国民年金法

【強制加入被保険者】 (法7条)

第1号被保険者

【問題】国民年金の被保険者のうち、国内居住要件が問われるのは第1号被保険者及び第3号被保険者である。
(平成21年 問5A)
【解答】×
【解説】(法7条1項)
■国内居住要件が問われるのは⇒第1号被保険者だけ。
■第2号被保険者及び第3号被保険者については国内居住要件は問われない。


【問題】日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者で、第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しない外国人は、被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができない場合、原則として第1号被保険者となる。
(平成22年 問5B)
【解答】○
【解説】(法7条1項)

■第1号被保険者の資格要件に国籍要件はないため正しい。


【問題】平成23年地方共済改正法に規定する存続共済会が支給する旧退職年金及び特例退職年金を受けることができる者(年齢を理由として全額支給停止されるものを除く。)であっても、60歳未満であれば第1号被保険者として強制適用を受ける。
(平成21年 問5C 改題)
【解答】×
【解説】(法7条1項、令3条11号)
■第1号被保険者となる要件を満たしている場合であっても、被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができるものはその適用が除外。
■設問の場合、被用者年金各法に基づく老齢給付等に該当するため、適用除外。


【問題】第2号被保険者であった夫が死亡したため遺族基礎年金の受給権者となった妻は、当該遺族基礎年金の受給権が消滅するまでの間は、第1号被保険者とはならない。
(平成21年 問8C)
【解答】×
【解説】(法7条1項)
■遺族基礎年金の受給権者となった妻でも、資格要件を満たしている場合は、国民年金第1号被保険者となる。


【問題】20歳以上60歳未満の外国人でも日本国内に住所を有する者は、第2号被保険者及び第3号被保険者の要件に該当せず、かつ、被用者年金各法に基づく老齢給付等の受給権がない場合、第1号被保険者となる。
(平成14年 問2D)
【解答】○
【解説】(法7条1項1号)
■日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者(国籍要件は問われない)で、第2号被保険者及び第3号被保険者に該当しないもの(被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者を除く。)⇒第1号被保険者。


【問題】日本国内に住所を有している者の国民年金の被保険者資格については、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者とも国籍要件を問わない。
(平成14年 問4D)
【解答】○
【解説】(法7条1項)
■国民年金の被保険者資格について国籍要件は不要。
■ただし、任意加入被保険者のうち、日本国内に住所を有しない者については、日本国籍を有することが条件。(法附則5条1項3号)


【問題】第1号被保険者、第2号被保険者及び第3号被保険者ともに国籍要件を問わない。
(平成15年 問1B)
【解答】○
【解説】(法7条1項)
■強制加入者はいずれも国籍要件なし。


【問題】日本国内に住所を有している者の国民年金の被保険者資格については、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者とも国籍要件を問わない。
(平成14年 問4D)
【解答】○
【解説】(法7条1項)
■国民年金の被保険者資格について国籍要件は不要。
■ただし、任意加入被保険者のうち、日本国内に住所を有しない者については、日本国籍を有することが条件。(法附則5条1項3号)


第2号被保険者

【問題】被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者は、すべて国民年金の第2号被保険者となる。
(平成17年 問8D)
【解答】×
【解説】(法7条1項2号、法附則3条)
■第2号被保険者には原則年齢要件はないが、65歳以上の者については、老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付の受給権を有しない者に限って被保険者になる
■「すべて国民年金の第2号被保険者となる」の箇所が誤り。


【問題】日本国内に住所を有する者が被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者となったときは、20歳未満の者でも被保険者である。
(平成13年 問2C)
【解答】○
【解説】(法7条1項2号)
■被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者(65歳以上の者は老齢又は退職を支給事由とする年金給付等の受給権を有しない者に限る)⇒第2号被保険者


【問題】第2号被保険者及び第3号被保険者は、住所が外国であっても被保険者となる。
(平成15年 問1C)
【解答】○
【解説】(法7条1項2号・3号)
■第1号被保険者⇒日本国内に住所を有することが要件。
■第2号被保険者及び第3号被保険者⇒国内居住要件は問わない。


