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令和2年版 厚生労働白書 はじめに

令和2年版 厚生労働白書のポイントになる箇所を数回に分けて掲載していきます。

今回は、【はじめに】ということで厚生労働白書の入り口です。

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令和2年版 厚生労働白書 (令和2年1023日 厚生労働省公表)

はじめに

 

2019(令和元)年、「平成」の時代が幕を閉じ、「令和」の時代が始まった。

平成の30年間を振り返ると、少子高齢化の進行働き方や家族・地域社会のあり方の

変容など国民の生活をめぐる状況は大きく変化してきた。

そして、介護保険制度の創設社会保障・税一体改革など、こうした変化に伴って生じた様々な課題に対応すべく、数々の社会保障制度の改革が実施されてきた。

 

目をさきに転じて、日本の高齢者人口がピークを迎える2040(令和22)年頃を見据え

ると、本格的な人口減少が進む中で、担い手不足への懸念が指摘される一方、「人生100」というこれまで経験したことがない長い人生を生きる時代がやってくる。

令和の時代には、こうした新たな状況に対応した社会保障や働き方のあり方を考えていく必要がある。

 

加えて、2020(令和2)年に入り、我が国を含め全世界で新型コロナウイルス感染症が広がっている。

 

今、世界中で、人々の命と健康を守るため、医療体制の整備やワクチン等の研究開発などが懸命に進められている。同時に、社会・経済活動の停滞により影響が及んでいる雇用や家計に対し、前例のない様々な対策がこれまでにない規模で実施されている。

そして、こうした緊急的な対応とは別に、いわゆる「3つの「密」」の回避やソーシャル・ディスタンスの確保が求められる中で、私達の日常生活のあり方や働き方も大きく様変わりしている。

 

感染症の収束がいまだ見通せない状況の中で、この感染症が今後の社会のあり方にどのような変化をもたらすかについて、現時点で見極めることは難しいが、既に拡がっているテレワークを始めとする新たな動きを見ると、この感染症がもたらす大きな社会の変化が予感される。

 

今回の厚生労働白書第1部は、「令和時代の社会保障と働き方を考える」と題し、平成の30年間の社会の変容を踏まえ、2040年を見据えた中長期の視点に立って、今回の新型コロナウイルス感染症の影響を含め、今後の対応の方向性について検討を行ったものである。なお、感染症の生活や働き方などへの影響については概ね本年6月末現在の状況に基づき取りまとめている。

 

1章では、①人口、②寿命と健康、③労働力と働き方、④技術と暮らし・仕事、⑤地域社会、⑥世帯・家族、⑦つながり・支え合い、⑧暮らし向きと生活を巡る意識、⑨社会保障制度という9つのテーマに沿って、平成の30年間と2040年にかけての社会の変容を見ていく。

続く第2章では、こうした社会の変容を踏まえつつ、令和時代の社会保障と働き方のあり方について、今後の対応の方向性等について論じていく。

 

 

 

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