健康保険法
《目次》【被保険者】【適用除外】
【問題】一般労働者派遣事業の事業所に雇用される派遣労働者のうち常時雇用される労働者以外の者の被保険者資格の取扱いは、派遣就業に係る一の雇用契約の終了後、最大1か月以内に同一の派遣元事業主のもとで派遣就業に係る次回の雇用契約(1か月以上のものに限る。)が確実に見込まれるときは、使用関係が継続しているものとして取り扱い、被保険者資格を喪失させないことができる。
(平成23年 問1B)
【解答】○
【解説】(法3条1項、平成14年4月24日保保発0424001号)
■一般労働者派遣事業の事業所に雇用される派遣労働者のうち常時雇用される労働者以外の者⇒登録型派遣労働者
■登録型派遣労働者の適用については⇒派遣就業に係る一の雇用契約の終了後、最大1月以内に、同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約(1月以上のものに限る。)が確実に見込まれるときは、使用関係が継続しているものとして、被保険者資格は喪失しない。
【問題】短時間正社員の健康保険の適用については、①労働契約、就業規則及び給与規定等に、短時間正社員に係わる規定がある、②期間の定めのない労働契約が締結されている、③給与規定等における、時間当たり基本給及び賞与・退職金等の算定方法等が同一事業所に雇用されている同種フルタイムの正規型の労働者と同等である場合であって、かつ、就労実態も当該諸規定に即したものとなっているといった就労形態、職務内容等をもとに判断することとなっている。
(平成24年 問2D)
【解答】○
【解説】(法3条1項)
■設問のとおり正しい。
■「短時間正社員」⇒他の正規型のフルタイムの労働者と比べて、その所定労働時間(所定労働日数)が短い正規型の労働者であって、次のいずれにも該当する労働者。
①期間の定めのない労働契約を締結している者
②時間当たりの基本給及び賞与・退職金等の算定方法等が同一事業所に雇用される同種のフルタイムの正規型の労働者と同等である者
【問題】日本国籍を有しない者が、法人経営である料理店で働く場合は、被保険者となることができない。
(平成18年 問1A)
【解答】×
【解説】(法3条1項、法3条3項2号、平成4年3月31日保険発第38号・庁文発第1244号)
■国籍に関係なく被保険者となることは可能。
【問題】個人の事業所の事業主であっても、事業所が強制適用である場合には、必ず強制被保険者となる。
(平成14年 問1A)
【解答】×
【解説】(法3条1項)
■個人事業所の事業主⇒被保険者ではない。国民健康保険の被保険者となる。
【問題】法人の理事、監事、取締役、代表社員等の法人役員は、事業主であり、法人に使用される者としての被保険者の資格はない。
(平成22年 問6B)
【解答】×
【解説】(法3条1項、昭和24年7月28 日保発第74号)
■会社等法人の理事、監事、取締役、代表社員等⇒法人に使用される者として被保険者の資格を取得する。
【問題】特定労働者派遣事業を営む法人事業所に使用される派遣労働者が別の法人事業所に派遣された場合、当該派遣労働者はその派遣事業先への派遣期間にかかわらず、派遣元事業所の健康保険の適用を受ける。
(平成24年 問2B)
【解答】○
【解説】(法3条1項)
■設問のとおり正しい。
■特定労働者派遣事業に使用される派遣労働者は、常用雇用型の労働者で派遣元事業所で通常の労働者と同様に扱う。
【問題】法人の代表者または業務執行者については、法人に使用される者ではないので、法人から報酬を受けている場合であっても、被保険者として扱うことはできない。
(平成17年 問8D)
【解答】×
【解説】(昭和24年7月28日保発第74号)
■会社等法人の理事、監事、取締役、代表社員等⇒その法人に使用されるものとして被保険者資格を取得する。
【問題】臨時的事業の事業所に4月間使用される予定の者が、業務の都合により4月を超えて使用されることとなった場合、4月を超えた日から被保険者となることができる。
(平成18年 問1D)
【解答】×
【解説】(法3条1項5号)
■臨時的事業の事業所に使用される者⇒当初より継続して6月を超えて使用されるべき場合を除いて、適用除外。(当初6月未満使用されるべき予定であったが、業務等の都合により継続して6月以上使用されることとなった場合でも被保険者にならない。)
