出生数は前年(2018年)比5万3,161人減の86万5,239人で、1899年の調査開始以来過去最少を更新した。 合計特殊出生数は、前年の1.42から0.06ポイント低下し、1.36となった。
人口動態調査は、日本の人口動態事象を把握し、人口や厚生労働行政施策の基礎資料を得ることが目的。出生・死亡・婚姻・離婚・死産の実態を表すものとして毎年作成しており、2020年6月発表の概数に修正を加えた確定数として公表した。調査期間は2019年1月1日~12月31日。
2019年の出生数は86万5,239人で、前年の91万8,400人から5万3,161人減った。 4年連続で減少し、1899年の調査開始以来過去最少となった。 母の年齢(5歳階級)別では、15~44歳の各階級と50歳以上で前年より減少。14歳以下と45~49歳で増加した。
合計特殊出生率は1.36。前年の1.42から0.06ポイント低下した。母の年齢(5歳階級)別でも、すべての年齢階級で低下。 もっとも合計特殊出生率が高い年齢階級は30~34歳だった。
合計特殊出生率とは、1人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当する。 |
■令和2年 厚生労働白書 人口の動向
【平均寿命の伸びと出生数の減少が大きく影響】 人口の動向は、主として平均寿命の伸びと出生数の減少によってもたらされている。 平均寿命については第2節で取り上げるが、これまでの約30年間で約5年以上伸びており、今後の約20年間でも約2年伸びると見込まれている。 出生については、合計特殊出生率が1974(昭和49)年に当時の人口置換水準を下回って以降は低下傾向にあり、1990(平成2)年には前年の合計特殊出生率がひのえうまの年(1966年)を下回る1.57と発表され、「1.57ショック」と言われた。
その後も合計特殊出生率の低下傾向は続き、2005(平成17)年には過去最低の1.26を記録した。
2006(平成18)年以降は緩やかな上昇傾向にあったが、ここ数年微減傾向にあり、2019(令和元)年における出生数は87万人と過去最小となった。
将来推計人口における2040(令和22)年の出生数は約74万人と推計されており、2019年の9割弱、1989(平成元)年の約6割の水準になると見込まれている。 |