雇用保険法

《目次》

【基本手当の日額】 (法16条)

【問題】基本手当の日額は、原則として、その者について算定された賃金日額に、100分の80から100分の60までの範囲で定められた率を乗じて得た金額であるが、受給資格に係る離職の日に60歳以上65歳未満の者については、上記の範囲は100分の80からl00分の50までに拡大される。
(平成14年 問4A)
【解答】×
【解説】(法16条)
基本手当の日額⇒
離職日において60歳未満の者⇒賃金日額に100分の80から100分の50までの範囲で定められた率を乗じて得た金額。
離職の日において60歳以上65歳未満である受給資格者の基本手当の日額⇒賃金日額に100分の80から100分の45までの範囲で定められた率を乗じて得た金額。


【問題】受給資格に係る離職日に60歳未満である受給資格者の基本手当の日額は、原則として、その者について計算された賃金日額に、100分の80から100分の50までの範囲で厚生労働省令により定める率を乗じて得た金額である。
(平成16年 問3C)
【解答】○
【解説】(法16条1項)
離職日に60歳未満である受給資格者の基本手当の日額⇒賃金日額に100分の80から100分の50までの範囲内で、厚生労働省令で定める率を乗じて得た金額。


【問題】基準日に52歳であった受給資格者Aと、基準日に62歳であった受給資格者Bが、それぞれの年齢区分に応じて定められている賃金日額の上限額の適用を受ける場合、Aの基本手当の日額はBのそれよりも多い。
(平成22年 問4D)
【解答】○
【解説】(法16条、法17条4項)
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賃金日額の最高額⇒離職日において60歳以上65歳未満の者より45歳以上60歳未満の者の方が、高く設定。
基本手当の日額は、離職者の賃金日額に応じて最高80%から最低50%の範囲(60歳以上65歳未満の者については最高80%から最低45%の範囲)の率を乗じて得た額とされているが、賃金日額の最高額の適用を受ける者に対しては最も低い給付率が適用されることになっている。
よって、問題文の場合、年齢が45歳以上60歳未満の範囲である受給資格者Aの方が60歳以上65歳未満の範囲である受給資格者Bに比べ高い賃金日額が適用され、基本手当の日額の算出においても受給資格者Aに適用される給付率は50%で、受給資格者Bに適用される給付率は45%であるため、基本手当の日額は受給資格者Aの方が多いことになる。


【問題】受給資格に係る離職日に満28歳である受給資格者の基本手当の日額は、原則として、その者について計算される賃金日額に、100分の80から100分の60までの範囲で厚生労働省令により定める率を乗じて得た金額である。
(平成21年 問3B)
【解答】×
【解説】(法16条1項)
基本手当の日額⇒賃金日額に、100分の80から100分の50(離職日に60歳以上65歳未満である受給資格者については、100分の80から100分の45)までの範囲で厚生労働省令により定める率を乗じて得た金額。
「100分の80から100分の60まで」の箇所が誤り。


【問題】基準日における受給資格者の年齢に関わらず、基本手当の日額は、その者の賃金日額に100分の80を乗じて得た額を超えることはない。

(平成22年 問4E)
【解答】○
【解説(E)正解
(法16条)
基本手当の日額⇒離職者の賃金日額に応じて最高80%から最低50%の範囲(60歳以上65歳未満の者については最高80%から最低45%の範囲)の率を乗じて得た額のため正しい。


【問題】受給資格に係る離職日に60歳以上65歳未満である受給資格者の賃金日額が、同年齢層について定められている賃金日額の上限額であった場合、その者の基本手当の日額は、その賃金日額に100分の40を乗じて得た金額となる。
(平成16年 問3D)
【解答】×
【解説】(法16条2項)
離職日に60歳以上65歳未満である受給資格者の賃金日額が、同年齢層について定められている賃金日額の上限額であった場合
⇒その者の基本手当の日額は、その賃金日額に100分の45を乗じて得た金額。
よって、「100分の40」とした問題文は誤りである。


