労働基準法

《目次》【休憩】【休日】

【休憩】 (法34条)

【問題】労働基準法第36条に定めるいわゆる36協定を締結し、行政官庁に届け出た場合においても、使用者は、1日の労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

(平成23年 問4C)

【解答】○

【解説】(法34条1項、法36条)
■設問のとおり正しい。


【問題】使用者は、1日の労働時間が8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならず、1日の労働時間が16時間を超える場合には少なくとも2時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

(平成24年 問5A)

【解答】×

【解説】(法34条1項)

■設問のように1日の労働時間が16時間を超えても少なくとも1時間の休憩時間を与えればよい。


【問題】使用者は、所定労働時間が5時間である労働者に1時間の所定時間外労働を行わせたときは、少なくとも45分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

(平成21年 問6B)

【解答】×

【解説】(法34条1項)
■使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない
■設問では、所定労働時間と所定外労働時間を合わせて6時間となるため休憩時間は不要。


【問題】使用者は、労働者が事業場内において自由に休息し得る場合であっても、休憩時間中に外出することについて所属長の許可を受けさせてはならない。

(平成21年 問6A)

【解答】×

【解説】(法34条、昭和22年9月13日発基17号)
■休憩自由利用につき事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を害なわない限り違法ではない。
■併せて、外出につき許可を受けさせるのも事業場内で自由に休息しうれば必ずしも違法ではない。


【問題】労働基準法第34条に定める休憩時間の利用について、事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限り差し支えない。

(平成24年 問5B)

【解答】○

【解説】(法34条)

■設問のとおり正しい。


【問題】当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、使用者は、その定めに基づき、労働基準法第34条第1項に定める休憩時間を一斉に与えなくてもよい。

(平成23年 問4A)
【解答】○
【解説】(法34条2項)

■(原則)休憩時間は、一斉に付与。
(例外)当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるとき⇒一斉に与えなくてもよい。


【問題】一斉休憩の原則が適用される事業場において、労働基準法第32条の3に規定するいわゆるフレックスタイム制を採用した場合には、使用者は、その対象とされる労働者については、就業規則において、各日の休憩時間の長さを定め、それをとる時間帯は労働者にゆだねる旨記載しておけば、特段の手続をしなくとも、休憩時間を一斉に与えなくても差し支えない。

(平成15年 問5D)

【解答】×
【解説】(法34条2項、昭和63年3月14日基発150号)
■一斉休憩の原則が適用される事業場に関しては、コアタイム中に休憩時間を設け、一斉付与する取扱いにしなければならない。 


【問題】建設の事業の事業場においては、所轄労働基準監督署長の許可を受けなければ、労働者に一斉に休憩を与えなければならない。

(平成21年 問6C)

【解答】×

【解説】(法34条2項、法40条、則31条)

■所轄労働基準監督署長の許可でなく、労使協定を締結すれば、一斉付与でなく交替での付与可能。


【問題】使用者は、労働基準法第34条第3項に基づき、休憩時間を自由に利用させなければならないこととされており、使用者がその労働者に対し休憩時間内に職場内で政治活動を行うことを禁止することは許されないとするのが最高裁判所の判例である。

(平成20年 問4C)

【解答】×

【解説】(電電公社目黒電報電話局事件 昭和52年12月13日最高裁判決)
■休憩時間は、原則としてその時間を労働者の自由に利用させなければならない。
■ただし、「休憩時間の利用について事業場の機密保持上必要な制約を設けることは問題ない。」としたのが、判例の趣旨。
■企業施設内における演説、集会、貼紙、掲示、ビラ配布等を休憩時間中であっても使用者の許可制にするのは違法ではない。


【問題】労働基準法では、休憩時間や労働時間について、例えば、航空機による旅客運送の事業における航空機の操縦士で長距離にわたり継続して乗務する者については休憩時間を与えないことができることとされ、また、坑内労働については労働者が坑口に入った時刻から坑口を出た時刻までの時間を休憩時間を含めて労働時間とみなしている。

(平成14年 問4D)

【解答】○

【解説】(法38条2項、法40条、則32条)
■休憩時間を与えなくてもよいケース。
①「運送又は郵便事業に使用されている労働者で長距離にわたり継続して乗務するもの(航空機の操縦士など)」
②「屋内勤務者30人未満の郵便局において郵便、電信又は電話の業務に従事するもの」
(ただし、列車内販売員、食堂車従業員、医師、看護師等は含まれません⇒休憩時間は必要です。)
■坑内労働⇒労働者が坑口に入った時刻から坑口を出た時刻までの時間を、休憩時間を含め労働時間とみなします。


【休日】 (法35条)

【問題】使用者が、労働者に対して、4週間を通じ4日以上の休日を与え、その4週間の起算日を就業規則その他これに準じるものにおいて明らかにしているときには、当該労働者に、毎週少なくとも1回の休日を与えなくても、労働基準法第35条違反とはならない。