【問題】被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者は、60歳に達した日に、国民年金の被保険者資格を喪失する。
(平成14年 問2C)
【解答】×
【解説】(法7条1項2号、法附則3条)
■被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者(第2号被保険者)については、原則として年齢要件は問われないため60歳に達したとしても国民年金の被保険者資格を喪失しない。
■被用者年金各法の被保険者等であっても65歳に達した場合⇒引き続き第2号被保険者に該当する場合(老齢給付等の受給権がない者等)を除き、その日に資格を喪失する。


【問題】被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者の資格を取得した20歳未満の者又は60歳以上65歳未満の者も、国民年金の第2号被保険者となる。
(平成14年 問7A)
【解答】○
【解説】(法7条1項2号、法附則3条)

■設問のとおり正しい。
■被用者年金各法の被保険者等が、資格を取得した場合は第2号被保険者。
■第2号被保険者については原則として年齢要件はない。

■ただし、65歳以上の被保険者、組合員又は加入員については、老齢給付等の受給権を有しない者に限り、第2号被保険者となる。 


【第3号被保険者】

【問題】第3号被保険者の規定の適用上、主として第2号被保険者の収入により生計を維持することの認定については、健康保険法等における被扶養者の認定の取扱いを勘案することはない。
(平成19年 問10A)
【解答】×
【解説】(法7条2項、令4条)
■第3号被保険者の要件のうち主として第2号被保険者の収入により生計を維持することの認定⇒健康保険法等における被扶養者の認定の取扱いを勘案して日本年金機構が行う。


【問題】第2号被保険者の被扶養配偶者と認められる場合であっても、20歳以上の大学生は、第3号被保険者ではなく第1号被保険者としての適用を受け、学生の保険料納付特例の対象になる。
(平成24年 問5E)
【解答】×
【解説】(法7条1項)
■設問の大学生は「第3号被保険者」になるため誤り。つまり、学生納付特例の対象とはならない。


【問題】第3号被保険者であることの認定において、第2号被保険者の配偶者(20歳以上60歳未満)であって、主として第2号被保険者の収入により生計を維持することの認定は、厚生労働大臣の定めるところにより、市町村長が行う。
(平成19年 問8D)
【解答】×
【解説】(法7条1項・2項、令4条)

■「市町村長」⇒「日本年金機構」にすれば正しい。


【問題】主として第2号被保険者の収入により生計を維持することの認定は、健康保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法及び私立学校教職員共済法における被扶養者の認定の取扱いを勘案して日本年金機構が行う。
(平成21年 問4E)
【解答】○
【解説】(法7条2項、令4条)

■設問のとおり正しい。


【問題】第2号被保険者の被扶養配偶者となりうる者であっても20歳以上の大学生である者は、第3号被保険者ではなく、第1号被保険者として適用を受け、保険料の学生納付特例の対象になる。
(平成15年 問1A)
【解答】×
【解説】(法7条1項1号・3号、法90条の3)
■第3号被保険者⇒第2号被保険者の被扶養配偶者のうち20歳以上60歳未満の者。被扶養配偶者が学生であっても対象となる。
■保険料の学生納付特例の対象⇒第1号被保険者のみ。


【問題】被用者年金各法に基づく老齢給付を受けることができる60歳未満の者でも、第2号被保険者の被扶養配偶者であれば、第3号被保険者となる。
(平成14年 問2B)
【解答】○
【解説】(法7条1項3号)
■第2号被保険者の被扶養配偶者で、主として第2号被保険者の収入により生計を維持する20歳以上60歳未満の者⇒第3号被保険者となる。
■被扶養配偶者が被用者年金各法の老齢給付を受けることができる場合であっても他の要件に該当すれば第3号被保険者となる。


【問題】60歳未満で被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者は、被扶養配偶者であっても、第3号被保険者とならない。
(平成17年 問1E)
【解答】×
【解説】(法7条1項3号、法9条4号)
■設問の場合は、第3号被保険者になる。
■60歳未満の被扶養配偶者(第3号被保険者)の要件⇒被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者であるか否かは問わない。
■第1号被保険者については、被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる場合は被保険者とならない。


【問題】第2号被保険者の被扶養配偶者で、20歳以上60歳未満の者は、外国に居住していても第3号被保険者である。
(平成13年 問2D)
【解答】○
【解説】(法7条1項3号)
第2号被保険者の被扶養配偶者(第2号被保険者である者は除く)のうち20歳以上60歳未満の者第3号被保険者
■第3号被保険者には国内居住要件はないので、海外に居住していても被保険者。