【問題】臨時に使用される者であって、6週間の雇用契約で働いていた日雇特例被保険者が、6週間を超えて引き続き使用されるに至った場合、2 ヵ月までは日雇特例被保険者の資格を継続することができる。
(平成14年 問1C)
【解答】×
【解説】(法3条1項2号ロ・8項1号ロ)
■臨時に使用される者で2月以内の期間を定めて使用される者⇒所定の期間を超え、引き続き使用されるに至った場合はその日から被保険者資格を取得。
■設問の場合⇒雇用契約期間の6週間を超えて引き続き使用されるようになったときに被保険者資格を取得。
【問題】日本国籍を有しない者が、常時5人以上の従業員を使用して土木の事業を行う事業所に雇用された場合は、強制被保険者とはならない。
(平成14年 問1D)
【解答】×
【解説】(法3条1項・3項1号ロ)
■健康保険の被保険者には日本国籍を有しない者であっても、適用事業所に使用されるに至った場合は被保険者資格を取得。
【問題】60日間の期間を定めて雇用される者が、その期間中に負傷し休業のまま引き続き60日を超えて使用関係が存在し、負傷の治癒後に労務に服することが見込まれるときは、61日目から被保険者の資格を取得する。
(平成22年 問5A)
【解答】○
【解説】(法3条1項、昭和5年8月6日保規344号)
■設問は臨時に使用される2か月以内の期間を定めて使用される者に該当し、所定の期間(つまり60日)を超えたときから被保険者になる。
■設問のように60日間の期間を定めて雇入れた者が例えば58日目に負傷し引続き休業しているが、所定期間を超えなお連続して使用関係が存続していれば61日目より資格を取得する。
■ただし、単に保険給付を受けさせるために使用関係を継続する場合は資格を取得することはできない。
【問題】本人の希望があり、事業主がそれに同意した場合でも、2か月の期間を定めて臨時に使用される者は、日雇特例被保険者となる場合を除き被保険者となることができない。
(平成23年 問1A)
【解答】○
【解説】(法3条1項2号)
■臨時に使用される者であって、2月以内の期間を定めて使用される者⇒日雇特例被保険者になる場合を除き、被保険者とならない。
■ただし、臨時に使用される者で2月以内の期間を定めて使用される者が所定の期間を超えて、引き続き使用されるに至った場合⇒そのときから被保険者となる。
【問題】法人の代表者又は業務執行者で法人から労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者の資格を取得する。
(平成14年 問9A)
【解答】○
【解説】(法3条1項・3項2号、昭和24年7月28日保発第74号)
■会社等法人の理事、監事、取締役、代表社員等⇒民法又は商法の規定では、、法人に使用される者とは解されない。
■、健康保険法の適用では、その法人に使用されるものとして被保険者の資格を取得する。
【問題】健康保険法における被保険者には、後期高齢者医療制度の被保険者が含まれている。
(平成21年 問1E)
【解答】×
【解説】(法3条1項7号)
■後期高齢者医療の被保険者⇒健康保険法の適用を除外されているため誤り。
つまり、健康保険の被保険者ではない。
【問題】船員保険の被保険者及び疾病任意継続被保険者は、健康保険の被保険者になることができない。
(平成18年 問1B)
【解答】×
【解説】(法3条1項1号)
■船員保険の被保険者⇒適用除外。つまり、健康保険の被保険者になることができない。
■船員保険の疾病任意継続被保険者⇒適用事業所に使用される者となった場合、健康保険の被保険者資格を取得。(この場合、疾病任意継続被保険者の資格は喪失することになる。)
【問題】健康保険の被保険者が75歳に達したときは、健康保険の被保険者資格を有したまま後期高齢者医療の被保険者となる。
(平成20年 問7A)
【解答】×
【解説】(法3条1項、法36条、高齢者医療確保法50条)
■後期高齢者医療の被保険者等は、健康保険の適用除外。
■健康保険の被保険者又は被扶養者が後期高齢者医療の被保険者等となった場合⇒その日から健康保険の被保険者又は被扶養者でなくなる。
■後期高齢者医療の被保険者⇒
①後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する75五歳以上の者
