令和3年労働災害動向調査(事業所調査(事業所規模100人以上))の概況
厚生労働省では、令和4年5月に、「令和3年労働災害動向調査」を公表しています。
まず、初めに用語の定義を確認していきます。
■厚生労働省HPより
労働災害の発生状況を評価する際、被災者数以外に、度数率、強度率、年千人率という指標を用いることがあります。
【度数率】
⇒100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数
(度数率は休業1日以上及び身体の一部又は機能を失う労働災害による死傷者数に限定して算出)
統計をとった期間中に発生した労働災害による死傷者数を同じ期間中の延べ実労働時間数で割り、それに100万を掛けた数値です。
【強度率】
⇒1,000延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数
(統計をとった期間中に発生した労働災害による延べ労働損失日数を同じ期間中の全労働者の延べ実労働時間数で割り、それに1,000を掛けた数値)
【年千人率】
⇒1年間の労働者1,000人当たりに発生した死傷者数の割合
【結果の概要】
(1)調査産業計における労働災害の状況
令和3年の労働災害の状況を調査産業計でみると、度数率が 2.09(前年 1.95)、強度率が 0.09(同0.09)、死傷者1人平均労働損失日数が 41.0 日(同 44.5 日)
前年と比べ、度数率は上昇し、強度率が横ばい、死傷者1人平均労働損失日数は減少した。
なお、無災害事業所の割合は 55.0%(同 57.3%)となっている。
(2)産業別労働災害の状況
主な産業の度数率をみると、「製造業」が 1.31、「運輸業,郵便業」が 3.31 、
「卸売業,小売業」が 2.31、「医療,福祉」(一部の業種に限る。)が 2.43 となっている。
イ 強度率…「運輸業,郵便業」が最も高い
主な産業の強度率をみると、「製造業」が 0.06、「運輸業,郵便業」が 0.22、「卸売業,小売業」が 0.05、「医療,福祉」(一部の業種に限る。) 0.06となっている。
ウ 死傷者1人平均労働損失日数…「運輸業,郵便業」が最も多い
主な産業の死傷者1人平均労働損失日数をみると、「製造業」が 47.9 日、「運輸業,郵便業」が 66.6 日、「卸売業,小売業」が 22.5 日、「医療,福祉」(一部の業種に限る。)が 23.8 日となっている。