(平成23年 問4B)

【解答】○
【解説】(法35条2項、則12条の2第2項)
■(原則)使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与える必要がある。
■(例外)4週間を通じ4日以上の休日を与えることも可能。(変形休日制)
■この場合には、就業規則その他これに準ずるものにおいて、4日以上の休日を与えることとする4週間の起算日を明らかにすることも併せて必要。


【問題】4週間を通じ4日の休日を与える変形休日制を採用している事業場においては、年間のどの4週間を区切っても、その中に4日の休日がなければならない。

(平成13年 問7A)
【解答】×

【解説】(法35条2項、昭和23年9月20日基発1384号)

■4週間を通じて4日以上の休日を付与する変形週休制⇒特定の4週間に4日以上の休日で適法。
■どの4週間を区切っても4日以上の休日があることを必要としていない。
 


【問題】出張中の休日は、その日に旅行する等の場合であっても、旅行中における物品の監視等別段の指示がある場合のほかは、その日が労働基準法第35条の休日に該当するときであっても、休日労働として取り扱わなくても差し支えないこととされている。

(平成18年 問3D)

【解答】○

【解説】(法35条、昭和23年3月17日基発461号、昭和33年2月13日基発90号)
■出張中の休日⇒休日労働として取扱わなくても法違反にはならない。


問題】労働基準法第35条に定める休日は、原則として歴日を意味するものと解されており、例えば、午前8時から翌日の午前8時までの労働と、同じく午前8時から翌日の午前8時までの非番とを繰り返す一昼夜交代勤務の場合に、非番の継続24時間の間労働義務がないとしても、同条の休日を与えたものとは認められない。

(平成24年 問5C)

【解答】○

【解説】(法35条)

■設問の一昼夜交代勤務の場合、非番の24時間は休日とは認められない。

■休日⇒

(原則)歴日(午前0時から午後12時までの24時間)を単位に付与が必要。

(例外)8時間3交替制勤務の場合⇒継続24時間の休息を休日とする


【問題】①番方編成による交替制によることが就業規則等により定められており、制度として運用されていること、及び②各番方の交替が規則的に定められているものであって、勤務割表等によりその都度設定されるものではないことの要件を満たす8時間3交替制勤務の事業場において、使用者が暦日ではない、継続24時間の休息を与えても、労働基準法第35条の休日を与えたことにはならない。

(平成21年 問6D)

【解答】×
【解説】(法35条、昭和26年10月7日基収3962号)
■8時間3交替連続作業のような場合で、交替制が就業規則等において規則的に定められている場合⇒継続24時間が確保されている限り、早出、残業等の所定時間外労働は休日労働とはならず、割増賃金も不要。


【問題】労働基準法上使用者が労働者に与えるべき休日は、午前零時から午後12時までの暦日でなければならず、どのような場合であっても、2暦日にまたがる連続24時間を休日とすることは認められていない。

(平成13年 問7B)

【解答】×

【解説】(法35条1項、昭和23年4月5日基発535号、昭和63年3月14日基発150号)
■原則、法定休日は午前0時から午後12時までの暦日の休業をいう。
■8時間3交替制勤務の場合などは、2暦日にまたがる連続24時間の休業でも構わない。


【問題】就業規則に休日の振替を必要とする場合には休日を振り替えることができる旨の規定を設けている事業場においては、当該規定に基づき休日を振り替える前にあらかじめ振り替えるべき日を特定することによって、4週4日の休日が確保される範囲内において、所定の休日と所定の労働日とを振り替えることができる。

(平成21年 問6E)

【解答】○

【解説】(法35条)
■設問のとおり正しい。
■特定された休日を振り替えるためには、
・就業規則において振り替えることができる旨の規定を設ける。
・休日を振り替える前にあらかじめ振り替えるべき日を特定しておく。
・就業規則に休日の振替を規定する場合には、その具体的事由と振り替えるべき日を規定することが望ましく、振り替えるべき日については、振り替えられた日以降できる限り近接している日が望ましい。


【問題】週休1日制の事業場において、就業規則に休日を振り替えることができる旨の規定を設け、その規定に基づいて、あらかじめ、当初予定されていた休日の8日後の所定労働日を振り替えるべき休日として特定して休日の振替えを行ったときは、当初予定されていた休日は労働日となり、その日に労働させても、休日に労働させることにはならない。この場合、4週4日の休日は確保されているものとする。

(平成13年 問7C)

【解答】○

【解説】(法35条、昭和22年11月27日基発401号、昭和23年4月19日基収1397号)
■あらかじめ休日を振り替えた場合⇒当初予定されていた休日は労働日となり休日労働ではない。
■ただし、休日を振り替えたことにより、週の労働時間が法定労働時間を超えた場合⇒その超過時間分は時間外労働となり、36協定の締結と届出及び割増賃金が必要。


                        ≫[労働基準法 過去問メニューへ]