令和3年版 厚生労働白書(p246)
過重労働による健康障害を防止するための面接指導等の推進
過重労働による健康障害防止対策については、「過重労働による健康障害防止のための 総合対策」(平成14年2月策定)により、事業者が講ずべき措置について指導等を行ってきた。
その中で、労働者の健康管理に関する措置とし て、労働安全衛生法第66条の8及び第66条の9の規定等に基づき、長時間労働を行った労働者への医師による面接指導等及び面接指導の結果に基づく就業上の措置等の実施の徹底を図ってきた。
また、平成31年4月施行の改正労働安全衛生法関係法令により、事業者は、 労働者の労働時間の状況を把握しなければならないこととされ、時間外・休日労働時間が 80時間を超え、かつ、申出のあった労働者、労働基準法による時間外労働の上限規制が適用されない研究開発業務に従事する労働者又は高度プロフェッショナル制度が適用され、かつ、長時間労働を行った労働者に対して、面接指導を実施しなければならないこととされた。
加えて、同年4月1日には、「過重労働による健康障害防止のための総合対策」 について、長時間にわたる時間外・休日労働の実行ある抑制を図り、本対策をより一層推進するため、これらの改正内容を踏まえた所要の見直しを行った。 さらに、令和 2年4月より、これらの改正内容が中小企業事業主にも適用されたことから、同年4月 1日には、「過重労働による健康障害防止のための総合対策」についても所要の見直しを行った。
その他「『過労死等ゼロ』緊急対策」に基づき、精神障害に関する労災支給決定が行われた事業場に対して、メンタルヘルス対策を主眼とする個別指導を実施するとともに、企業が、傘下事業場において、おおむね3年程度の期間に、精神障害に関する労災支給決定が2件以上行われた場合には、当該企業の本社事業場に対して、メンタルヘルス対策を主眼とする個別指導を実施し、全社的なメンタルヘルス対策の取組みについて指導を行っている。 |
■労働安全衛生法(法66条の8)
事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者(次条第一項に規定する者及び第六十六条の八の四第一項に規定する者を除く。)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。)を行わなければならない。 |