労働基準法

《目次》【労働時間の定義】

【労働時間の定義】 (法32条)

【問題】労働安全衛生法に定めるいわゆる特殊健康診断が法定労働時間外に行われた場合には、使用者は、当該健康診断の受診に要した時間について、労働基準法第37条第1項の規定による割増賃金を支払わなければならない。

(平成21年 問5A)
【解答】○

【解説】(法32条、法37条1項、昭和47年9月18日基発602号)
特殊健康診断の実施に要する時間⇒労働時間
■当然割増賃金が発生。


【問題】労働安全衛生法に定める安全委員会の会議が法定労働時間外に行われた場合には、使用者は、当該会議への参加に要した時間について、労働基準法第37条第1項の規定による割増賃金を支払わなければならない。

(平成21年 問5C)

【解答】○

【解説】(法32条、法37条1項、昭和47年9月18日基発602号)
安全・衛生委員会の会議の開催に要する時間⇒労働時間
■会議が法定時間外に行なわれた場合⇒割増賃金が発生。


【問題】1日6時間、週6日労働させることは、労働時間の原則を定めた労働基準法第32条の規定に反するものとなる。

(平成20年 問4B)

【解答】×
【解説】(法32条)
■労働基準法の法定労働時間⇒休憩時間を除いて1週間に40時間、1日8時間を超えて労働させてはならない。
■設問だと1週36時間、1日6時間で法定労働時間の範囲内となり、労基法違反ではない。


【問題】 労働基準法においては、労働時間、休日、深夜業等について規定を設けていることから、使用者は労働時間を適正に把握するなど労働時間を適切に管理する責務を有していることは明らかであり、使用者が行う始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法としては、使用者が自ら現認することにより確認し記録すること又はタイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し記録することが求められている。

平成25年 問3D)
【解答】正しい
【解説】(法32条)
■始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法
・使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。
・タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。


【問題】労働基準法においては、労働時間、休日、深夜業等について規定を設けていることから、使用者は、労働時間を適正に把握するなど労働時間を適切に管理する責務を有していることは明らかである。

(平成17年 問7D)

【解答】○
【解説】(法32条、平成13年4月6日基発339号)
■設問のとおり正しい。
使用者には、労働時間を適切の管理する責務がある。


【問題】訪問介護事業に使用される者であって、月、週又は日の所定労働時間が、一定期間ごとに作成される勤務表により非定型的に特定される短時間労働者が、事業場、集合場所、利用者宅の相互間を移動する時間については、使用者が、訪問介護の業務に従事するため必要な移動を命じ、当該時間の自由利用が労働者に保障されていないと認められる場合には、労働時間に該当する。

(平成19年 問5A)
【解答】○

【解説】(法32条、訪問介護労働者の法定労働条件の確保について(平成16年)
■訪問介護労働者の移動時間の問題。
・移動時間⇒事業場、集合場所、利用者宅の相互間を移動する時間

・使用者が、業務に従事するために必要な移動を命じ、自由利用が労働者に保障されていないと認められる場合⇒労働時間に該当。


【問題】使用者は、労働基準法別表第1第4号に掲げる事業において列車、気動車、電車又は航空機に乗務する労働者で予備の勤務に就くものについては、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない限りにおいて、同法第32条の2第1項の規定にかかわらず、1週間について40時間、1日について8時間を超えて労働させることができる。

(平成18年 問4C)

【解答】×

【解説】(則26条)
■列車、気動車又は電車に乗務する労働者で予備の勤務に就く者
⇒1箇月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない限りにおいて、労使協定又は就業規則その他これに準ずるものにより法定労働時間を超える週又は日の特定を要することなく、1週間について40時間、1日について8時間を超えて労働させることが可能。
■ただし、列車等の乗務員の予備勤務者の労働時間の特例の対象には「航空機に乗務する労働者」は含まれていないので、誤り。


【問題】工場で就業する労働者が、使用者から、作業服及び保護具等の装着を義務付けられ、その装着を事業所内の所定の更衣所等において行うものとされ、また、始業の勤怠管理は更衣を済ませ始業時に準備体操をすべく所定の場所にいるか否かを基準として定められていた場合、その装着及び更衣所等から準備体操場までの移動は、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができ、労働基準法上の労働時間に当たるとするのが最高裁判所の判例である。

(平成22年 問4B)

【解答】○

【解説】(三菱重工長崎造船所事件)
■作業服及び保護具等の装着を義務付けられ、始業の勤怠管理は更衣を済ませ始業時に準備体操をすべく所定の場所にいるか否かを基準として定められていた場合

⇒その装着及び更衣所等から準備体操場までの移動は、労働時間に該当するというのが判例の趣旨。


【問題】労働基準法が規制対象とする労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、その具体的な判断においては、労働契約、就業規則、労働協約等の定めに従い決定されるべきであるとするのが最高裁判所の判例である。

(平成20年 問4A)

【解答】×

【解説】(法32条、三菱重工業長崎造船所事件)

■判例によると、労働時間について「労働基準法32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるものではない。」ということで、誤りになります。
■労働時間がどうかは労働契約等の定めでなく、客観的に判断。


【問題】労働基準法第32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、この労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない。

(平成14年 問4A)

【解答】○

【解説】(法32条、三菱重工業長崎造船事件)
■労働時間⇒労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間
■客観的に定めるものであり、労働契約、就業規則、労働協約等で決定されるべきものでない。


【問題】ビルの巡回監視等の業務に従事する労働者の実作業に従事していない仮眠時間についても、労働からの解放が保障されていない場合には労働基準法上の労働時間に当たるとするのが最高裁判所の判例である。

(平成22年 問4A)
【解答】○
【解説】(大星ビル管理事件)
■仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たる。


【問題】労働基準法第32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、実作業に従事していない仮眠時間が労働基準法上の労働時間に該当するか否かは、労働者が実作業に従事していない仮眠時間において使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものというべきであるとするのが最高裁判所の判例である。

(平成19年 問5B)

【解答】○

【解説】(大星ビル管理事件)
■「実作業に従事していない仮眠時間⇒使用者の指揮命令下に置かれているかどうか客観的に判断する。」というのが判例の趣旨。


【問題】労働基準法第32条の2に規定するいわゆる1か月単位の変形労働時間制については、当該変形期間を平均し1週間当たりの労働時間が4時間の範囲内である限り、使用者は、当該変形期間の途中において、業務の都合によって任意に労働時間を変更することができる。

(平成18年 問4A)

【解答】×
【解説】(法32条の2、昭和63年1月1日基発1号・ 婦発1号)
■1箇月単位の変形労働時間制⇒労使協定又は就業規則その他これに準ずるものにより、変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めることが必要。
■変形期間の途中で、使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更することはできない。


【問題】労働基準法第38条第1項に定める事業場を異にする場合の労働時間の通算については、同一事業主に属する異なった事業場において労働する場合にのみ適用されるものであり、事業主を異にする複数の事業場において労働する場合には適用されない。

(平成22年 問5D)
【解答】×

【解説】(法38条1項、昭和23年5月14日基発769号)
■労働時間は、事業場を異にする場合⇒労働時間に関する規定の適用については通算
■「事業場を異にする場合」とは、事業主を異にする場合も含まれている。


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