【問題】訓練延長給付、広域延長給付又は全国延長給付により、所定給付日数を超えて基本手当が支給される場合、その日額は、本来の基本手当の日額の100分の80に相当する額となる。
(平成19年 問2C)
【解答】×
【解説】(法16条、法24条、法25条、法27条)
このような規定はないため誤り。


【賃金日額】 (法17条)

【問題】賃金日額の計算に当たり、家族手当、通勤手当及び住宅手当は、すべて賃金総額から除外されるので、それらの多寡によって基本手当の日額が異なることはない。
(平成22年 問4B)
【解答】×
【解説】(法17条1項)
賃金日額の算定の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当及び住宅手当等も賃金総額に含まれる。
【POINT】
・賃金総額から除外されるのは
⇒臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金


【問題】小学校就学前の子を養育するために勤務時間短縮の措置を受け、賃金が低下しているときに離職した特定受給資格者については、基本手当日額は、当該措置の開始前の賃金による賃金日額に基づいて算定される。
(平成20年 問2B)
【解答】○
【解説】(法17条3項)
・小学校就学の始期に達するまでの子を養育するための休業をした場合
・その子の養育に関して勤務時間の短縮が行われた場合であって、これにより賃金が低下している期間中に特定受給資格者又は特定理由離職者として離職した者
⇒休業が開始される前又は勤務時間の短縮が行われる前に支払われていた賃金によって、基本手当の日額が算定される。
【POINT】
対象家族を介護するための休業をした場合、又は対象家族の介護に関して勤務時間の短縮が行われた場合についても同様。


【問題】基本手当の日額の算定の基礎となる賃金日額の計算に当たり、時間外労働や休日労働に対する手当は、賃金総額から除外される。
(平成19年 問2A)
【解答】×
【解説】(法4条4項、法17条1項)
時間外労働や休日労働に対する手当も賃金総額に含む。
【POINT】
ただし、臨時に支払われる賃金及び3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。


【問題】賃金日額の計算に当たり算入される賃金は、原則として、算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われたものに限られる。
(平成22年 問4A)
【解答】○
【解説】(法17条1項)
基本手当の算定の基礎となる賃金⇒最後の6カ月間に支払われた賃金の合計を180で除して得た額となり正解。


【問題】賃金日額は、原則として、被保険者期間として計算された最後の3か月間に支払われた賃金の総額(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は除く。)を、その期間の総日数で除して得た金額である。
(平成14年 問4B)
【解答】×
【解説】
(法17条1項)
賃金日額⇒被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金の総額(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は除く。)を、180で除して得た金額である。
【POINT】
・賃金の総額には、臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は除いて計算


【問題】賃金日額については上限と下限が定められており、下限額は年齢にかかわらず一律であるが、上限額は年齢区分によって異なり、受給資格に係る離職の日に45歳以上60歳未満の者が最も高くなっている。
(平成14年 問4C)
【解答】○
【解説】(法17条4項)
賃金日額⇒下限額と上限額が設定あり。
【POINT】
・下限額は年齢にかかわらず共通した額
・上限額は年齢区分により異り、離職日に45歳以上60歳未満の者が最も高い。


【問題】基本手当の日額の計算に当たり10円未満の端数が生じた場合には、四捨五入をして10円単位で額を算定する。
(平成14年 問4D)
【解答】×
【解説】
基本手当の日額⇒1円単位で計算。1円未満の端数は切り捨て。


【問題】毎年2回、6月と12月に業績に応じて支払われる賞与は、就業規則に明確な規定がある場合であっても賃金日額の計算から除外されるので、その額の多寡により基本手当の日額が異なることはない。
(平成16年 問3A)
【解答】○
【解説】(法17条1項)
賃金日額⇒
・臨時に支払われる賃金及び
・3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は含めない。


