【男女ともに非正規雇用の労働者の数・割合が増大】
男女ともに短時間の就業形態の増加等により、非正規雇用の労働者が大きく増加している。1989(平成元)年から2019(令和元)年にかけて、男性では229万人から691万人へ、女性では588万人から1,475万人へ大きく増加し、総数では817万人から2,165万人へと約2.6倍に増えている。
男性は「パート・アルバイト」に次いで「契約社員」「嘱託」が比較的多く、女性は「パート・アルバイト」が多い。雇用者(役員を除く)に占める割合については、男性では8.7%から22.9%へ、女性では36.0%から56.0%へ上昇している。
【年齢別に見ると、65歳以上の増加幅が大きい】
年齢別に見ると男女ともに65歳以上の増加幅が大きく、高齢者の就労が非正規雇用の形態によって実現されていることがわかる。25~34歳、35~44歳、45~54歳、55~64歳のそれぞれの年齢階級においても、非正規雇用の労働者の割合は上昇している。
【増加の背景には、働く側の意識とともに、雇用者側での人件費の抑制志向、人材確保のための短時間労働者としての活用等の事情が存在】
労働者が非正規雇用に就いた理由については、従来より自発的なものと非自発的なものがあることが指摘されているが、こうした構造は2019年においても変わっていない。
男性の25~34歳、35~44歳、45~54歳では「正規の職員・従業員の仕事がないから」が、65歳以上では「自分の都合のよい時間に働きたいから」が多い。
女性についてはどの年齢階級においても「自分の都合のよい時間に働きたいから」の割合が比較的高く、35~44歳においては「家事・育児・介護等と両立しやすいから」、45~54歳においては「家計の補助・学費等を得たいから」も多くなっている。
非正規雇用の拡大の背景には、こうした働く人の意識とともに、雇用者側において、人件費の抑制や業務の繁閑への対応が必要となっているという事情も存在してきた。
加えて、人手不足の中で、人材確保のために本人の希望に合わせて短時間労働者として活用するという動きも見られるようになっている。