【問題】第3号被保険者の資格取得の届出をしなかった期間があるとき、届出をした日の属する月の前々月までの2年間を除いて、原則として保険料納付済期間に算入しない。

(平成14年 問9C 改題)
【解答】○
【解説】(法附則7条の3)

■設問のとおり正しい。
■ 第3号被保険者となったことに関する届出又は種別変更の届出が行われた日の属する月前の当該届出による第3号被保険者としての被保険者期間(当該届出が行われた日の属する月の前々月までの2年間のうちにあるものを除く)⇒原則として保険料納付済期間に算入されない。
 ただし、第3号被保険者又は第3号被保険者であった者⇒その者の第3号被保険者としての被保険者期間のうち、保険料納付済期間に算入されない期間(厚生年金保険料の徴収権が時効消滅した配偶者の第3号被保険者としての被保険者期間は除く)について、第3号被保険者の届出を遅滞したことについてやむを得ない事由があると認められるときは、社会保険庁長官にその旨の届出をすることができ、この届出が行われたときは、その日以後、当該届出に係る期間(届出が遅滞して保険料納付済期間とされなかった期間)は保険料納付済期間に算入されることになる。(老齢基礎年金の受給権者の場合は、届出日の属する月の翌月から年金額が改定される)

■第3号被保険者の届出の特例(法附則21条 平成16年6月11日法律第104号)
平成17年4月1日前の第3号被保険者に係る届出をしなかったことにより保険料納付済期間とされなかった期間(厚生年金保険料の徴収権が時効消滅した配偶者の第3号被保険者としての被保険者期間は除く)⇒「理由を問わず」届出を行うことができる。


【問題】平成17年4月1日前の第3号被保険者の未届期間について、届出をすることにより、当該届出が行われた日以後当該届出に係る期間を保険料納付済期間に算入することができる。
(平成17年 問9A)
【解答】○
【解説】(法附則7条の3、法附則21条(平成16年6月11日法律第104号))
■設問のとおり正しい。


第3号被保険者 認定対象者

【問題】認定対象者が第2号被保険者と同一世帯に属している場合は、原則として、年間収入が130万円未満(おおむね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者を除く。)であって、かつ、第2号被保険者の年間収入の2分の1未満であること。
(平成23年 問6A)
【解答】○
【解説】(法7条1項3号、昭和61年3月31日庁保発13号、昭和61年4月1日庁保険発18号)
■認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合…180万円未満)であって、かつ、第2号被保険者の年間収入の2分の1未満である場合⇒原則として被扶養配偶者に該当。


【問題】認定対象者が第2号被保険者と同一世帯に属していない場合は、原則として、年間収入が130万円未満(おおむね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者を除く。)であって、かつ、第2号被保険者からの援助による収入額より少ないこと。
(平成23年 問6B 第3号被保険者の認定基準及びその運用の問題)
【解答】○
【解説】(法7条1項3号、昭和61年3月31日庁保発13号、昭和61年4月1日庁保険発18号)
■認定対象者が第2号被保険者と同一世帯に属していない場合⇒認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が障害厚生年金の受給要件に該当する障害者である場合…180万円未満)であって、かつ、第2号被保険者からの援助による収入額より少ない場合は、原則として被扶養配偶者に該当。


【問題】認定対象者がおおむね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては、年間収入の基準は180万円未満であること。
(平成23年 問6C)
【解答】○
【解説】 (法7条1項3号、昭和61年3月31日庁保発13号、昭和61年4月1日庁保険発18号)
■設問のとおり正しい。


【問題】認定対象者の年間収入とは、年金、恩給、給与所得、資産所得など、継続して入る(又はその予定の)恒常的な収入であり、傷病手当金や失業給付金などの短期保険の給付は除かれること。
(平成23年 問6D)
【解答】×
【解説】(法7条1項3号、昭和61年4月1日庁保険発18号)
■「傷病手当金や失業給付金などの短期保険の給付は除かれる」の箇所が誤り。
■認定対象者の年間収入⇒被扶養配偶者に該当する時点での恒常的な収入の状況により算定。
■恒常的な収入⇒恩給、年金、給与所得、傷病手当金、失業給付金、資産所得等の収入で、継続して入るものがすべて含まれる。
よって、「傷病手当金や失業給付金などの短期保険の給付は除かれる」とした問題は誤り


