「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」令和3年3月31日に公表
(下線を引いた部分及びマーカーの個所をチェックしてください。)
1 一般労働者の賃金
(1) 賃金の推移
賃金は、男女計 307.7 千円、男性 338.8 千円、女性 251.8 千円となっている。 男女間賃金格差(男=100)は、74.3 となっている。 |
(2) 性別にみた賃金
男女別に賃金カーブをみると、男性では、年齢階級が高いほど賃金も高く、55~59 歳で 420.1千円(20~24 歳の賃金を 100 とすると 195.8)と賃金がピークとなり、その後下降している。 女性では、50~54 歳の 274.7 千円(同 131.3)がピークとなっているが、男性に比べ賃金の上昇が緩やかとなっている。 |
(3) 学歴別にみた賃金
学歴別に賃金をみると、男性では、大学院 465.2 千円、大学 391.9 千円、高専・短大 345.5 千円、専門学校 309.3 千円、高校 295.0 千円となっている。 女性では、大学院 404.3 千円、大 学 288.3 千円、高専・短大 258.0 千円、専門学校 263.4 千円、高校 218.0 千円となっている。 学歴別に賃金がピークとなる年齢階級をみると、男性では、大学院で 70 歳以上、大学で 50 ~54 歳、高専・短大、専門学校及び高校で 55~59 歳、女性では、大学院で 70 歳以上、大学及び高専・短大で 50~54 歳、専門学校で 55~59 歳、高校で 45~49 歳及び 55~59 歳となっている。 学歴別に賃金カーブをみると、男女いずれも大学及び大学院の傾きが大きくなっており、 男性は女性に比べてその傾向が大きい。 |
(4) 企業規模別にみた賃金
企業規模別に賃金をみると、男性では、大企業 377.1 千円、中企業 331.7 千円、小企業 302.4 千円、女性では、大企業 266.4 千円、中企業 253.1 千円、小企業 232.9 千円となっている。 企業規模間賃金格差(大企業=100)は、男性で、中企業 88.0、小企業 80.2、女性で、中企業 95.0、小企業 87.4 となっている。 企業規模別に賃金カーブをみると、男女いずれも企業規模が大きいほど傾きは大きくなっており、男性は女性に比べてその傾向が大きい。 |
(5) 主な産業別にみた賃金
主な産業別に賃金をみると、男性では、「金融業,保険業」(479.2 千円)が最も高く、次いで「教育,学習支援業」(429.4 千円)となっており、「宿泊業,飲食サービス業」(278.2 千円)が最も低くなっている。 女性では、「情報通信業」(315.5 千円)が最も高く、次いで 「教育,学習支援業」(306.9 千円)となっており、「宿泊業,飲食サービス業」(208.9 千 円)が最も低くなっている。
賃金カーブをみると、男性では、「金融業,保険業」は 50~54 歳で賃金がピークとなり、 その後大きく下降している。 また、「宿泊業,飲食サービス業」は他の産業に比べ賃金カーブ の変化が緩やかとなっている。 女性では、「教育,学習支援業」は、年齢階級が高くなるとともにおおむね賃金も上昇しているが、他の産業は賃金の上昇が緩やかとなっている。 |
(6) 雇用形態別にみた賃金
雇用形態別の賃金をみると、男女計では、正社員・正職員 324.2 千円(年齢 42.2 歳、勤続 年数 12.5 年)に対し、正社員・正職員以外 214.8 千円(年齢 48.8 歳、勤続年数 8.7 年)となっている。 男女別にみると、男性では、正社員・正職員 350.7 千円に対し、正社員・正職員以外 240.2 千円、女性では、正社員・正職員 269.2 千円に対し、正社員・正職員以外 193.3 千円となっている。 雇用形態間賃金格差(正社員・正職員=100)は、男女計 66.3、男性 68.5、女性 71.8 となっている。男女計でみると賃金格差が最も大きいのは、企業規模別では大企業で、主な産業別では「卸売業,小売業」となっている。 |
(7) 役職別にみた賃金
一般労働者のうち、雇用期間の定めのない者について、役職別の賃金をみると、男性では、 部長級 601.7 千円、課長級 499.0 千円、係長級 381.7 千円、女性では、部長級 520.5 千円、課長級 443.1 千円、係長級 337.3 千円となっている(第7表)。
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(8) 在留資格区分別にみた賃金
外国人労働者の賃金は 218.1 千円で、在留資格区分別にみると、専門的・技術的分野(特定技能を除く)302.2 千円、特定技能 174.6 千円、身分に基づくもの 257.0 千円、技能実習 161.7千円、その他(特定活動及び留学以外の資格外活動)205.3 千円となっている。 |
(9) 新規学卒者の学歴別にみた賃金【新規項目】
新規学卒者の賃金を学歴別にみると、男女計で大学院 255.6 千円、大学 226.0 千円、高専・ 短大 202.2 千円、専門学校 208.0 千円、高校 177.7 千円となっている。 |
(10) 都道府県別にみた賃金
都道府県別の賃金をみると、全国計(307.7 千円)よりも賃金が高かったのは5都府県(東 京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府)となっており、最も高かったのは、東京都(373.6 千円)となっている。 |
2 短時間労働者の賃金
令和元年調査までは、1時間当たり賃金が著しく高い一部の職種の労働者について集計対 象から除いていたが、令和2年調査より短時間労働者全体を集計対象に含む調査方法に変更 している。 (1) 性別にみた賃金 短時間労働者の1時間当たり賃金は、男女計 1,412 円、男性 1,658 円、女性 1,321 円となっている。 男女別に1時間当たり賃金を年齢階級別にみると、最も1時間当たり賃金が高い年齢階級は、 男性では 50~54 歳で 2,367 円、女性では、35~39 歳で 1,471 円となっている。
(2) 企業規模別にみた賃金 企業規模別に1時間当たり賃金をみると、男性では、大企業 1,464 円、中企業 2,052 円、小 企業 1,579 円、女性では、大企業 1,288 円、中企業 1,392 円、小企業 1,306 円となっている。
(3) 主な産業別にみた賃金 主な産業別に1時間当たり賃金をみると、男性では、「医療,福祉」(3,807 円)が、 女性では「医療,福祉」(1,555 円)が最も高くなっている。 |