労働者災害補償保険法

《目次》【遺族補償年金の受給権の範囲】【生計維持の要件】【事実上の婚姻関係】

【遺族補償年金の受給者の範囲】 (法16条の2)

【問題】遺族補償年金又は遺族年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様な事情にあった者を含む。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹(妻以外の者にあっては、一定の年齢要件又は障害要件に該当する者に限る。)であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものに限られる。
(平成17年 問6A)【解答】○
【解説】(法16条の2第1項、法22条の4第3項)

■遺族(補償)年金を受けることができる遺族⇒

・配偶者
・子
・父母
・孫
・祖父母及び兄弟姉妹

+労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたもの。
ただし、妻(内縁関係も含む)以外の者⇒一定の年齢要件又は障害要件に該当する者に限定。


【問題】遺族補償年金を受けるべき遺族の順位は、配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻と同様の事情にあった者を含む。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順である。
(平成18年 問3C) 

【解答】○
【解説】(法16条の2第3項)
■設問のとおり正しい。


【問題】遺族補償給付を受けることができる遺族は、労働者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。以下この問において同じ。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹(妻以外の者にあっては、一定の要件に該当する者に限る。)であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものに限られる。
(平成13年 問4A)
【解答】×
【解説】(法16条、法16条の2、法16条の7第1項)
■遺族補償給付⇒遺族補償年金と遺族補償一時金の2つ。。
■遺族補償年金を受けることができる遺族の範囲、設問のとおり正しい。
■遺族補償一時金を受けることができる遺族の範囲⇒
①配偶者
②労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた子、父母、孫及び祖父母
③前号2に該当しない子、父母、孫及び祖父母並びに兄弟姉妹
生計維持関係になかった遺族も含まれる。

【生計維持の要件】

【問題】遺族補償給付を受けることができる遺族は、死亡した労働者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。以下、この問において同じ。)であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものでなければならない。
(平成18年 問5A)
【解答】×
【解説】(法16条、法16条の2第1項、法16条の7第1項)
■遺族補償給付とは⇒遺族補償年金と遺族補償一時金
■遺族補償年金を受けることができる遺族⇒労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたもの。
■遺族補償一時金を受けることができる遺族⇒
1.配偶者(事実婚も含む)
2.生計維持関係にあった子
3.生計維持関係にあった父母
4.生計維持関係にあった孫
5.生計維持関係にあった祖父母
6.子
7.父母
8.孫
9.祖父母
10.兄弟姉妹


【問題】遺族補償年金又は遺族年金を受ける者に係る「労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたこと」の認定は、当該労働者との同居の事実の有無、当該労働者以外の扶養義務者の有無その他必要な事項を基礎として厚生労働省労働基準局長の定める基準によって行われる。
(平成17年 問4AD)
【解答】○
【解説】(則14条の4)
■遺族補償給付等に係る生計維持の認定⇒
・労働者との同居の事実の有無
・労働者以外の扶養義務者の有無
・その他必要な事項を基礎として⇒厚生労働省労働基準局長が定める基準によって行う。


【問題】遺族補償年金又は遺族年金を受けることができる遺族の要件としての「労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた」ことが認められるためには、単に労働者と生計を一にしていただけでは足りず、労働者の収入によって消費生活の大部分を営んでいたことが必要である。
(平成17年 問6C)
【解答】×
【解説】(法16条の2)
■労働者の死亡の当時その収入によつて生計を維持していたとは⇒もっぱら又は主として労働者の収入によって生計を維持されていることを要せず、労働者の収入によって生計の一部を維持されていれば足りる。 


【事実上の婚姻関係】

【問題】遺族補償給付を受けることができる配偶者には、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者も含まれるが、これはあくまで婚姻の届出が法律上可能な状態にあった者に限られるのであって、いわゆる重婚的内縁関係にあった者は含まれない。
(平成18年 問5C)
【解答】×
【解説】(法16条の2第1項)
■重婚的内縁関係にあった者に関して、届出による婚姻関係がその実態を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化して近い将来解消される見込みがなかった場合に限り⇒事実上の婚姻関係にある者を配偶者として認定。
重婚的内縁関係であっても、届出の有無にかかわらず、事実上の婚姻関係にある者に遺族(補償)給付が支給。


【問題】遺族補償給付又は遺族給付を受けることができる配偶者には「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」も含まれるが、婚姻の届出をしている配偶者が存在する場合には、届出による婚姻関係がその実体を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化して近い将来解消される見込みがなかった場合に限り、重婚的内縁関係にあった者が配偶者として遺族補償給付又は遺族給付を受けることができる。
(平成17年 問6E)
【解答】○
【解説】(法16条の2第1項、法22条の4第3項)
重婚的内縁関係にあった者⇒届出による婚姻関係がその実態を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化して近い将来解消される見込みがなかった場合に限って、事実上の婚姻関係にある者を配偶者として認められる。


【問題】遺族補償給付を受けることができる配偶者には「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」も含まれるが、これは、あくまで婚姻の届出が法律上可能な状態にあった者に限られるのであって、いわゆる重婚的内縁関係にあった者は含まれない。
(平成13年 問4E)
【解答】×
【解説】(法16条の2第1項)
■前半の論点は正しい。
■後半の論点が誤り。


【問題】婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者は、婚姻の届出をした配偶者がいない場合に限り、配偶者として遺族補償給付又は遺族給付を受けることができる。
(平成15年 問7B)
【解答】×
【解説】(法16条の2第1項、法22条の4第3項)
重婚的内縁関係にあった者⇒届出による婚姻関係がその実態を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化して近い将来解消される見込みがなかった場合に限って、事実上の婚姻関係にある者を配偶者として認められる。


【問題】遺族補償年金又は遺族年金の受給資格要件の一つである厚生労働省令で定める障害の状態は、身体に障害等級第5級以上に該当する障害がある状態又は傷病が治らないで、身体の機能若しくは精神に、労働が高度の制限を受けるか、若しくは労働に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態である。
(平成19年 問6C)
【解答】○
【解説】(則15条、則18条の9)
■厚生労働省令で定める障害の状態⇒
・身体に障害等級の第5級以上に該当する障害がある状態又は負傷若しくは疾病が治らないで、身体の機能若しくは精神に、労働が高度の制限を受けるか
・若しくは労働に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態。


【問題】遺族補償年金又は遺族年金を受けることができる遺族について、労働者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、その子は、将来に向かって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたとみなされ、また、その子が厚生労働省令で定める障害の状態で出生した場合についても、将来に向かって、労働者の死亡の当時厚生労働省令で定める障害の状態にあったものとみなされる。
(平成19年 問6B)
【解答】×
【解説】(法16条の2第2項、法22条の4)
前半の論点は正しい。後半の論点が誤り。
労働者の死亡の当時胎児であった子が出生したとき⇒将来に向かって、その子は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた子とみなす。
その子が厚生労働省令で定める障害の状態で出生した場合⇒将来に向かって、労働者の死亡の当時厚生労働省令で定める障害の状態にあったものとみなされないので誤り。


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