.0千人上回っている。 就業形態別にみると、一般労働者は、入職者数 4,348.2 千人、離職者数 4,171.2 千人で、入職者が離職者を 177.0 千人上回っている。パートタイム労働者は、入職者数 4,087.2 千人、離職者数 3,687.2千人で、入職者が離職者を 400.0 千人上回っている。 年初の常用労働者数に対する割合である入職率、離職率をみると、入職率は16.7%、離職率は15.6%で、入職超過率は 1.1 ポイントとなっている。 前年と比べると、入職率が 1.3 ポイント、離職率が 1.0 ポイントそれぞれ上昇し、入職超過率は拡大した。 性別にみると、男性の入職率が 14.0%、離職率が 13.4%、女性の入職率が 20.0%、離職率が 18.2%、就業形態別にみると、一般労働者の入職率が 11.9%、離職率が 11.4%、パートタイム労働者の入職率が 29.2%、離職率が 26.4%で、いずれも入職超過となっている。 前年と比べると、男女ともに入職率、離職率は上昇した。また、一般労働者、パートタイム労働者ともに入職率、離職率は上昇した。 |
(解説)まずは、用語の定義から確認します。
用語の定義は、厚生労働省のHPに掲載されています。
■用語の解説 「入職者」 常用労働者のうち、調査対象期間中に事業所が新たに採用した者をいい、他企業からの出向者・出向復帰者を含み、同一企業内の他事業所からの転入者を除く。 「入(離)職率」 常用労働者数に対する入(離)職者の割合をいい、次式により算出している。
入(離)職率=入(離)職者数/1月1日現在の常用労働者数
「常用労働者」 次のいずれかに該当する労働者をいう。 (1)期間を定めずに雇われている者 (2)1か月以上の期間を定めて雇われている者 (注)平成30年上半期調査から常用労働者の定義を変更し、「1か月を超える期間を定めて雇われている者」から「1か月以上の期間を定めて雇われている者」に変更した。また、「日々又は1か月以内の期間を定めて雇われている者で、前2か月それぞれ18日以上雇われた者」は削除した。 |
上記の定義を踏まえて、「(1)令和元年の入職と離職」のポイントを確認します。
・入職者…840万人
・離職者…780万人
(桁が分かりにくいのですが、8,435.4 千人=8,435,400人 つまり840万人)
・入職率…16.7%
・離職率…15.6%
入職超過率は 1.1 ポイント。
・前年と比べると、男女ともに入職率、離職率は上昇。
・一般労働者、パートタイム労働者ともに入職率、離職率は上昇。
東京都の人口が約1,400万人。大阪府の人口は約900万人。
1年間に大阪府の人口と同じ位の者が入職することになります。
(2)各就業形態の雇用形態別入職と離職の状況
令和元年1年間の入職者数と離職者数を就業形態、雇用形態別にみると、入職者数のうち、一般労働者では「雇用期間の定めなし」が 3,095.6 千人、「雇用期間の定めあり」が 1,252.6 千人、パートタイム労働者では「雇用期間の定めなし」が 1,832.4 千人、「雇用期間の定めあり」が 2,254.8千人となっている。
離職者数のうち、一般労働者では「雇用期間の定めなし」が 3,047.3 千人、「雇用期間の定めあり」が 1,123.9 千人、パートタイム労働者では「雇用期間の定めなし」が 1,144.8千人、「雇用期間の定めあり」が 2,542.5 千人となっている。
前年と比べると一般労働者、パートタイム労働者ともに「雇用期間の定めなし」は入職者数、離職者数ともに増加し、「雇用期間の定めあり」は一般労働者が入職者数、離職者数ともに減少し、パートタイム労働者が入職者数、離職者数ともに増加した。 |
(解説)
入職者840万人のうち
一般の期間の定めなし…300万人
一般の期間の定めあり…130万人
パートの期間の定めなし…180万人
パートの期間の定めなし…230万人
離職者780万人のうち
一般の雇用期間の定めなし…300万人
一般の雇用期間の定めあり…110万人
パートの雇用期間の定めなし…115万人
パートの雇用期間の定めあり…255万人
(3)職歴別入職者数、入職率の状況
令和元年1年間の入職者数を職歴別にみると、転職入職者数は5,409.9千人で、転職入職率が10.7%、未就業入職者数は 3,025.5 千人、未就業入職者数のうち、新規学卒者は 1,416.2 千人で、未就業入職率が 6.0%となっている。
前年と比べると、転職入職率は 0.7 ポイント、未就業入職率は 0.5 ポイントそれぞれ上昇した。 性別にみると、男性は転職入職者数が 2,532.0 千人、未就業入職者数が 1,284.2 千人、未就業入職者数のうち、新規学卒者は 770.6 千人で、転職入職率は 9.3%と 1.0 ポイント、未就業入職率は4.7%と 0.2 ポイントそれぞれ上昇した。 女性は転職入職者数が 2,877.9 千人、未就業入職者数が1,741.3 千人、未就業入職者数のうち、新規学卒者は 645.6 千人で、転職入職率は 12.5%と 0.6 ポイント、未就業入職率は 7.5%と 0.9 ポイントそれぞれ上昇した。 就業形態別にみると、一般労働者は転職入職者数が 3,057.8 千人、未就業入職者数が 1,290.4 千人、未就業入職者数のうち、新規学卒者は 890.4 千人で、転職入職率は 8.4%、未就業入職率は 3.5%となっている。
パートタイム労働者は転職入職者数が 2,352.1 千人、未就業入職者数が 1,735.1 千人、未就業入職者数のうち、新規学卒者は 525.9 千人で、転職入職率は 16.8%、未就業入職率は 12.4%となっている。 |
■用語の解説 「転職入職者」…入職者のうち、入職前1年間に就業経験のある者をいう。 「未就業入職者」…入職者のうち、入職前1年間に就業経験のない者をいう。 |
(解説)
入職者840万人の内訳
・転職入職者…540万人
・未就業者300万人
(300万人の内、新卒は140万人)
ざっくりとした数字として、
転職者は、年間500万人で、内新卒が140万人。