令和3年版 厚生労働白書(p214)
過重労働解消に向けた取組みの促進
厚生労働省では、厚生労働大臣を本部長とする「長時間労働削減推進本部」を設置し、 長時間労働削減の徹底に向けた重点監督の実施、省内幹部による企業への訪問等、企業等における長時間労働が是正されるよう取り組んでいる。
また、2016(平成28)年12月 26日に、違法な長時間労働の是正に向けた取組みの強化やメンタルヘルス対策及びパワーハラスメント防止対策のための取組みの強化などを内容とする「『過労死等ゼロ』緊急対策」を決定し、2017(平成29)年1月から順次実施している。
長時間労働の問題に対応するため、 ・長時間労働の抑制、 ・年次有給休暇の取得促進などの、労働時間等の設定の改善に向けた労使の自主的な取組みを促進している。
具体的 には、 ・各企業に対し、所定外労働時間の削減、年次有給休暇の取得率の目標設定や取得状況の確認等の具体的な取組みを求める「労働時間等見直しガイドライン」の周知・啓発 ・生産性を高めながら労働時間の縮減等に取り組む中小企業等に対する「働き方改革推進支援助成金」の支給・都道府県労働局に配置する「働き方・休み方改善コンサルタント」等による個々の企業に対する支援の実施 ・企業における取組み事例を広く普及させるため、「働き方・休み方改善ポータルサイト」を活用した情報発信の実施 ・10月の年次有給休暇取得促進期間に加え、連続休暇を取得しやすい夏季、年末年始及びゴールデンウィークに集中的な周知・啓発の実施 ・地域のイベント等に合わせた計画的な年次有給休暇の取得等を企業、住民等に働きかけ、地域の休暇取得促進の機運を醸成する「地域の特性を活かした休暇取得促進のための環境整備事業」の実施などの取組みを行っている。
過労死等の防止のための対策については、「過労死等防止対策推進法」に基づき、労働行政機関等における対策とともに、調査研究、啓発、相談体制の整備、民間団体の活動に対する支援等の対策に取り組んでいる。 |