労働者災害補償保険法
《目次》【労災保と社会保険との調整】【労災保険と民事損害賠償との調整】
【問題】休業補償給付又は休業給付を受ける労働者が同一の事由により厚生年金保険法による障害厚生年金を受けることができる場合には、休業補償給付又は休業給付の額は、所定の率により減額調整されるが、同一の事由により国民年金法による障害基礎年金を受けることができる場合には、休業補償給付又は休業給付の額が減額調整されることはない。
(平成20年 問3C)
【解答】×
【解説】(法別表1)
■国民年金法による障害基礎年金を受けることができる場合も、所定の率を乗ずることにより休業補償給付又は休業給付の額が減額調整される。
■前半の論点は正しい。
【問題】厚生年金又は国民年金が支給される場合でも、労災年金は、給付基礎日額に所定の日数分を乗じて得た全額が支給される。
(平成18年 問4A)
【解答】×
【解説】(法別表第1)
■同一の事由により、労災年金と厚生年金又は国民年金が支給される場合⇒
給付基礎日額に所定の日数分を乗じて得た額に政令で定める率を乗じて減額調整。
■厚生年金又は国民年金に関しては全額支給。
■(注:労災年金とは、「労災保険の年金たる保険給付」の意味)
【問題】労災年金の額は、給付基礎日額に所定の日数分を乗じて得た額から、厚生年金が支給される場合にあっては当該厚生年金の額のうち基礎年金に相当する額の2分の1に相当する額を減じて得た額とされ、国民年金が支給される場合にあっては当該国民年金の額の3分の1に相当する額を減じて得た額とされる。
(平成18年 問4B)
【解答】×
【解説】(法別表第1)
■「2分の1」「3分の1」ではなく、政令で定める率(調整率)を乗じて減額された額。
【問題】労災年金の額は、給付基礎日額に所定の日数分を乗じて得た額に、厚生年金保険法又は国民年金法上の被保険者が厚生年金又は国民年金の費用を負担する割合に応じた率を乗じて得た額(その額が政令で定める額を下回るときは当該政令で定める額)とされる。
(平成18年 問4C)
【解答】×
【解説】(法別表第1)
■「厚生年金又は国民年金の費用を負担する割合に応じた率」ではなく、政令で定める率(調整率)を乗じて減額された額。
【問題】労災年金の額は、給付基礎日額に所定の日数分を乗じて得た額に政令で定める率を乗じて得た額(その額が政令で定める額を下回るときは当該政令で定める額)とされる。
(平成18年 問4D)
【解答】○
【解説】(法別表第1)
■同一の事由により、労災年金と厚生年金又は国民年金が支給される場合⇒労災年金の額は、原則として、給付基礎日額に所定の日数分を乗じて得た額に政令で定める率(調整率)を乗じて減額された額。
■調整率を乗じて得た額と厚生年金又は国民年金の支給額との合計額が減額前の労災年金の額を下回るとき⇒減額前の労災年金の額から厚生年金又は国民年金の支給額を控除した額が支給。
【問題】労災年金の受給権者が同一の事由により支給を受けることができる厚生年金又は国民年金の支給を受けないことが確定した場合には、労災年金の額は、給付基礎日額に所定の日数分を乗じて得た額に厚生労働省令で定める率を乗じて得た額(その額が厚生労働省令で定める額を下回るときは当該厚生労働省令で定める額)とされる。
(平成18年 問4E)
【解答】×
【解説】(法別表第1)
■同一の事由により支給を受けることができる厚生年金又は国民年金の支給を受けないことが確定した場合⇒労災年金は全額支給(減額調整されない)。
【問題】同一の事由により厚生年金保険の障害厚生年金等と併給される場合における休業補償給付又は休業給付の額は、政令所定の率を乗じて減額調整された額(政令所定の額を下回るときは、当該政令所定の額)となる。
(平成14年 問4A)
【解答】○
【解説】(法14条2項)
■休業(補償)給付と厚生年金保険の障害厚生年金等が併給される場合
⇒障害厚生年金等はそのまま支給。休業(補償)給付は、一定の率を乗じることによって減額調整されて支給。
【問題】同一の事由により厚生年金保険法の規定による障害手当金と併給される場合における障害補償一時金又は障害一時金の額は、政令所定の率を乗じて減額調整された額(政令所定の額を下回るときは、当該政令所定の額)となる。
(平成14年 問4D)
【解答】×
【解説】(法別表第1、厚年法56条3号)
■障害(補償)一時金の調整については労災保険法に規定なし。
