国民年金法

《目次》

【寡婦年金】 (法49条〰52条)

【問題】寡婦年金は、夫の死亡当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが事実上の婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した60歳以上65歳未満の妻に限り受給権が発生する。
(平成20年 問3A)
【解答】×
【解説】(法49条3項)
■寡婦年金の支給要件

⇒夫の死亡時における生計維持関係、10年以上の婚姻関係の継続、妻の年齢が65歳未満であること等
■「60歳以上65歳未満の妻に限り」の箇所が誤り。


【問題】寡婦年金は、死亡した夫が老齢基礎年金の支給を受けたことがあるときには支給されない。
(平成14年 問6A)
【解答】○
【解説】(法49条1項)
 ■障害基礎年金の受給権者であった場合

⇒支給されない。


【問題】寡婦年金は、受給権者が婚姻をしたときは、その支給を停止する。
(平成13年 問4B)
【解答】×
【解説】(法51条、法40条第1項、法附則9条の2第5項)
寡婦年金の受給権の消滅

①受給権者が65歳に達したとき

②死亡したとき

③婚姻をしたとき

④養子となったとき(直系血族又は直系姻族の養子となったときを除く)

⑤繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得したとき


【問題】寡婦年金の受給権は、夫の死亡により遺族厚生年金を受給できるときには、消滅する。
(平成14年 問3C)
【解答】×
【解説】(法51条)
■寡婦年金の受給権者が遺族厚生年金の受給権を有する場合

⇒寡婦年金の受給権は消滅しない。
■寡婦年金と遺族厚生年金は、

⇒併給不可のため、どちらかを選択して受給。


【問題】夫の死亡当時、夫との婚姻関係が10年以上継続しており、夫によって生計を維持されていた妻が、65歳未満であるとき寡婦年金の受給権は発生しない。
(平成15年 問2E)
【解答】×
【解説】(法49条1項)
■設問の場合、寡婦年金の受給権は発生する。

■寡婦年金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である夫が死亡した場合において、夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した65歳未満の妻があるときに、その者に支給。


【問題】死亡した夫が旧国民年金法による障害福祉年金の受給者であった場合、寡婦年金は支給されない。
(平成17年 問3A)
【解答】×
【解説】(法49条1項、法附則29条2項)
■寡婦年金は、死亡した夫が障害基礎年金の受給権者であったとき、又は老齢基礎年金の支給をうけたことがあるときは、支給されない。
■ただし、障害福祉年金の受給権者であったときは、他の要件を満たす限り、寡婦年金は支給される。


【問題】夫の死亡当時、夫によって生計を維持され夫との婚姻関係が継続して10年以上ある妻については、夫の死亡当時、年齢が60歳未満であっても寡婦年金の受給権は発生するが、支給開始は60歳に達した日の属する月の翌月からである。
(平成17年 問3E)
【解答】○
【解説】(法49条1項・3項)
 ■夫の死亡当時、60歳未満の妻

⇒60歳に達した日の属する月の翌月から支給。


【問題】死亡した夫が障害基礎年金の受給権者であったことがあっても、実際に支給を受けたことがなければ寡婦年金は支給される。
(平成18年 問3B)
【解答】×
【解説】(法49条)
■寡婦年金の要件を満たしていても、その夫が障害基礎年金の受給権者であったとき、又は老齢基礎年金の支給を受けていたときは支給されない。
■夫が障害基礎年金の受給権者であった場合

⇒裁定を受けているので、年金の受給の有無にかかわらず寡婦年金は支給されない。


【問題】寡婦年金は、死亡した夫が障害基礎年金の受給権者であったことがあるときには支給されない。
(平成20年 問4D)
【解答】○
【解説】(法49条1項)
寡婦年金は死亡した夫が障害基礎年金の受給権者であったことがあるとき、又は老齢基礎年金の支給を受けていたときは支給されないことになっている。
よって、問題文は正解となる。


【問題】夫の死亡の当時に60歳未満であった妻に支給される寡婦年金は、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から支給が開始され、65歳に達した日の属する月まで支給される。
(平成20年 問2D)
【解答】○
【解説】(法49条3項、法51条)
寡婦年金については、夫の死亡時における生計維持関係、10年以上の婚姻関係の継続、妻の年齢が65歳未満であること等が支給要件とされているが、実際に支給が開始されるのは妻が60歳に達した日の属する月の翌月からであり、65歳に達した日の属する月まで支給されることになっている。
よって、問題文は正解となる。


【問題】被保険者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者であっても、当該受給権が当該死亡日の属する月に消滅した場合、死亡一時金が支給される。
(平成16年 問8C)
【解答】○
【解説】(法52条の2第2項)
死亡した者の死亡日において、その者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときには死亡一時金は支給されないが、死亡日の属する月に遺族基礎年金の受給権が消滅した場合には、死亡一時金は支給されることになる。