【問題】小学校入学前の子の養育のために勤務時間短縮措置を受け、これにより賃金が低下している期間中に、会社の倒産により離職した受給資格者については、その勤務時間短縮措置が行われる前の賃金により基本手当の日額が算定される。
(平成16年 問3B)
【解答】○
【解説】(法17条3項)
小学校就学の始期に達するまでの子を養育するため⇒
・休業をした場合
・勤務時間の短縮が行われた場合
⇒これにより賃金が低下している期間中に特定受給資格者又は特定理由離職者として離職した者については、休業が開始される前又は勤務時間の短縮が行われる前に支払われていた賃金によって、基本手当の日額が算定される。
【POINT】
対象家族を介護するための休業をした場合、又は対象家族の介護に関して勤務時間の短縮が行われた場合についても同様。


【基本手当の減額】 (法19条)

【問題】受給資格者が失業の認定を受けた期間中に内職など自己の労働によって収入を得た場合、当該日の基本手当の日額は、本来の金額からその収入の1日分の100分の80を控除した額となる。
(平成14年 問4E)
【解答】×
【解説】(法19条1項)
受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得たとき
⇒全額支給、減額支給、不支給の3パターンのいずれかに。
①全額支給
「収入の1日分に相当する額-控除額+基本手当日額」が賃金日額の100分の80以下である場合⇒基本手当を全額支給
②減額支給
「収入の1日分に相当する額-控除額+基本手当日額」が賃金日額の100分の80を超える場合(不支給になる場合を除く)は、賃金日額の100分の80を超える額だけ基本手当日額を減額して支給(「収入の1日分に相当する額-控除額+基本手当日額」が賃金日額の100分の80と同額になるように基本手当を減額して支給)
③不支給
「(収入の1日分に相当する額-控除額+基本手当日額)-(賃金日額×100分の80)」が基本手当日額以上である場合⇒基本手当は不支給。


【問題】受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働による収入を得た場合、その収入の1日分に相当する額が賃金日額の100分の80に相当する額に達しなければ、当該収入の基礎になった日数分の基本手当の支給に当たり、支給額は減額されない。
(平成21年 問3E)
【解答】×
【解説】(法19条1項)
受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得たとき⇒その収入の基礎となった日数分の基本手当は次のように計算される。
①全額支給
「収入の1日分に相当する額-控除額+基本手当日額」が賃金日額の100分の80以下である場合は、基本手当を全額支給
②減額支給
「収入の1日分に相当する額-控除額+基本手当日額」が賃金日額の100分の80を超える場合(不支給になる場合を除く)は、賃金日額の100分の80を超える額だけ基本手当日額を減額して支給(「収入の1日分に相当する額-控除額+基本手当日額」が賃金日額の100分の80と同額
になるように基本手当を減額して支給)
③不支給
「(収入の1日分に相当する額-控除額+基本手当日額)-(賃金日額×100分の80)」が基本手当日額以上である場合は、基本手当は不支給となる。


【問題】受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によって一定の基準を上回る収入を得た日については、基本手当が減額または不支給となり得るが、その場合の基準及び計算方法に関しては、当該受給資格者が特定受給資格者に当たるか否かによって異なることはない。
(平成22年 問4C)
【解答】○
【解説】(法19条1項)
失業の期間中に、自己の労働によって収入を得ている場合、その収入額が一定限度を超えるときは基本手当の減額を行うが、この規定の適用は、受給資格者が特定受給資格者に当たるかどうかで基準が異なることはない。


【問題】60歳の定年に達したため退職した者が、当該離職後、直ちに求職の申込みをしないことを希望する場合、公共職業安定所長にその旨を申し出れば、基本手当の受給期間は一律に、基準日の翌日から起算して2年に延長される。
(平成15年 問5C)
【解答】×
【解説】(法20条2項、則31条の2第1項)
60歳の定年に達したことにより離職した者が、一定期間求職の申込みをしないことを希望する場合⇒公共職業安定所長にその旨を申し出たときは、原則の受給期間(基準日の翌日から起算して1年)に、当該求職の申込みをしないことを希望する一定の期間(1年を限度とする)を延長することが可能。
「一律に、基準日の翌日から起算して2年に延長される」の箇所が誤り。
なお、60歳の定年に達した後、再雇用等により一定期限まで引き続き雇用された場合に、その期限が到来したことにより離職した者についても同様に受給期間の延長を申し出ることができる。(則31条の2第2項)


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