【問題】同一の事由により厚生年金保険法の規定による遺族厚生年金又は国民年金法の規定による遺族基礎年金若しくは寡婦年金と併給される場合における遺族補償年金又は遺族年金の額は、政令所定の率を乗じて減額調整された額(政令所定の額を下回るときは、当該政令所定の額)となる。
(平成14年 問4E)
【解答】○
【解説】(法別表第1、令2条)
■遺族(補償)年金と遺族厚生年金・遺族基礎年金・寡婦年金(遺族厚生年金等)が併給される場合⇒遺族厚生年金等はそのまま支給。
遺族(補償)年金⇒一定の率を乗じることによって減額調整されて支給。
【問題】同一の事由により厚生年金保険の障害厚生年金等と併給される場合における障害補償年金又は障害年金の額は、政令所定の率を乗じて減額調整された額(政令所定の額を下回るときは、当該政令所定の額)となる。
(平成14年 問4C)
【解答】○
【解説】(法別表第1)
■設問のとおり正しい。
【問題】同一の事由により厚生年金保険の障害厚生年金等と併給される場合における傷病補償年金又は傷病年金の額は、政令所定の率を乗じて減額調整された額(政令所定の額を下回るときは、当該政令所定の額)となる。
(平成14年 問4B)
【解答】○
【解説】(法別表第1)
■設問のとおり正しい。
【問題】特別支給金は、関連する保険給付と併せて支給されるものであるが、他の公的保険の給付が併給されて労災保険の保険給付の額が減額される場合でも、特別支給金の支給額が減額されることはない。
(平成22年 問2C)
【解答】○
【解説】(法別表1)
■設問のとおり正しい。
【問題】保険給付を受けることができる労働者又はその遺族が、同一の事由について事業主から損害賠償を受けていた場合には、政府は、損害賠償の事由、内容、損害てん補の程度等を総合的に勘案して政令で定める基準により、保険給付の全部又は一部の支給を行わないことができる。
(平成20年 問6A)
【解答】×
【解説】(法附則64条2項)
■政府は、労働政策審議会の議を経て厚生労働大臣が定める基準により、その価額の限度で、保険給付をしないことができる。
【問題】企業内の災害補償制度が、労働協約、就業規則等からみて労災保険の保険給付と重なる損害てん補の性質を有するものであることが明らかに認められる場合であっても、政府は、当該保険給付について支給調整を行うことができない。
(平成20年 問6B)
【解答】×
【解説】(法附則64条2項)
■企業内労災補償⇒その制度を定めた労働協約等で労災保険給付相当分を含むことが明確である場合⇒労災保険給付の支給調整を行う。
■示談金、和解金、見舞金等、労災保険給付分を含むことが明確な場合⇒支給調整を行う。
【問題】適用事業の事業主が保険給付の上積みとして独自に行う災害補償については、保険給付と重複するものでない限り、これによって保険給付の調整が行われることはない。
(平成18年 問7E)
【解答】○
【解説】(法附則64条2項)
■保険給付と重複しない企業内労災補償⇒労災保険給付との支給調整なし 。
【問題】企業内の労災補償は、労災保険の保険給付の上積みとして行われるのが通例であるので、労働協約、就業規則その他の諸規程からみて労災保険の保険給付に相当するものであることが明らかでない限り、保険給付の支給調整は行われない。
(平成14年 問5D)
【解答】○
【解説】(法附則64条2項、昭和56年6月12日発基60号)
■企業内労災補償⇒その制度を定めた労働協約、就業規則その他の規程の文面上労災保険給付相当分を含むことが明らかである場合を除き、労災保険給付の支給調整を行わない。
■明らかであれば、調整。
【問題】労働者又はその遺族が事業主から損害賠償を受けることができる場合であって、保険給付(一定のものを除く。)を受けるときに、同一の事由について損害賠償(当該保険給付によっててん補される損害をてん補する部分に限る。)を受けたときは、政府は、厚生労働大臣が定める基準により、その価額の限度で、保険給付をしないことができる。
(平成18年 問7D)
【解答】○
【解説】(法附則64条2項)
■設問のとおり正しい。
【問題】労働者又はその遺族が事業主から損害賠償を受けることができる場合であって、保険給付(一定のものを除く。)を受けるべきときに、同一の事由について損害賠償(当該保険給付によっててん補される損害をてん補する部分に限る。)を受けたときは、政府は、厚生労働大臣が定める基準により、その価額の限度で保険給付をしないことができる。
(平成14年 問5C)
【解答】○
【解説】(法附則64条2項)
■設問のとおり正しい。