【問題】寡婦年金の受給権は、受給権者が繰上げ請求により老齢基礎年金の受給権を取得したときは消滅する。
(平成17年 問8A)
【解答】○
【解説】(法附則9条の2第5項)
寡婦年金の受給権は、繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得した場合(65歳に達したとみなされるため)は消滅することになっている。


【問題】特例による65歳以上の任意加入被保険者が死亡した場合、死亡一時金は支給されるが寡婦年金は支給されない。
(平成17年 問8C)
【解答】○
【解説】(法附則11条9項(平成6年11月9日法律第95号))
特例による任意加入被保険者が死亡した場合は、第1号被保険者とみなして死亡一時金が支給されることになっているが、寡婦年金については支給されない。
なお、特例による任意加入被保険者については、付加保険料の納付及び寡婦年金に関する規定を除き第1号被保険者の独自給付(死亡一時金、脱退一時金)の規定の適用については、第1号被保険者とみなされることになっているので注意すること。


【問題】寡婦年金の額は、死亡日の属する月の前月までの夫の第1号被保険者に係る保険料納付済期間及び保険料免除期間をもとに計算されるが、生活保護法による生活扶助を受けていたため保険料納付を免除されていた月もその計算の基礎に含まれる。
(平成23年 問3B)
【解答】○
【解説】(法50条、法89条)
寡婦年金の年金額については、第1号被保険者としての保険料納付済期間及び保険料免除期間を基礎として、老齢基礎年金相当額を算出し、その額の4分の3に相当する額とされているため、生活保護法による生活扶助を受けていたため保険料納付を免除されていた月(保険料納付の法定免除)は計算の基礎に含まれる。
よって、問題文は正解となる。
なお、保険料免除期間は、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を合算した期間とされているため、学生納付特例期間及び若年者納付猶予期間は寡婦年金の計算の基礎に含めない。(法5条3項)


【問題】寡婦年金の年金額には、付加保険料の納付の有無は影響しない。
(平成13年 問10E)
【解答】○
【解説】(法50条)
寡婦年金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間及び保険料免除期間につき、老齢基礎年金の計算方法よって算定した額の4分の3に相当する額とされている。
なお、付加保険料を納付していても寡婦年金の額に加算されない。(死亡一時金には加算があるので注意)


【問題】寡婦年金の額は、夫が第1号被保険者としての被保険者期間について受け取るべきであった老齢基礎年金の額の4分の3である。
(平成14年 問6E)
【解答】○
【解説】(法50条)
寡婦年金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間及び保険料免除期間につき、老齢基礎年金の額の例によって計算した額の4分の3に相当する額とされている。


【問題】寡婦年金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間及び保険料免除期間につき、老齢基礎年金の計算方法で算出した額の4分の3に相当する額である。
(平成19年 問6E)
【解答】○
【解説】(法50条)
寡婦年金の年金額については、第1号被保険者としての保険料納付済期間及び免除期間を基礎として、老齢基礎年金相当額を算出(よって、追納されない限り学生納付特例等による保険料免除期間は含まれない)し、その額の4分の3に相当する額とされている。
よって、問題文は正解となる。


【問題】寡婦年金の受給権は、受給権者が繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得したとき、又は60歳台前半の老齢厚生年金の受給権を取得したときは、消滅する。
(平成21年 問8B)
【解答】×
【解説】(法51条、法附則9条の2第5項)
■寡婦年金の受給権は、受給権者が繰り上げ支給の老齢厚生年金の受給権を取得したときは消滅。
■受給権者が60歳台前半の老齢厚生年金の受給権を取得したときは、寡婦年金の受給権は消滅せずに選択受給することになる。


【問題】寡婦年金の額は、死亡した夫の老齢基礎年金額の計算の例によって計算した額の4分の3に相当する額であるが、当該夫が付加保険料納付済期間を3年以上有していた場合には、当該額に8,500円を加算した額である。
(平成21年 問8E)
【解答】×
【解説】(法50条)
■寡婦年金については、夫が付加保険料納付済期間を有していても加算なし。
■寡婦年金の年金額⇒第1号被保険者としての保険料納付済期間及び免除期間を基礎にして、老齢基礎年金相当額を算出し、その額の4分の3に相当する額。■死亡一時金⇒付加保険料納付済期間が3年以上である場合に8,500円が加算。


【問題】寡婦年金は、夫の死亡当時夫によって生計を維持され、事実上の婚姻関係が10年以上である65歳未満の妻に支給され、子に対する遺族基礎年金は、養子縁組をしていなくても事実上の親子関係にあれば支給される。
(平成14年 問1B)
【解答】×
【解説】(法37条、法37条の2、法49条1項)
寡婦年金については、夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した65歳未満の妻があるときに、その者に支給することになっているので、問題文の記述は正しい。
しかし、遺族基礎年金の支給対象となる子については、実子又は養子縁組をしている法律上の子である必要があり、養子縁組をしておらず事実上の親子関係にあるだけでは遺族基礎年金は支給されない。
よって、「養子縁組をしていなくても 事実上の親子関係にあれば支給される」とした問題文は誤りである。