【問題】認定対象者の収入の算定に当たっては、年金、恩給、給与所得は、控除前の総額とすること。
(平成23年 問6E)
【解答】○
【解説】(法7条1項3号、昭和61年4月1日庁保険発18号)
■設問のとおり正しい。
■ただし、恒常的な収入のうち資産所得、事業所得などで所得を得るために経費を要するもの⇒必要と認められる経費に限りその実額を総額から控除し、当該控除後の額をもって収入とする。


【資格の取得、喪失時期】 (法8条、9条)

【問題】第1号被保険者が日本国内に住所を有しなくなった場合、その者が日本国内に住所を有しなくなった日の属する月以降の保険料を前納しているときは、日本国内に住所を有しなくなった日に任意加入被保険者となる申出をしたものとみなされる。
(平成17年 問1A)
【解答】×
【解説】(法9条2号、令9条)
■設問のような規定はないため誤り。
■第1号被保険者が日本国内に住所を有しなくなったとき⇒該当日の翌日に資格喪失。
■設問のように保険料を前納している場合⇒その者の請求によって前納保険料のうち未経過期間に係るものは還付される


【問題】日本国内に住所を有しない20歳以上60歳未満の在外邦人で任意加入していない者が第2号被保険者の被扶養配偶者になったときは、その日に第3号被保険者の資格を取得する。
(平成22年 問7B)
【解答】○
【解説】(法7条1項、法8条)
■日本国内に住所を有しない20歳以上60歳未満の在外邦人で任意加入していない者が第2号被保険者の被扶養配偶者になったとき⇒その日に第3号被保険者の資格を取得することになる。


【問題】すべての強制被保険者は、60歳に達したときは、その日に被保険者の資格を喪失する。
(平成20年 問6B)
【解答】×
【解説】(法7条1項2号、法9条3号)
■被用者年金の被保険者等(国民年金第2号被保険者)については、60歳に達した場合でも資格の喪失は生じないため誤り。


【問題】日本国内に住所を有しなくなった日(同日において、第2号被保険者又は第3号被保険者に該当するときを除く。)の翌日
(平成19年 問9A)(強制加入被保険者の資格喪失の時期に関しての設問)
【解答】○
【解説】(法9条2号)
■第1号被保険者は、日本国内に住所を有しなくなった日の翌日に資格喪失。(日本国内に住所を有しなくなった日にさらに被保険者資格を取得したときはその日に資格喪失する。)


【問題】60歳に達した日(同日において、第2号被保険者に該当するときを除く。)の翌日
(平成19年 問9B)(強制加入被保険者の資格喪失の時期に関しての設問)
【解答】×
【解説】(法9条3号)
■「その日」資格喪失。


【問題】被扶養配偶者でなくなった日(同日において、第1号被保険者、第2号被保険者又は第3号被保険者に該当するときを除く。)
(平成19年 問9E)(強制加入被保険者の資格喪失の時期に関しての設問)
【解答】×
【解説】(法9条6号)
■第3号被保険者が第2号被保険者の被扶養配偶者でなくなったとき⇒その日の翌日に資格喪失。


【問題】被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者となった日(同日において、第2号被保険者又は第3号被保険者に該当するときを除く。)の翌日
(平成19年 問9C)(強制加入被保険者の資格喪失の時期に関しての設問)
【解答】×
【解説】(法9条4号)
■その日に資格喪失。


【問題】被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者の資格を喪失した日(同日において、第1号被保険者、第2号被保険者又は第3号被保険者に該当するときを除く。)の翌日
(平成19年 問9D)(強制加入被保険者の資格喪失の時期に関しての設問)
【解答】×
【解説】(法9条5号)
■その日に資格喪失。


【問題】第1号被保険者が60歳に達したときは、その日に被保険者資格を喪失し、被保険者が死亡したときは、その翌日に被保険者資格を喪失する。
(平成14年 問6D)
【解答】○
【解説】(法9条1号・3号)
■設問のとおり正しい。