②後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する65歳以上75五歳未満の者であって、厚生労働省令で定めるところにより、政令で定める程度の障害の状態にある旨の当該後期高齢者医療広域連合の認定を受けた者
【問題】後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する65歳以上75歳未満の健康保険の被保険者又は被扶養者が寝たきり等になり、当該後期高齢者医療広域連合から政令で定める程度の障害の状態にある旨の認定を受け後期高齢者医療の被保険者となった場合、当該障害の状態にある旨の認定を受けた者は健康保険の被保険者又は被扶養者ではなくなる。
(平成20年 問6A)
【解答】○
【解説】(法3条1項、法3条7項、高齢者医療確保法50条2号)
■設問のとおり正しい。
■後期高齢者医療の被保険者等(後期高齢者医療の被保険者及び生活保護法の適用を受けるなどして後期高齢者医療の被保険者の適用を除外されている者)は、健康保険の適用を除外。
■健康保険の被保険者又は被扶養者が後期高齢者医療の被保険者等となった場合は、その日から被保険者又は被扶養者でなくなる。
■後期高齢者医療の被保険者⇒
(1)後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する75五歳以上の者
(2)後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する65歳以上75五歳未満の者で、厚生労働省令で定める程度の障害の状態にある旨の当該後期高齢者医療広域連合の認定を受けたもの
【問題】法律によって組織された共済組合の組合員は、共済組合の組合員資格を有したまま健康保険の被保険者となることはない。
(平成20年 問2C)
【解答】×
【解説】(法3条1項、法200条、昭和23年7月12日保発1号)
■共済組合の組合員⇒健康保険法の被保険者であり、かつ、共済組合の組合員としての資格も取得
■ただし、健康保険からは保険給付は行われず、保険料も徴収されない。
【問題】被保険者資格の得喪は、事業主との使用関係の有無により決められるが、この使用関係の有無を判断する場合には、画一的かつ客観的な処理の要請から、形式的な雇用契約の有無によって判断される。なお、このように使用関係の有無を被保険者資格得喪の要件とするが、その資格得喪の効力発生を保険者の確認を要すこととしており、保険者の確認があるまでは、資格の得喪の要件が備わってもその効力は発生しない。
(平成22年 問10E)
【解答】×
【解説】(法35条、法36条、昭和3年7月3日保発第480号)
■「画一的かつ客観的な処理の要請から、形式的な雇用契約の有無によって判断される」の箇所が誤り。
■被保険者の資格の取得および喪失に関しては、実態で判断される。
【問題】被保険者(任意継続被保険者を除く。)は、①適用事業所に使用されるに至った日、②その使用される事業所が適用事業所となった日、③適用除外に該当しなくなった日のいずれかに該当した日から、被保険者の資格を取得するが、①の場合、試みに使用される者については適用されない。
(平成22年 問10C)
【解答】×
【解説】(法35条)
■試用期間中でも雇い入れの当初より被保険者となるので、誤り。
【問題】被保険者は、①死亡したとき、②事業所に使用されなくなったとき、③適用除外に該当するに至ったとき、④任意適用事業所の任意適用の取消しの認可があったとき、以上のいずれかに該当するに至った日の翌日から、被保険者の資格を喪失する。その事実があった日に更に被保険者に該当するに至ったときも同様である。
(平成22年 問8D)
【解答】×
【解説】(法36条)
■資格喪失事由発生の日にさらに資格取得事由が発生した場合
⇒資格喪失事由発生日に資格を喪失するので誤り。
【問題】特別支給の老齢厚生年金の受給権者である被保険者が、定年による退職後引き続き再雇用された場合、使用関係はいったん中断したものとして被保険者資格を喪失させることができる。
(平成18年 問1E)
【解答】○
【解説】(法36条)
■設問の場合、使用関係が一旦中断したものとみなし、喪失及び資格が生じたものとして扱う。