【死亡一時金】 (法52条の2〰法56条の6)

【問題】死亡一時金の支給要件となる第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料免除期間は、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間、保険料4分の3免除期間が対象であり、保険料全額免除期間は含まれない。
(平成21年 問10E)
【解答】○
【解説】(法52条の2第1項)
死亡一時金については、保険料を納付した者が、何の年金も受けることなく死亡した場合に、保険料が全くの掛け捨てになることを防止する趣旨から設けられたものであるため、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間、保険料四分の三免除期間についても、それぞれ、保険料の4分の3、半額、4分の1を納付しているという点を評価し、死亡一時金の額についても、その拠出割合に応じて保険料納付済期間のそれぞれ4分の3に相当する月数、2分の1に相当する月数、4分の1に相当する月数として計算することとしたものである。
よって、問題文は正解となる。


【問題】死亡一時金については、当該給付の支給事由となった事故について受給権者が損害賠償を受けた場合であっても、その損害賠償額との調整は行われない。
(平成22年 問4B)
【解答】○
【解説】(法22条、昭和37年10月22日庁保発10号)
■設問のとおり正しい。


【問題】死亡一時金の支給を受けることができる者が、同一人の死亡により寡婦年金を受けとることができるときは、死亡一時金か寡婦年金のどちらか一つをその者の選択により受給できる。
(平成18年 問8E)
【解答】○
【解説】(法56条の6)
死亡一時金の支給を受ける者が、同一人の死亡により寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しないこととされている。
よって、問題文は正解である。


【問題】死亡一時金の支給を受けることができる者が、同一人の死亡により寡婦年金を受けることができるときは、死亡一時金か寡婦年金のどちらか一つをその者の選択により受給できる。
(平成15年 問7C)
【解答】○
【解説】(法52条の6)
死亡一時金の支給を受ける者が、同一人の死亡により寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一方を支給し、選択しなかった方の給付は支給しないことになっている。


【問題】死亡した者が旧国民年金法の母子福祉年金又は準母子福祉年金から裁定替えされた遺族基礎年金の支給を受けていたときは、死亡一時金は支給されない。
(平成17年 問6B)
【解答】○
【解説】(法52条の2第1項、法附則29条3項(昭和60年5月1日法律第34号))
死亡一時金は、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡した場合は支給されないことになっている。
なお、旧国民年金法による老齢年金、通算老齢年金、障害年金(障害福祉年金を除く。)、母子年金(母子福祉年金を除く。)若しくは準母子年金(準母子福祉年金を除く。)又は裁定替えされた遺族基礎年金の支給を受けたことがある者は、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者とみなされることになっており、これらの者についても死亡一時金は支給されない。

 


【問題】特例による65歳以上の任意加入被保険者が死亡した場合に、死亡一時金は支給される。
(平成15年 問7A)
【解答】○
【解説】(法附則11条9項(平成6年11月9日法律第95号))
任意加入被保険者の特例による国民年金の被保険者は、付加保険料の納付及び寡婦年金に関する規定を除き第1号被保険者の独自給付(死亡一時金、脱退一時金)の規定の適用については、第1号被保険者とみなされることになっている。
よって、任意加入被保険者の特例による国民年金の被保険者についても死亡一時金は支給される。


【問題】死亡一時金は、寡婦年金と同様に遺族基礎年金が支給されないときに支給されるが、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡した場合にも、支給される。
(平成19年 問4C)
【解答】×
【解説】(法52条の2第1項)
死亡一時金は、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときには支給されない。
よって、「老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡した場合にも、支給される」とした問題文は誤りとなる。
なお、死亡一時金は、同一人の死亡により遺族基礎年金が支給される場合には原則として支給されず(法52条の2第2項・3項)、同一人の死亡により寡婦年金が支給される場合には受給権者の選択によりどちらか一方が支給されることとされている。(法52条の6)


【問題】死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における付加保険料に係る保険料納付済期間が3年以上である者の遺族に支給される場合、8,500円が加算されるが、脱退一時金の額は、付加保険料を3年以上納付している者に対して支給される場合であっても別途加算されることはない。
(平成20年 問1A)
【解答】○
【解説】(法52条の4第2項、法附則9条の3の2第3項)
付加保険料を3年以上納付していた者の遺族に支給される死亡一時金の額には8,500円が加算されることになっているが、付加保険料を3年以上納付していた者が脱退一時金の支給を受ける場合には加算はない。
よって、問題文は正解となる。


【問題】死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算して3年以上ある者が死亡したとき、その遺族に支給する。
(平成14年 問4B)
【解答】×
【解説】(法52条の2第1項)
死亡一時金は、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間にかかる保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が36月(3年)以上である者が死亡した場合に、その者の遺族に支給される。
よって、「保険料免除期間を合算して」(保険料免除期間には保険料全額免除も含まれるが、死亡一時金の支給要件となる月数には全額免除期間を含まないため)とした問題文は誤りである。


【問題】第1号被保険者の死亡により、その死亡日に遺族基礎年金を受けることができる遺族は、遺族基礎年金又は死亡一時金を選択して受給できる。

(平成15年 問8E)
【解答】×
【解説】(法52条の2第2項)
第1号被保険者の死亡日において、その者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、死亡一時金は支給されない。(当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。)
また、第1号被保険者の死亡日において胎児である子がある場合であって、その胎児が生まれたことにより、妻が遺族基礎年金の受給権を取得したときも死亡一時金は支給されない。(当該胎児であった子が生まれた日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。)
よって、「遺族基礎年金又は死亡一時金を選択して受給できる」とした問題文は誤りである。


【問題】死亡一時金の支給要件としての加入期間は、第1号被保険者としての保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3年以上あることとされている。
(平成13年 問10C)
【解答】×
【解説】(法52条の2第1項)
死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数と保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数とを合算した月数が36月以上である者が死亡した場合において、その者に遺族があるときに、その遺族に支給されることになっている。(老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときは除く。)
なお、保険料全額免除期間については、死亡一時金の支給要件としての加入期間には含まれない。
よって、「保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3年以上」とした問題文は誤りである。


【問題】死亡一時金の額は、改定率を用いた自動改定の対象とされる。(一部改正)
(平成13年 問10D)
【解答】×
【解説】(法52条の4)
死亡一時金については、改定率を用いた自動改定の対象になっていない。
よって問題文は誤りとなる。

(参考)
死亡一時金の支給額
保険料納付済期間及び半額免除期間の2分の1の月数 支給額
36月以上180月未満 120,000円
180月以上240月未満 145,000円
240月以上300月未満 170,000円
300月以上360月未満 220,000円
360月以上420月未満 270,000円
420月以上 320,000円
※付加保険料納付済期間が3年以上である者の遺族に支給する死亡一時金の額は、8,500円を加算した額とする。


【問題】死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、祖父母または兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものである。
(平成22年 問10A)
【解答】×
【解説】(法52条の3第1項)
■「孫」が抜けているのでの誤り。


【問題】死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数が20月、及び保険料半額免除期間の月数が30月ある者が死亡した場合において、その者の遺族に死亡一時金が支給される。
(平成20年 問2B)
【解答】×
【解説】(法52条の2第1項)
死亡一時金は第1号被保険者としての保険料納付済期間が36月以上ある者について、その者の死亡に基づき支給されることになっている。
保険料の免除を受けた月数については、保険料4分の3免除期間の月数についてはその4分の1の期間が、保険料半額免除期間の月数についてはその2分の1の期間が、保険料4分の1免除期間の月数についてはその4分の3の期間が保険料納付済期間の月数として算入されることになっている。
よって、問題文の事例の場合、保険料納付済期間の月数20月と保険料半額免除期間の月数30月の2分の1である15月を合算した35月が保険料納付済期間となるが、死亡一時金の支給要件である36月に満たないため、支給を受けることはできず、問題文は誤りとなる。


【問題】死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数に応じて、12万円から28万円の額である。(一部改正)

(平成16年 問8E)
【解答】×
【解説】(法52条の4)
死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数に応じて12万円から32万円の額である。
よって、「12万円から28万円の額」とした問題文は誤りである。

(参考)
死亡一時金の支給額
保険料納付済期間及び半額免除期間の2分の1の月数 支給額
36月以上180月未満 120,000円
180月以上240月未満 145,000円
240月以上300月未満 170,000円
300月以上360月未満 220,000円
360月以上420月未満 270,000円
420月以上 320,000円
※付加保険料納付済期間が3年以上である者の遺族に支給する死亡一時金の額は、8,500円を加算した額とする。


【問題】死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における付加保険料に係る保険料納付済期間が3年以上である者の遺族に支給される場合、8,500円が加算されるが、脱退一時金の額は、付加保険料を3年以上納付している者に対して支給される場合であっても別途加算されることはない。
(平成20年 問1A)
【解答】○
【解説】(法52条の4第2項、法附則9条の3の2第3項)
付加保険料を3年以上納付していた者の遺族に支給される死亡一時金の額には8,500円が加算されることになっているが、付加保険料を3年以上納付していた者が脱退一時金の支給を受ける場合には加算はない。
よって、問題文は正解となる。